『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』を読んで、全く知らない世界を知りました

有名女子中・高校なんて、自分が受験をしない限り、ご縁がないもの。

まして、大学の話なら、社会人になってすることはあっても、中・高時代の話はエピソードを同級生以外とシェアすることは稀なもの。

「女子御三家」と言われる、桜蔭・女子学院・雙葉の存在は知っていても、表面的なイメージだけで、実感がない方々がほとんどのはず。(卒業生や親御さんとしてお子さんを受験させようと思うなら別ですが)

そこで、手に取ったのが、矢野耕平(著)『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密 (文春新書)』でした。

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中学受験以降の在学・卒業生のイメージが湧かない女子御三家

首都圏に住んでいれば、2月1日の私立中学校の受験日のニュースや情報を耳にする機会はあるのではないでしょうか。

今や、都内は公立では飽きたらない親と子どもが、必死に勉強をして、私立中高一貫校や、都立中高一貫校を目指しているので人気はうなぎのぼりです。

その中でも、女子のトップといえば、「女子御三家」の桜蔭、女子学院、雙葉の3校です。

名前とブランドイメージはあるものの、直接、関わったことがなければ、一般的には知られない、謎のベールに包まれているだけに、塾の先生を長年されてきた目線で、矢野さんが書かれた『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密 (文春新書)』には期待していました。

もちろん、期待以上に具体的に良さも、課題も伝わる内容で納得できる一冊でした。

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女子御三家のイメージはあるけど、クローズドなカルチャーで実態がわからない

女子御三家は、入試(偏差値などの学力)、進路先などのイメージはあるものの、当事者出ないと、実際のところはよくわかりません。

長らく、クローズドなカルチャーで実態は伝わっていないからこそ、矢野さんは取材も含めてチャレンジして、『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密 (文春新書)』にまとめたのです。

本の中でまとめられていた3校の特徴を整理してみます。

※独自性 は、著書の中で卒業生などの取材を踏まえて著者の矢野さんがまとめたものを引用しています。

桜蔭とは

学校法人桜蔭学園 桜蔭中学校高等学校
東京都文京区本郷1−5−25

沿革 1924年(大正13年)、東京女子高等師範学校(現、お茶の水女子大学)同窓会社団法人桜蔭会により設立。1947年(昭和22年)、学制改革により桜蔭中学校を、翌年に、桜蔭高等学校を設置。
校訓 「勤勉・温雅・聡明であれ」「責任を重んじ 礼儀を厚くし 良きしゃかいじんであれ」
独自性 学ぶ力、認める力 ※
出身著名人 水森亜土(イラストレーター)、土井香苗(弁護士)繁田美貴(アナウンサー)、菊川怜(タレント)

とにかく、日本でNo.1の頭の良さを誇る女子が集まる学校だけに、桜蔭から東大を始めたとした国立大学、有名私大に進学し、医学部も卒業生の進路の3割程度、という話もあります。

社会で活躍する、聡明で、頭脳明晰な女性を輩出しているのは間違いありません。

女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密 (文春新書)』を読む限り、選りすぐりの生徒が集まることで、切磋琢磨することが普通なだけに、ハイレベルな授業で磨かれているのは、想像できます。

女子学院(JG)とは

学校法人 女子学院
東京都千代田区一番町22-10

沿革 1870年(明治3年)、ジュリア・カロゾロス女史により築地居留地に設立されたA六番女学校を起源としている。その後、1890年(明治23年)に女子学院と改称した。
校訓 なし
独自性 図太い力、楽しむ力 ※
出身著名人 合原明子・島津有理子・膳場貴子・馬場典子・徳島えりか・和久田麻由子(アナウンサー)、幸田文・吉行理恵(作家)、辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)、今井通子(医師・登山家)

校訓もなく、自由な校風は制服フリーも含めて、中高生というよりは、大学に近いイメージがあります。

人は人、私は私、といった他人と自分を比較せずに成長していく自我を確立させていく姿には魅力があります。

学校イベントを学生に任せているというのも自主独立的なカルチャーを生んでいるのだと理解できました。

雙葉とは

学校法人 雙葉学園 雙葉中学校・高等学校
東京都千代田区六番町14-1

沿革 1875年(明治8年)、東京築地に語学校を開設したのが起源。1909年(明治42年)、雙葉高等女学校を開校。
校訓 徳においては純真に、義務においては堅実に
独自性 世を渡る力、臨機応変な順応力、考える力 ※
出身著名人 高橋真麻(アナウンサー)、かたせ梨乃(女優)、川上弘美(作家)、いとうあさこ(お笑い芸人)

雙葉と聞いて、誰もがイメージするのが「お嬢様」学校です。

経済的な意味ではなく、「育ちが良い」と一目置かれる存在の彼女たちが先輩・後輩の関係の中で磨かれる話は、懐かしい学校の縦社会を感じました。

また、内部(幼稚園・小学校から上がってくる生徒)と外部(中学入試組)という違いがあることで、対立にならない範囲で刺激を受けている点などは、男子校、共学校にも存在する文化と変わらないものに感じました。

頭がいいから通っているのだから、レベルが違うのは当たり前

偏差値だけで学力を図ってしまうのが正しいのかは疑問ではありますが、知識量と知恵の量が多いのは事実。

それだけ、勉強をして、理解をして、問題を解いていくために、相当な受験勉強を積み、受験に合格しなければ入学できないのですから、当たり前の話。

当然ながら、私立中・高校に通わせるだけの親の経済力(貧困問題は深刻になり始めている日本の二極化の一旦ですが)は不可欠。

また、本人の精神的なストレスと頑張り、勝ち抜くまでにあきらめない気持ちと勉強量など、12歳までで経験しなければならないレベルとは、異なるプロセスを踏むだけに、圧倒的な能力をもった、生徒さん達なのでしょう。

勉強にしても、部活にしても、学校のイベントに対しても、貪欲に取り組む姿が浮かびます。

だらだらと友達とスマホ・LINEグループでやりとりをするような印象はありません。

しかも、必死にならなければやり抜けないのに、本を読んで感じるのは、彼女たちのスマートな態度や雰囲気が印象に深く残ります。

持っている素養と伸ばされた能力、意欲が違うというのは明らかです。

私の数少ない女子御三家卒業生のキャラと今

公立中学校を卒業して、都立高校に進んだ私からすると、この女子御三家との接点は、ほとんどありません。

もちろん、大学の同窓や先輩・後輩、社会人になってからの知り合いに出身者はいるのかもしれませんが、話題になることがなかったので、無知でした。

そんな私にも、唯一、小学校の同級生女子が桜蔭に進学したという子がいたのを思い出しました。

実家が医者で、当然、彼女も医者になるべく、日本一の女子中高と言われる、桜蔭で切磋琢磨したのだと思います。

今、親の跡を継いで、開業医をしていますが、元気に地元医療に携わっているようです。

当時の印象で見れば、真面目すぎるキャラクターで、ある意味の完璧女子だった彼女が、どんな日々を送ったのかは想像しかできません。

ただ、日本の中ではトップクラスの中で揉まれた経験は、確実に彼女を成長させたことだけは理解できます。

機会があれば、一度会って、話をしてみたいですが、噛み合う会話ができるのか、自信はありません。

このような本によって、受験検討中の親、在学生、卒業生にとっても実像が見えてくるので、男の子をお持ちの親御さんでも、受験なんて考えないという方でも、お読みいただけると刺激を感じられるのは間違いありません。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。