退職は本人の問題なのか、管理者・職場の問題なのか、どちらなのか考えてみる一冊

『退職者を出さない管理者が必ずやっていること』(森崎のりまさ・著)を手に取って読んだのは、退職者を出すのは管理者側の責任なのだろうか、と考えていたからです。

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「職員」という言葉がサラリーマンの立場からすると違和感があった

著者の森崎さんが介護施設の管理者だったからこそ、部下やメンバーを「職員」と呼ぶのは納得ができます。

ただ、普通のサラリーマンからすると「職員」というフレーズが連呼されることは違和感でしかありません。

あくまで、「社員」や「従業員」という表現の方がピッタリとハマる印象があるからです。

退職者を減らすには管理者の言動が全てだと再認識させられる

退職者が多い、離職率が高い職場・企業、組織には何らかの問題を抱えています。

もちろん、仕事内容や就業条件も問題になるのですが、職場の人間関係、特に管理者(組織上の上司)の言動の影響度が大きいという考え方には納得できます。

自分の仕事、役割が認められるかどうか、評価されるのかどうかは、一人の職員や従業員にとっては重要な話です。

管理者(上司)がどのように自分に接するのか、という点について、どこまで掘り下げても不足するということはありえません。

『退職者を出さない管理者が必ずやっていること』のなかで取り上げられる話の大半は、コミュニケーションであり、誰もが自分ゴトとして捉えられるものでした。

結局、どのような関係性を築くかが全て

仕事をする以上、顧客が存在していることが大前提ですが、その前に一緒に仕事をする同僚、上司、部下という関係性の重要度は、どんな組織体出会っても変わりません。

今の時代、パワハラやセクハラなどのハラスメント行為にならないように留意しつつ、こちらの意図を理解してもらい、相手のことを分かろうとしなければ、うまくいかないものです。

どんな立場であっても、職場での人間関係を軸とした関係構築力がしっかりして、より良いコミュニケーションが取れなければ、簡単に破綻してしまうものです。

お互いのことを理解できるような関係性は、一歩引いた目線では納得できても、当事者になると感情も含めた話が出てくるので冷静になりきれないものなのです。

辞める決断をさせるのが自己都合なのか、職場環境なのか

どんなに優秀・有能な人材を採用できたとしても、どこかのタイミングで離職をされてしまうものです。

定年という区切りでなければ、他に良い仕事が決まったり、現職への不満があっての行動が退職であって、単純に自己都合と片付けてはいけないのではないでしょうか。

職場環境と人間関係、特に、上司である管理者との関係がしっかりしたものであれば、突発的であったり、大量の離職者は生まれないはずです。

このボーダラインについて、『退職者を出さない管理者が必ずやっていること』では、さまざまな切り口で語っています。

認識や理解のズレは、最初は小さな綻びでも、徐々に大きな渦のようになっていくというのは納得させられました。

管理者(管理職)は、本当に大変だと思う

『退職者を出さない管理者が必ずやっていること』を読み進めるほどに、管理者(管理職)は、本当に大変な職責だと感じます。

一般職員・社員より多くの給料をもらえるとしても、自らの仕事だけでもないし、経営者とも異なる、中間管理職的な役割は、上に下に板挟みにあい、ストレスが溜まるのは当然です。

本の中に出てくる事例を見て、今までのビジネス場面での職場の人間関係で起きていた話を、幾つも頭に浮かんだものです。

考えれば考えるほどに、管理者という立場は大変なのが理解できます。

是非、管理する側の立場に立つ人は一度読んでほしい一冊です。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。