2004年、映画「誰も知らない」で子役デビューを果たして、着実にステップアップしてきた、柳楽 優弥が主演したドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室- 」が人気を得ています。
原作マンガが評価されいていたとはいうものの、目力のある彼が、黒木蔵人を演じるには最適な配役でした。
また、ストーリーもいかにも現代的な中学受験を舞台にしている点、都会の子どもを持つ親世代を中心に引き込まれたのではないでしょうか。
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私立中学受験、2月1日の戦いに挑む子どもたちと塾、親たちの物語
設定が、明らかに都市部の裕福な家庭を前提に描かれているように見られるので、視聴率は10%には届かなかったといいます。
でも、中学受験に突入しようとする親たち、中学受験を経過して進学した青少年たちには、さまざまな思いが錯綜するドラマだったことは言うまでもありません
2月1日の戦いに勝てるかどうか、彼らの人生を変えてしまう1日の戦いに向けて、どこまで子どもたちを鼓舞するのか、問題を抱えても乗り越えさせるのか、とても興味が引かれるストーリーでした。
「父親の経済力と母親の狂気」が受験を勝ち抜くには必要と断言する黒木先生の存在
カリスマとも言える、スーパー塾講師の黒木がなぜ、大手塾のルトワックを辞めて、桜花ゼミナールに移籍したのか。
謎を残しつつも、受験本番に向けて、子どもたちの変化を軸にストーリーが展開されていきます。
受験モノといえば「ドラゴン桜(2021年版)ディレクターズカット版 Blu-ray BOX」のような大学受験モノが主流でした。
複雑な現実を踏まえた学園モノが映像化しにくい昨今、この「二月の勝者」は、インパクトを残せた作品です。
「父親の経済力と母親の狂気」が中学受験には必要だと豪語する姿は、異端で異常な人物を彷彿させるのですが、黒木先生は、最後まで子どもたちを見捨てずに、見事走り抜きました。
中学受験界を冷静に見つめつつ、目の前の子どもたちの未来も見据えている姿は、クールなだけでなく、ハードに頑張る姿に、昔の日本人を見たような気がします。
だからこそ、最後まで、変わったキャラクターの黒木先生に引き寄せられたのだと思います。
中学受験はお金がかかるし、入学後の学費もバカにならない
私立中学、もしくは、公立の中高一貫校などを受験するには、相当なお金がかかります。
塾代は毎月かかるだけでなく、春季、夏季、冬季などの講習でもかかりますし、模試や教材費を考えても、家計を圧迫すると言われています。
無事に合格した後は、入学金に始まり、年間の学費、各種費用もインパクトがあるので、「父親の経済力」と黒木先生がおっしゃることはごもっともです。
先が見えない時代に教育費にどこまでコストをかけられるのか、そのリターンとして子どもがどんな大人に成長できるかは、正直に言わせてもらえば、ギャンブルの領域です。
ましてや、私立中学とするとその先の高校、大学と考えると、約10年分を見据えなければならず、留学に行かせたり、特別な経験をさせようとしたら、青天井です。
海外では、大学の教育費負担は日本よりも低く抑えられている国(返済不要の奨学金など含む)と比べると、ここは、「子ども手当」以外の部分で政策として賄わないと、日本の未来が厳しいと言わざるえません。
受験に受かっても落ちても、彼らの人生はまだ、スタートライン手前
忘れてはいけないのは中学受験する時点で、12歳の子どもに過ぎないということです。
彼らの未来は未知数であり、遠距離な通学に体力や時間を消費するよりも、友達とのリアルなコミュニケーションが大事という主張をされる方がいるのも納得できます。(実際は、LINEのやりとりだとすると、リアルなコミュニケーションとは言えませんが)
12歳にとって、人生の未来の姿なんて、よほどの子ども出ない限り、見えていません。
天賦の才能があって、何らかの分野で日本トップクラス、もしくは、世界と競えるような子どもならば、描けている未来のビジョンがあるかもしれません。
オリンピックに出場するとか、具体的なゴール地点が見えていれば、問題ないでしょう。(もちろん、最後まで進めるのか、という問題は別の話)
彼らにとって、12歳はまだ、人生のスタートライン手前のウォーミングアップに過ぎません。
その割には、入念な準備をさせられて、さも、ここで掴んだチャンスが人生を左右するかのような錯覚を与えてしまう風潮には疑問が残ります。
スーパー塾講師・黒木にも悩みはある!子どもたちの幸せや成功を願わないはずはない
このドラマは、視聴率はともかく、コロナ禍で放映時期もズレるなど厳しい事情を乗り越えて、完結しました。
スーパー塾講師・黒木という鉄仮面のような男が、実は、毎年、受験に送り出す子どもの未来を思い描き、不安な気持ちも抱いているというシーンが印象的でした。
受験の合格・不合格に関係なく、彼も子どもたちの幸せや成功を願っているという人間らしい一面が温かさとして残りました。
それだけに、ドラマの中とはいえ、必死にもがき苦しむ子どもたちが印象に強く残り、誰もが一定のゴールを迎えられたエンディングには拍手を送りました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。