「安楽死」をテーマに扱う時点で、重い空気が漂うのは、どのようなコンテンツ・話題でも同じです。
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」をAmazonプライム・ビデオで視聴しながら、ミステリーを味わいつつ、テーマの深さについてじっくり考えさせられました。
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俳優陣が豪華にして原作とはキャラを変えても十分成立する作品でした
映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」は、綾野剛が演じる犬養は破天荒な直感型、北川景子が演じる演じる高千穂は冷静沈着な頭脳派という原作とは異なるキャラクター設定。
原作本を読まずに、テレビ局が宣伝をバッチリしている映画なだけに、露出量とアピールが強ければ興味を持ちやすいでしょう。(私は、テレビを見る頻度が落ちて、特に、CMを見ないので、この映画の存在を当時知りませんでした)
この濃い二人が中心であれば、引き込まれるのは間違いないですよね。
「安楽死」の希望を叶える医師は天使か悪魔か、答えは立場次第
ドクター・デス(死の医師)とは、積極的安楽死を推奨した病理学者のジャック・ケヴォーキアン (1928年5月26日 – 2011年6月3日)の異名です。
この作品では、誰が、ドクター・デスなのかという点が、大事なストーリーのポイントなので、ネタバレを防ぐために、あえて書きません。
ドクター・デスの存在により、望んだ死を迎えられた側の人間は、幸せなのかもしれませんが、やはり、殺人行為となるので、許してはならないのは常識です。
ただ、もし、自分自身が、本当に生きるのがつらい状況に追い込まれていたら、しかも自らの力で死を選択できない状態ならば、私もドクター・デスに依頼してくなるのかもしれません。
生きるのがつらいから死を選ぶしかないという気持ちは当事者にしかわからない
決して、私は、自殺を肯定したいとは思わない立場です。
この作品で出てくる「安楽死」を医療従事者が苦しむ患者に対して、手伝うことは明らかに犯罪です。
もちろん、生きているのがつらくて仕方ない気持ちはわかります。
そのような状況で死を選ぶかどうかという判断を自分でコントロールしていかないと耐えられない心境に陥ると人間はどうなるのだろうか、という想像力を持って考えても、当事者ではないのでわかりません。
色々と考えて、苦しい思いを突き詰めるという究極のシーン。
自分の命の選択だけに厳しいですが、正解は1つではないのかもしれません。
自分の命は、自分のものですが、残される人への影響力もありますから。
壮絶なテーマを扱うからこそ、演技力のある俳優陣が必要だった
安楽死による殺人という壮絶で重たいテーマを扱うだけに、重厚で演技力のある俳優陣が必要だったのだと感じます。
綾野剛と北川景子が対等にぶつかりあう相棒という設定が実に良かったです。
もちろん、犯人役の演技も効果的。(ネタバレはしませんが、映画予告やキャストを見ると想像できてしまいますが)
大事なのは、脇役というか、ストーリーに展開されてくる、ドクター・デスと関わる人々の演技力です。
失礼ながら、お名前を知らない方もいましたが、実に、見事に、演じきっているので引き寄せられる作品でした。
映画は後に残る感想に尽きる〜ドクター・デスはどうなの?〜
この映画のテーマ「安楽死」をどう受け止めるのか。
正義論で考えるのではなく、当事者として生きるつらさをどうやって解消できるのか。
命の終わりという選択を自然に任せるのか、自分の意思で行動するのか、第三者に協力してもらうべきなのか。
エンディングは、必ずしも心地よいとは言えないものの、救われない気持ちにもならない作品だったのが、映画「ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-」でした。
ハッピーエンドでまとまるのが良い作品だとも言えないので、見ていない方は、是非、この作品を見ながら考えてみるのは良いと思いますよ。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。