【開催レポート】「ブランドって何だ? 〜パーソナルからコーポレートまで、ブランドに大切なたったひとつのこと〜」(サードプレイス・ラボ 第39回)

サードプレイスをつなぎ、拡げるコネクターを目指している安斎輝夫です。

自主イベント「サードプレイス・ラボ」も、毎月開催を続けて、2020年3月開催で第39回を迎えました。

今回は、「理念・ブランド・デザイン」を軸に社内外でブランド啓蒙活動を推進している、水野昌彦さんをゲストにお呼びして、ブランドを学ぶというコンセプトは早々に準備をしていました。

開催レポート(裏話入り)をまとめましたので、最後までお付き合いください。

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ギリギリの状況での開催に向けて、主催者と登壇ゲストの悩みと準備を参加者が受け入れてくれた

2020年3月25日(水)開催された、サードプレイス・ラボは今までとは状況が大きく異なりました。

今までは、イベントとして立ち上げても集客ができないというトラブルや、会場との連絡ミスで土壇場で会場変更、主催者の体調(本業とのバランス)などはありましたが、あくまでも、主催者である私周辺の問題でした。

今回は、「コロナウイルス」感染という世界的な問題と対峙しなければいけないという未経験ゾーン。登壇ゲストの水野昌彦さん、参加者の皆さんのご意見などに配慮しなければいけない慎重な判断が求められました。

今回は開催できないかもしれない、という大ピンチを迎える

私は、毎月、様々なテーマでゲストを呼んだり、ワークショップをしたり、緩やかなつながりの中で、新しいスタイルのコミュニティとしての「サードプレイス」を実践することに力を注いできました。

3年を越えて、さらなる変化、つながりを求めていた矢先、今回のコロナウイルス蔓延という未曾有の危機が訪れてしまいました。

今回は開催できないかもしれない

口にはしないものの、心の中では、この思いは常に持ち続けていました。

タイミングと状況次第では致し方ない判断をしなければという覚悟です。

大規模イベントを中心に軒並み中止・延期が出ているのですから、当然です。

🔳 「サードプレイス・ラボ」の開催前に起きた「コロナウイルス」感染の話

2020年1月、中国武漢で発生したコロナウイルス騒動は、国境を越えて蔓延し、感染者数と死亡者数を日々、アップデートされていく恐ろしい現実が迫ってきました。

国内のみならず、海外でも、行動の制限、都市の封鎖などにより、緊張感は高まっています。

本来ならば、以前のサードプレイス・ラボ参加者に向けて、積極的にお声掛けをして楽しいイベントに仕上げたいという気持ちを持っているのですが、今回は、アピールを一切ストップしてしまいました。

まずは、自分自身がコロナに感染しないこと、同時に、水野さんが感染しないことを願うばかりでした。

🔳 「サードプレイス・ラボ」の開催延期・中止、WEB開催などの検討

水野さんとは何度かメッセージでやり取りをしながら、開催有無の判断を探っていました。

実施する方向で、必要な条件として参加人数、環境(換気)、マスク着用などや、接触機会を減らすために、名刺交換の遠慮、ワーク(共同作業)の中止などを決めていきました。

と同時に、ビジネス上でも電話会議、ビデオ会議などに利用されているZOOMを使っての開催案も検討していました。

会場開催にすべきか、ZOOM(インターネット)開催にすべきか、併用にすべきか。

参加希望者の意向も伺い、会場参加希望がほとんどであったため、開催に踏み切りました。

一方で、なかなか実践できていなかった、サードプレイス・ラボのライブ動画配信としてのZOOM実施(アーカイブとしての録画も含む)も同時並行する方向で決まりました。

このノウハウに関しては、私も水野さんも不慣れで合ったのですが、一緒に参加していただいた、大村さん、中村さんの力により助けていただきました。(感謝)

「ブランドって何だ?」というタイトルに惹かれる思い

このタイトルで、水野さん自身の経験と知識を踏まえたミニセミナーに設計した時点で、正直、ワクワクしていました。

水野さんが大手自動車メーカーで、プロダクトデザイン・研究をされているという経験を踏まえつつ、掘り下げてブランドを考える機会を提供してもらえることに期待度が上がっていました。

🔳 私のブランドへの思いと挫折

私自身、特定のブランドが大好きという人間ではないのですが、本業周辺で、このブランドについて考えて、関わってきた時期があります。

新卒で入社した会社のある部門(本部や事業本部レベル)で営業を経て、営業支援部門に回って、上長からは「ロジスティック(正確な意味とは違いますが)の専門家になれ!」と言われて、必死に駆け抜けた20代。

その時にぶつかったのが「ブランド」という問題でした。

当時、私は、会社のブランドではなく、部門ブランドをアピールしなければいけない立場になりました。

もともと、独立部門的な考え方、独自性を持っていたので、会社ブランドとは違う、商品・テーマとして別途のブランドを考える必要性に迫られていました。

当時、自分の頭で考えて、外部で学びながら、ブランドの意味や価値を理解しつつも、展開できたのは、瑣末的なことになっていました。

ブランド価値を伝えるメッセージにつながるキャッチコピー、長らく使っているロゴと、ブランド名を露出させることを広告を中心に、予算の範囲内で権限をオーバーするレベルまで実施していました。

当然、コストをかけた分、ニッチな分野での知名度は上がったものの、全社ブランドとの住み分けの中で問題が発生しました。

その頃、社内でブランドを語れる人は、ほとんど誰もいない中で、部門レベルの若造が勝手なことをやっていることに、批判・避難を浴びました。

「何様だ!勝手なことをするな!」

と脅されるような発言を受けても

「マイノリティーなものであっても、複数のサービスブランドの価値を上げなければ、総合ブランドが強くなりません。総合百貨店だって、テナントのブランド力が集まって成り立つ時代です!」

