ドラッカー × 中学入試合格物語『がんばれ、さくら!』(樋口義人)は、現実的ストーリーだけにシミュレーションできる

人生で受験勉強を一度もしないで過ごす日本人は、ほとんどいません。

受験勉強、入試の中でも、都市部を中心に激化している中学受験の流れをストーリー仕立てで語ってくれる一冊『がんばれ、さくら! ドラッカーに学ぶ受験マネジメント― 親子で読む中学入試合格物語』を読んでみました。

賛否はありますし、地域差、家庭の事情、子ども自身の適性などもあるので、ただ、賞賛するわけにはいきませんし、ドラッカーと結びつけるというのも意見が分かれると思います。

中学受験界で長年活躍された方がまとめられただけに説得力は十分にあります。

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中学受験向け本をドラッカーと紐づけるとは!

ドラッカーとリアルなものを結びつけるものといえば、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』で有名になった「もしドラ」シリーズが有名です。

経営の神様と言われるP・F・ドラッカーの考え方を応用していく展開力とわかりやすさには定評がありました。

今回、同じく、ドラッカーの考え方を中学受験マネジメント本として書かれた『がんばれ、さくら! ドラッカーに学ぶ受験マネジメント― 親子で読む中学入試合格物語』を読んでみました。

ストーリー仕立ての中に、子供の変化、家族の思いが伝わる

小学校4年生、秋からストーリーは始まり、さくらが中学受験に向けて、頑張っていく、紆余曲折の展開。

果たして、小学校高学年女子の思考や心はどのようなものなのか、中学受験界で有名だとされる樋口義人さんが書き上げているだけに、空想よりも実際に指導してきた子供たちをモデルにしたのは間違いない。

楽しいことも我慢して、悪戦苦闘する、さくらは、順風満帆には行かずに、挫折しそうになりながら持ち直していく。

成績が伸び悩んでいたり、ストレスや不安に苛まれながら、小学校6年生の2月の受験本番を迎えて、さくらは・・・。

子ども軸でもありながら、親の気持ちも綴られていく物語の中に、どの家族も、子供も必死にチャレンジしている姿が浮かびます。

親子で読めるのは、真実に近いディテールがあるから

親子で読めるとサブタイトルにはあるものの、文書読解の能力が一定水準以上ある子どもでなければ難しいレベル感。

そして、真実に近いディテールがあるからこそ、親子で語り合いながら、未来を予測して読みあうこともできる一冊なのだと思います。

ドラッカーの言葉を引用する必要まであるのか、と問われると疑問符は残ります。

ただ、気になるのは合格後、どんな生活を子ども達が送って、成長していくのかではないでしょうか。

受験に合格がゴールとするように、就活も内定がゴールと考える世の中。

本当は、スタートラインに立っただけで、そこまでのトレーニング期間が受験勉強だったはずなのに、無理を強いると、燃え尽きたり、他のことにだけ夢中になる子どもや新社会人がいるのは事実。

ドラッカーは、そんな日本の姿を見越して語っているとは思えません。

中学受験を戦った友と親たちの声

私自身、中学受験をしていないのですが、過去の話と周囲の話から掘り上げてみます。

記憶と声(VOICE)を大切に捉えていく中で、見えてくるものがあります。

・昭和後期は、中学受験は特別な世界だった

私は、都市部での昭和後期生まれなのですが、当時は、ほとんどの子どもたちが地域の小中学校に通うのがスタンダードでした(地域柄もあるでしょうが)

クラスに数名いる私立受験組(国公立附属校も含む)は特別に、頭が良いのか、お金持ちの家の子どもなどに限られていた、特殊な世界でした。

塾に通って、ねじり鉢巻で、必死に勉強する姿と噂は、自分には関係なかったとはいえ、独特な世界に感じました。

当時、私立を受験する子どもたちは、当然ながら賢く、優秀なお子さんでしたが、そこまでして通いたい私立中学校があるのか、と世間的にも冷めた目で捉えている方が多かった時代でした。

当時、必死に受験勉強を頑張って、合格をして、頑張った彼らの人生が、

・受験させたくないけど、世の中の流れだよ!とアドバイスを受ける

親になった今、周りの親たちも真剣に、私へアドバイスをしてくれる人が多い。

どうして、中学受験をしなければいけないのか。公立中学校ではいけないのか。

そこにかける時間とコストは、本当に、その子どもの将来の役に立てると言い切れるのかは、まだ答えが出ていないので何とも言えません。

一生懸命勉強することで、確実に成長する子どもの姿がいじらしく、嬉しいと語る親もいれば、少しは楽な人生を歩ませる可能性が高まったと安堵する親の本音も耳にします。

ただ、その子ども達が大人になり、どう活躍するかはわかりません。

だって、有名私立中学校卒だから、素晴らしい人物になったという話は聞いたことが少ないからです。

つまり、大人になってしまえば、通過点の出来事すぎて、人生を左右すると断言できないと感じているからでしょう。(私個人の感想)

中学受験は、学校からのメッセージというが選抜はされる前提は変わらない

最後の後書きで、樋口さんが、中学受験とは、学校からのメッセージが込められていると熱く語っています。

確かに、ファーストコンタクトですし、そこでの接点こそが重要なのはわかります。

ただ、そのメッセージに、どれほど共感できても、選抜されたモノだけが受け入れられる現実は変わりません。

戦いの少ない時代なのだから、人生で本気で勝負する経験を12歳前後で持つことは経験としては価値があります。

ただ、勝ち負けというか、合格・不合格という結果が伴うだけに、その後のフォローは、長い目で続けなければいけないのは、親の役割だと感じます。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。