平成のテレビ番組をリードした、放送作家・鈴木おさむの『最後のテレビ論』はテレビ業界への遺言

2024年3月31日にて、32年間続けた放送作家を辞める鈴木おさむ氏が、テレビ(業界)への遺言としてまとめた一冊、『最後のテレビ論』を読みました。

彼が平成のテレビ(エンタメ)を引っ張ってきただけに、当時を過ごした方には懐かしい裏話も盛り込まれています。

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昔々、テレビはメディアの王様で話題の中心だった

テレビを家族団欒の中で見たり、チャンネルを奪い合ったり、放送開始時間までワクワクしたりするなんて、今の若い人からしたら馬鹿らしいことかもしれない。

家庭や個人にビデオデッキが普及するまでは、オンタイムで見るしかなかったテレビは、メディアの王様として君臨しました。

視聴率も圧倒的な高さがあり、共通の話題もテレビの番組の話が多かったものです。

テレビがメディアの王様、話題の中心だったのは古き良き時代の物語になってしまいました。

テレビ番組を作り手として走り抜けた男が語る懐かしい思い出話

私が、鈴木おさむさんという人を知ったのは、おそらく交際0日婚という話題を振りまいてからで、それまでは、放送作家という役割からして、表に出る人というよりは、番組を作り上げる側の立場だったので知りませんでした。

平成のヒットしたテレビ番組の裏には、かなりの確度で、彼が存在していて、猛烈な忙しさの中で、面白いコンテンツを世に出して、テレビタレントたちを巻き込み、楽しい世界を作ってくれていました。

最後のテレビ論』は、彼と同世代とも言える私にとっては、青春以降の大人になってからも楽しめていたテレビの世界を語る証人そのもの。

本の中に随所に出てくる、微妙な話は、時効に近いものだから書かれているのだと思いますが、関係者や当事者にとっては、必ずしも心地が良いものではないのかもしれません。

全体を通して、懐かしいなあと感じるのは、平成の時代をたっぷりと生きた人間だけなのでしょう。

自慢話&昔話と揶揄するのは簡単だけれども

最後のテレビ論』のような本を書けば、テレビ業界で大活躍していた人物の自慢話と昔話に過ぎないと揶揄する声も聞こえます。

間違ってはいません。読んでいて、俺と周りの人間はすごかった!という話が随所に出てくると、彼の言葉で言えば「(ソフト)老害」(『仕事の辞め方』そのものの雰囲気を漂わせていますから。

ただ、寝る間も惜しんで、ひたすら面白いものを作り上げてきたのは紛れもない事実。

その結果、仕事が仕事を呼び、トラブルの現場にも巻き込まれ、彼だから語れる話というのは実在するのは納得できます。

確かに、自慢話だなーと不愉快までゆかないけど、読み飛ばしたくなる部分もある本なのですが。

インターネットがない時代はテレビの視聴時間が社会問題だった

インターネットがない時代、もしくは、ここまでコンテンツが多くない時代は、誰もが受け身のテレビというコンテンツを楽しんでいました。

「Youtube(インターネット)ばっかり見ない!」

と令和の親は子どもに叱るのでしょうが、私が子どもの頃、もしくは、若い頃は

「テレビばっかり見ないの!」

と大声で注意をされたものです。

限られたテレビ番組のコンテンツをリアルタイム、もしくは、ビデオテープ(これすら死語ですが)を再生する楽しみがあって、興奮したものでした。

テレビの見過ぎ、テレビ番組の質(教育上、倫理上良くない、という取り締まり)を問う声は大きくて、でも、その圧倒的なメディアは永遠に強いものだと思われていました。

あんてる
あんてる
同じノスタルジーを訴えかけたら、俺もソフト老害だと批判されちゃうかも・・・

インターネットが広がり、スピードもコンテンツも増えて、誰もが発信者になってライブ配信などを始めてしまうと、もはや、受け身のメディアに依存することは減ったのです。

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スポンサーの意向に従って、CMの広告を見させられることを嫌がるようになってしまうことで、メディアの王様は、少しずつ地位が下がってしまったのは間違いありません。

今は、高齢者・シニア世代はテレビを見ていますが、現役世代や若者は、必要があれば、Tverなどを活用する程度で、真剣にテレビ番組表を追いかけることはなくなりました。

テレビの作り手はどこに行くのか

鈴木おさむさんは、今後、スタートアップ企業を応援・プロデュースするようなVC的な活動をされるのではないかと言われています。

他にもテレビの世界の人たちは、コンプライアンスやルールに縛られてしまったテレビを離れて、Youtubeなどのインターネットにシフトしている方も増えています。(演者であるタレントも、裏方である制作者側も含む)

となると、テレビがメディアの王様だった時代は終わりを迎えて、多様なメディアを自由に選択して、タイムパフォーマンス重視で2倍速でコンテンツを消費する時代になっています。

もはや、テレビに関わることが、子どもたちの夢として聞くことがなくなりました。

テレビという面白いものを作り、世の中の多くの人に届けるという切り口は、ゼロにはならないものの価値が下がり続けているのです。

きっと、面白いことを仕掛けていた人たちは、テレビ以外のメディアや他の仕事に自分のポジションを移していくのが必然だと感じています。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。