【映画】「空白」(2021年公開)は当事者の思いの交錯がリアル

突然、発生する家族の不幸な事故死に対して、あなただったらどう振る舞うでしょうか。

損害を与えた相手や対象に対して裁判に訴えかけたり、真相を解明してもらうために必死になるのかもしれません。

映画「空白」 は、この真実を知るために、関係者にぶつけ続けていくというストーリーです。

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狂気を演じる設定と役者の芝居が迫力満点

洋画はCG満載でリアルティに欠け、邦画は無茶なお笑いか役者数で勝負する作品が増えて、本質的に映画として見る価値があるのかどうか、という疑問を持っていませんか?

やはり、AIではなく、人が演じるのである以上、役者の演技こそが、作品のベースにあるべきで、監督や音楽、プロモーションの力だけで、興行成績が変わるのは仕方ないとしても、映画の評価とはイコールではないと思います。

今回、偶然、目にとまって見ることになった、映画「空白」 は良作でした。

役者の演技力と不自然すぎない演出や設定がないと、本当の意味で引き込まれないものです。

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娘と一緒に暮らしても何も知らない父親を古田新太が熱演

劇団新感線の古田新太という役者は、スパイスが効きすぎて、脇役なのに、インパクトが強すぎ柄になることが多いです。

そんな彼を主役に抜擢したのが映画「空白」です。

古いタイプの日本の父親そのものキャラクターとして娘と接している姿が自然体すぎます。

娘を失ってから、彼の行動は、真実を知りたくて過激になっていきます。

大事なことは、一緒に暮らしていた娘のことを何も知らないという現実。

この部分が、世の中の父親たちにはドキッとさせられる場面だと思います。

この映画が、いくつかの映画賞を受賞されるのも納得できる、地味ですが、リアルティがある設定と、演技に引き込まれます。

納得できないとき、諦めるのか、粘り抜くのか

映画「空白」の設定のように、不遇な事故や失踪で大事な人を突然失ってしまうと、残された側は、混乱するのは間違いありません。

次に起きるのが、納得できずにモヤモヤして真実の解決を待つのか、自らが知るために動いていくのか、という二択になります。

古田新太演じる、添田充は、後者のタイプ。

交通事故死のきっかけになった、娘が万引きしたスーパーの店長、青柳直人(松坂桃李)を徹底的に追い込んでいきます。

事実関係を知りたい気持ちが強く、どれだけ謝罪されようが、マスコミから叩かれようが関係なく、突き進む姿は異常に思えますが、見ている側は感情移入ができるのが、古田新太の無骨な演技です。

弁護士を立てるでもなく、社会正義を語るのでもなく、娘がなぜ亡くなったのかを追いかける姿。

興味深いことに、本来の加害者である、運転手の女性の謝罪には全く興味を示していません。

このしつこさをどう捉えるのか、人は納得できないときに、どこまで何をするのか、というリアルな感じに引き込まれていきます。

安易に仇討ちをするような設定ではなく、スーパー店長も悩みを抱えた普通の若者にすぎないという部分とのギャップを見せられながら、ラストに向かっていきます。

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近くの存在の人のことを全て知っているわけではない

不慮の事故などがあれば、その相手のことを思い出して、ちゃんと自分が知っているのかを確認したくなる気持ちはよくわかります。

ただ、自分自身だって、自分のことが理解できていない要素があるのに、家族が全てを理解しているとは言えるのでしょうか。

親しき人にも伝えない、自分の部分を探られることは望まないという考え方は不誠実とは言えません。

人は、多面体な性格、生活を持つ存在で、1点だけに集中して生きるなんて、珍しいはずです。

良い部分と、悪い部分の少なくとも二面性はあるし、知られたくない顔があるのは当然です。

むしろ、全てを知らなくてもいいのではないでしょうか。どう思いますか?

娘が父親に相談したかったことは何だったのだろう

映画「空白」 の中で、寡黙な娘が父親である、古田新太に相談をしようとしていた内容は何だったのか、最後までわかりません。

三者面談の話なのか、進路なのか、人生なのか、お金なのか、ちゃんと話をする機会を持っていれば、彼は関係者を追い回すような行動はしなかったという展開も予想できます。

思春期の娘が、わざわざ、相談を持ちかけてくるならば、ちゃんと時間をとって向き合わないといけません。

もちろん、娘に限らず、パートナー、親、上司・部下などの関係の中でも、大事な相談事、日頃のコミュニケーションを確保しないと、何かあったときに、不明瞭な状態が残ります。

相手とのスペースは必要ですが、「空白」を残しすぎないという、絶妙な距離感は意識したいものです。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。