インターネットの世界で炎上・拡散にはパターンがあるのでしょうか。
ポジティブであれば「拡散」
ネガティブであれば「炎上」
この単純な定義では物足りないのではないでしょうか。
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炎上と拡散の間には、どんな違いがあるのか考えてみる
インターネットの世界では、炎上と拡散という二つの世の中を巻き込むトレンドが現れる。
炎上と拡散の違いはどこにあるのか、論理的に深く考えられた本と出会いました。
炎上と拡散について徹底的に掘り下げた一冊
小峯隆生(著)の『「炎上」と「拡散」の考現学――なぜネット空間で情報は変容するのか』を興味深く読みました。
誰もが「権力」を手にしたとき、炎上は生まれた
この一言にドキッとさせられてしまいました。
炎上4タイプの曲線
曲線① 上がり続ける 《昇竜=アップドラゴン》
曲線② 下がり続ける 《ダウンヒル=直滑降》
曲線③ 上がって下がる 《どんどん橋、落ちた》
曲線④ 下がって上がる 《ホッケースティック》曲線
① 上がり続ける 《昇竜=アップドラゴン》曲線
こちらは、映画『タイタニック』の地上波放送時の視聴者による反応を事例に上げています。
プラスの輪が伸び続けているので、昇竜という名前が適切です。
なかなか、ここまでプラスが続くケースは稀なのではないでしょうか。
② 下がり続ける 《ダウンヒル=直滑降》曲線
2013年に京都のコンビニのアイスケースに入った高校生が、ネットに写真を投稿されたケースで「アイスマン」という名称でまとめていました。
炎上の中でも、徹底的に負のスパイラルで、止めどもなく、叩かれるのが常。
この事例の「アイスマン」も名前や学校などが特定されて晒されました。
「祭り」と「処刑」が並行する恐ろしい世界です。
③ 上がって下がる 《どんどん橋、落ちた》曲線
「学費支援プラットフォーム」の「スタディギフト」のケースを取り上げています。
当初は好意的な印象が強かったのに、この学費支援を受ける女子大生の存在が知れ渡り、一斉に叩かれて、落ちていきました。
この上がって下がるというギャップはインパクトが深く残ります。
④ 下がって上がる 《ホッケースティック》曲線
サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏が中途退社した社員に激怒して、新聞の有料サイトにコラムを書いたことがきっかけで炎上。
しかし、早々に自体は落ち着いて、鎮火しました。
炎上がどのタイプなのかなんて、冷静に考えて分類してみることなど一度もなかったので、事例を読みながら、客観的にとらえることができます。
炎上の背景にある3つのスタンダード
1.金(金銭)
2.性欲
3.社会正義
炎上してしまう背景には、3つのスタンダードが存在してます。
金(金銭)の格差、持てるもの、持てていないものにあるギャップ。
それだけに、悪感情が高まり、徹底的に炎上していきます。
性欲も同様に、ジェラシーを感じた背景から、加速度的に相手を叩く方向に動き、炎上していきます。
もう1つが社会正義。
規範として許せないものを徹底的に叩くことで正義の鉄槌を食らわせた満足感。
人間の欲求に刺さるものが炎上のキーファクターになるというのも納得。
嘘の炎上、デマの拡散どっちらも問題
嘘の話だとわかっていても、いつの間にか、正義感や倫理観にあふれる人により、叩かれて一気に炎上していく事例を見たことがあります。
「冗談です、嘘です」
と後から、否定しても、一度炎上したものは止まりません。沈下するまでには、相当な苦労が多いことを捉えたら、安易な投稿はできなくなるはず。
一方で、デマの拡散というのも、昔のチェーンメールのように、人から人に伝わっていく。
デマと分かっていても、デマを否定する投稿があっても、総量として同じ情報ソースに触れてしまうと、拡散は止まりません。
嘘の炎上、デマの拡散、ともに広がり出したら、アンコントロールになります。
結論:炎上と拡散はコントロールできないもの
私は、この1冊を読んで、改めて考えたことは、炎上も拡散も、自発的にコントロールすることは難しいのだと納得できました。
話題性を生むために、炎上を仕掛ける人がいます。
世間的に叩かれることを承知のうえで、炎上させるのは当事者の自由。
ただ、炎上の怖いことは、当事者の意図と考えを越えて、広がりを見せること。
本人の関係者にも広がり続けます。
デマの拡散なども、ネットがない時代だって、人の口を伝達ツールとして広がってきました。
ただ、ネットの場合、スピードと量が爆発的になるので、思考停止してしまい、デマの拡散に意図しない人まで巻き込まれていきます。
炎上も拡散も、コントロールはできないものとして、個人としてどう付き合うのか、というマイルールとスタンスを決めておくことが必要です。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。