『懲戒解雇』(高杉良)はアップデートされているのは、サラリーマンが気になるフレーズだからか

高杉良さんの作品は有名ですが、私は読んだことが一度もありませんでした。

『懲戒解雇』というタイトルが図書館で目について、読んでみようかと思ったら、高杉良さんだったという話。

昭和の頃の日本の大手企業が舞台で、懐かしさ、ノスタルジーを感じます。

 

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あらすじ(概要)はAmazonから

あらすじを書いてしまうと小説はつまらなくなるので、Amazonの紹介文をコピペしておきます。

 

旧財閥系の合繊大手トーヨー化成で中堅の筆頭株と自他共に認める森雄造は、常務の川井が主張する拡大強硬路線を批判した。その後、川井の不正を指弾する投書が社長宛に届く。森の仕業だと勝手に決めつけた川井は、手下に彼の粗探しを命じ懲戒解雇に追い込もうとするが……。勇気あふれる企業小説の傑作。(講談社文庫)

 

実に、オーソドックスな企業小説です。

 

会社の就業規則違反として重く処罰されたら懲戒解雇はあり得る話

『懲戒解雇』を読みながら、昔の日本の会社組織、派閥的なものを想像してしまうので、今の時代の若い人の感覚とはズレるかもしれません。

 

不当な扱いで会社から解雇されたら「不当解雇」として訴えてやる、という意思を持つ人も増えていることでしょう。

 

一方で、会社の就業規則に違反し、事象内容と罰則を照らし合わせた結果、法的な根拠も含めて、重く処罰されれば、懲戒解雇というゴールも存在するのも事実。

 

もちろん、事実と異なる前提で、陥れられたら、この作品の主人公のように戦う姿勢を示すことも間違いではないでしょう。

 

熱く正義感を持って、会社を正そうとした主人公が、反対側の権力者に落とし込めれてしまう流れは苦しいものがありますし、泣き寝入りして欲しくないと感じる人がいるのも想像ができます。

 

だからと言って、主人公の正義感は、少し極端で根回しや段取りを好む日本の企業組織の中では認めてもらえない、許されない異端児として扱われるのも納得できます。

 

日本の法律としては労働者は守られるべき存在

大事なこととして、アメリカの企業のように、一瞬で解雇されるようなことは日本の労働法の観点からはあり得ません。

 

労働者は守られるべき存在であり、立場として弱いものとして扱われています。

 

もちろん、経営者側の目線に立てば、支払っている給料以上の成果が出せない、問題行為・行動が多い社員を雇い続けたいと考えないのも、普通に考えれば理解できるもの。

 

ただ、安易に蚕を持ち出すと、その後、法廷論争まで続けば、かなり企業側が不利になるのは事実。

 

完璧な証拠を固めて、会社・経営側に火の打ちどころがないと証明しなければ、おそらく訴え荒れたら負ける可能性があります。

 

それだけに労働・雇用の問題は法廷で争う前に、調停などのプロセスを踏む仕組みが出来上がっているのですから。

 

「お前は首だ!」と社長・経営者が怒鳴ってしまうシーンは減ったのか

昔、20世紀で(ほとんど昭和まで)あれば、中小・零細企業の社長が、仕事のできない社員に対して、腹を立てて

 

「お前は首だ!」

 

などと騒ぎ立てるシーンは普通にあったと聞きます。

 

経営者の指示や方針に従えない、もしくは、大きな迷惑をかけたり、仕事をしていないのですから、ある意味、当然の行為に受け取られますが、就業規則などの細かい規定のない会社だと、根拠は何かと争ったら、厳しい展開が待っていたでしょう。

 

それだけ、独裁的な経営者がいても仕方がない時代だったのです。(ガバナンスが成り立っていない)

 

売り言葉に買い言葉で、言われた側の社員も、即退職するという人もいたのですから、お互い様と言えば、それまで。

 

ただ、規模が多くなり、組織やルールがしっかりとすると、こんな横暴は許されなくなります。

 

もちろん、中小・零細企業の場合、どうなっているのかは定かではありません。

 

ただ、社員の定着がうまくいかず、人手が足りないまま、倒産ということも発生している可能性もありますが、実態はわかりません。

 

正義のために戦うビジネスマンに共感できるか

『懲戒解雇』を読むと、ビジネス小説そのもので、正義の側が戦い、傷つきながらも、最後は、という展開になりがち。

 

では、正義のために戦うビジネスマンにどこまで共感できるのかという現実問題を見過ごしてはいけない。

 

主人公のように次の道があったり、家族が理解してくれれば良いですが、なかなか現実には、そんなうまくまとまらないでしょう。

 

結果として、我慢したり、場合によっては、本人が壊れてしまうこともあります。

 

懲戒解雇を受けないまま、組織で働く会社員は過ごしたいものですよね。

 

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。