と逆らって物を言う姿勢に対して、当時の社長は、気骨のある若者社員として許してくれました。(ありがたいことです)

この商品(プロダクトと言えないところが事業の特徴ですが)ブランドを確立していく中で、得た経験を磨いていくキャリアを考えていた時に、予想外の兼務異動のまま、正式な異動という憂き目に遭いました。

サラリーマンだから仕方ないものの、自分がやりがいと誇りを持っていて、未来を夢見ていたブランドマネージャー的な役割を失ったというのは、堪え難い後悔の一つです。(取り返しはつかないのですが)

🔳ドラッカー勉強会でマーケティングについて学び直す

私の転機は、サードプレイス・ラボの前進として、大村信夫さんが主宰していた「ドラッカーの名言 学び実践会」で、マーケティングについて、理央周さんと徳本昌大さんに学んだことから生まれます。

ビジネスマンとして、ドラッカーの考え方を軸にしながら、基本のマーケティングを学び、実践にどう活かせばいいのか。

また、個人のブランディングというのはどういうものなのか、ということにも向き合いました。

売れる仕組みについて考えて実践するために、マーケティングもブランドも不可欠な存在だと納得することにつながりました。

🔳「ブランド」に関わるようなサードプレイス・ラボは過去にも開催実績あり

そのような思いを抱えている私は、過去にも「ブランド」をテーマにしたサードプレイス・ラボを開催したことがあります。

あわせて読みたいブログ記事

企業PRの目線で、横田和明さんから教わった考え方も大変興味深いものでした。

広告ではない切り口でどうやって、世の中に伝えて巻き込んでいくのかという点では、大いにヒントに溢れるものでした。

複業という切り口でセルフブランディングを実践されてきた、きむらあきらこさんから楽しく学べたことも忘れられません。

今回、ブランドそのものに直球で挑む内容であれば、Ideal Brands(アイデアルブランズ)を展開されている、水野昌彦さんが適任だというのは、間違いないオファーだったと思います。

「ブランド」って何なんだろうという素朴な疑問から

ブランドとは何か?

誰もがあいまいな答えしか持っていないもの。

高級品、ロゴ、のれん、など色々なイメージがあるのですが、正解として何を持ってくるのか。

水野さんは、一般社団法人ブランドマネージャー認定協会による消費者・顧客から見たブランドの定義を紹介してくれました。

ある特定の商品やサービスが消費者・顧客によって識別されているとき その商品やサービスを「ブランド」と呼ぶ

知られているだけではなく、差別化されて選ばれつづけることで強いブランになる、とポイントを解説してくれました。

「ブランドは自分たちが作るものではなくて、お客さんの心の中にできるもの。お客さんに良く思ってもらうことが大事になる。」

ブランドとは人の心象や感情を扱う概念である。

ブランドの仕組みとして、ブランド体験の刺激を顧客に与えることで、強く記憶に残るようになるという話は、リアルな世界の話を想起しながら、わかりやすいものでした。

一貫性性・意図的・継続性がブランド要素・体験の設計で大事なことだという話は、スムーズに納得できました。

実際、このあたりが上手くできている企業・組織は少ないのではないかと考えました。

ブランド・マンダラの図解も、実にクリアにわかるものでした。

ブランド構築ステップもクリアでわかりやすく、この通りに実践できたならば、成功に導けるのだろうと想像できる内容でした。

インターナルブランディングの重要性

今回の水野さんのお話の中で、私がもっとも響いたのは、インターナルブランディングの話でした。

ブランドとは創業者や経営者やブランドマネージャーが作ったものを脈々と順守していくべきというイメージが強く、しかも、対外的な価値に重きを置いています。

例えば、ブランド名やロゴなどの対外的な見栄えに意識を向けすぎています。

ところが、本来は、ブランド価値を生み出す内部、企業で言えば従業員たちが納得して作り上げていくものであるというのがインターナルブランディング。

このインターナルブランディングができていれば、従業員は会社やブランドに誇りをもち、日々、仕事に対して邁進していき、顧客や世間に価値を伝えていくことができる。

このインターナルブランディングは、従業員が組織を横断的にともに考えて作り上げていく過程が大切であり、従業員(社員)が納得して、そのブランドを信じていける関係性を内部で構築して、はじめて、エクスターナルブランディングも成功するという話。

私も、話を聞きながら納得しつつも、最後の質疑応答で出たように、現実的に難しいのも事実。

つまり、一朝一夕にできないブランド作りは、会社・商品・サービスへの愛情をもっていなければできません。

今、転職により、1つの企業組織に所属する期間が短くなり、組織よりも自分のキャリアを高める方向に時代が向いていると、ブランディングは個人の信頼・信用をベースにされています。

はたして、企業や組織が1つのブランドを守り、顧客や世間に理解してもらい続けるには、生半可なものでは成立しないと思います。

お礼とお詫び

今回のサードプレイス・ラボ開催にあたり、社会情勢を見ながら冷静に開催判断をともに歩み、当日も見事にブランドについて学ばせてくれた水野昌彦さんに、心から感謝しております。

また、当日、会場開催とZOOM開催(WEBライブ配信)の不慣れな仕切りの中、参加してくれた皆さんへの感謝。コロナウイルス感染の恐れを考えながらも、快くご一緒してくれたことは忘れません。

ただ、音声・ライブ配信に関しては、Wifiでは重たい動画コンテンツを安定的に提供できない通信環境であったり、音声(マイク)の問題で、WEB参加者には音声が聞きづらい、会場の質疑応答のやりとりが聞こえなくてわからないというご不便をかけてことはお詫びいたします。

毎月開催【サードプレイス・ラボ】

サードプレイス・ラボでは定期的にイベントを開催しております。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。