小説を読んでも、著者がどんなストーリー、登場人物を設定することで何を語りたいのか、読者である我々は理解できていないかもしれない。
今回、社会経済派の濃厚で鋭い『ハゲタカ』シリーズの著者、真山仁さんが書かれた短編小説集『プライド 』を読んでみました。
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プライドを持って生きろ!と伝える短編小説集『プライド』に真山仁が込めた思い
長編小説が得意な真山仁に短編集があると知って驚きました。
2010年に発刊された新潮社の一冊を図書館から借りて、目次の次に目を通したのは「あとがきに代えて」の文章に注目しました。
何のために人は働くのか。そして、どうすれば矜持を守ることができるのか。
それを守るために、どのくらいの犠牲に耐えられるのか。
あるいは、犠牲を払ってまで守るプライドとは何なのか—-。
現代社会と対峙する物書きでありたいと思う私は、ここ数年、ずっとそう問い続けてきた。
バブル経済が崩壊した後の日本について、鋭くえぐる作品を作った真山仁さんの言葉だけに重みが伝わってきます。
6つの短編に共通したのは「プライド」というテーマ設定
「一俵の重み」「医は・・・・・・」「絹の道」「プライド」「暴言大臣」「ミツバチが消えた夏」の6つの短編がまとまった一冊。
どの短編に登場する人物も、設定も、バラバラ。
官僚、医者、政治家、農家(?)などの多様な顔ぶれ。
誰もが素晴らしい人間ではなく、面だけではなく、裏の側面を持つ。
短編だけに展開があっという間に終わってしまい、最後にアンサーがあるようで、ないような終わり方が続きます。
あとがきに代えての通り、プライドをテーマに持って働く人を見つめて書かれていたことはわかりました。
プライドが高すぎてはいけないけど、プライドがないと生きていけない
プライドが高い
こんな言葉を自分に投げかけられて、褒め言葉に感じる人はいない。
無駄なことにこだわって、めんどくさい人間のことを「プライドが高い」ヤツと感じているだろう。
確かに、プライドの高さは、人との付き合いや関係性の中では邪魔なもの。
ただ、今回、この『プライド 』を読み終えて感じたことは、働く人たちは、自分の仕事や生き方にプライドがないとダメなんだと言うメッセージでした。
自分がなぜ、その仕事をするのか。
お金のため、生活のため、やり甲斐や生きがい、色々な表現をする人がいるとは思います。
職業選択が自由な社会である以上、自らがその仕事を選んで、続けている以上、どんな仕事であってもプライドを持って立ち向かわなければいけない場面は絶対にあります。
ここぞという場面で逃げ出してしまう人間こそ、情けない存在はないものだと。
危機的状況、ピンチの場面で、どう取り組めるのか。
役職や経験年数などではなく、本気で仕事(人生)と対峙する以上、プライドは不可欠な存在なのです。
今回、『プライド 』を読んだことで気付かされたのは、まさに、プライドの存在でした。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。