第72回カンヌ国際映画祭の最高賞である、パルムドール受賞作品「パラサイト 半地下の家族」をアマゾンプライムビデオで視聴しました。
半地下生活とブルジョアな生活を送る家族の対比で展開されるストーリーが、日本では設定がしにくいと感じました。
話題作ですが、あなたはご覧になりましたか?
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映画賞作品だからと言って全てを見たいわけじゃない!
受賞作品だけが、素晴らしいというのが映画の世界ではありません。
映画を見た方の数だけ、様々な感想や思い入れが出るのは当然です。
私も、今回、見ようと考えていていなかった作品ですが、第三者の言葉を受けたことで、あえて見ようと思えました。
韓国映画・ドラマって荒唐無稽な設定が売り!「パラサイト」に流れる不条理
私は、韓国映画・ドラマ、いわゆる、韓流が苦手です。
荒唐無稽な設定でありながら、シリアスなサスペンスやアクションを伴う作品が多くて、私の感覚とは正直合わないと言う印象が残ります。
ただ、話題作としてパルムドール受賞の「パラサイト 半地下の家族」を無視するのはもったいないと考えたのと、スナック西野で品川祐さんと西野亮廣さんの対談の中でも、触れられていたので、今、見逃したままではもったいないと判断しました。
<あらすじ>
仕事も計画性もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続ける息子ギウ。美大を目指すが予備校に通うお金もない娘ギジョン。しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族だ。 「僕の代わりに家庭教師をしないか?」ギウはある時、エリート大学生の友人からアルバイトを頼まれる。そして向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。 パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…。“半地下”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家。相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく–。Ⓒ2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED (アマゾンプライムビデオ「パラサイト」の作品紹介より引用)
この「パラサイト 半地下の家族」に流れるのは、キム一家とパク一家のギャップ感に尽きます。
日本では、個人としてエリートvs庶民みたいな形で描くことはあっても、家族を交えて描く作品は、福山雅治主演の「そして父になる」ぐらいしか、最近の映画では浮かびませんでした。
昔は、貧乏な家族の若者と大金持ちの家族の若者が恋に落ちる鉄板ストーリーは、昔話・童話の世界でも繰り広げられてきています。(「シンデレラ」などが典型)
でも、恋愛関係なく、家族の対比だけを描き続けて、後半に、大きな事件が起きていく設定の作品は記憶にありません。
個人レベルでは大逆転な人生はありえても、家族ぐるみのレベルで人生のどんでん返しは難しいものです。
そこに流れるのは不条理な現実。この映画の根底に流れる、両家族の常軌を逸した雰囲気がなんとも言えませんでした。
半地下と高台という家は、生活レベルの違いを語りすぎている
この「パラサイト 半地下の家族」の中で、両家族が住んでいる家、住環境は、生活レベルの違いを語りすぎています。
実際に、ここまで違う世界だと触れ合うことがないはずなのに、巧妙なまでに絡んでいく展開。
例えば、日本であっても、高層な高級マンションに住む家族と、古いアパートに住む家族の間には、大きな壁が存在しています。
食事、仕事、教育など、すべてのものが全く違う現実を突きつけられるのは致し方ありません。
その違いこそが、人生の大きな違いに影響を及ぼしています。
どちらが幸福なのかという問題ではなく、両者には交わり合うことが難しい、大きな壁が存在しているのです。
結局は金銭・資産の違いとして割り切られるべきなのか
例えば、政界や芸能界などであれば、二世・三世という世代が、今、増えています。
彼らは、祖父母や両親の影響を受けて、明らかに有利なアドバンテージの環境に身を置いているケースが多いと言えます。(幸せなのか、絶対に成功するのかは別問題です)
一方で、一般庶民の家庭であったり、事業などが苦しい状況に置かれた家族だったりすると、当然、金銭面・資産では余裕がなく、苦しい生活を送っています。
中流家庭が減りつつある、日本社会の中で、双方の距離感は確実に広がりを見せて、相互に関わらない世の中が拡大しつつあります。
この作品では、奇跡的に関わることになって、ストーリーが大きく展開していきますが、お互いの溝を埋めるようなミラクルは、まず起こらないと考えておくのが妥当です。
このギャップを埋めるチャンスが芽生える社会になれることが平等に近いのでしょうが、現実的には無理があります。
不条理が描かれても感動はなく、現実を噛みしめるだけ
コロナ禍で読んだ『ペスト(新潮文庫)』にも似たような不条理を感じました。
世の中には、交わることもなかったり、お互いのギャップを埋められないという問題、不条理は避けて通れないという現実を噛みしめる作品。
正直言って、心地よさはないし、感動的な作品とは言えません。
リアルな現実の側面を描いているからこそ、すっきり感が芽生えないのです。
実在した事件を描いているような錯覚を得るほど、リアルを感じる韓国映画というところに、私自身は、違和感とイメージのギャップを感じました。
あなたは、「パラサイト 半地下の家族」を見て、どんな感想を持たれましたか?
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。