「僕は宇宙人」と考える主人公の裁判官が発達障害を抱えて法廷に立つ異色作

NHKのドラマ「テミスの不確かな法廷」が面白いという噂を聞きつけて、急いでチェックをしたのを覚えている。

松山ケンイチ演じる、安堂清春という裁判官の個性が独特で、周囲は戸惑いながらも、彼の公正な裁き、真実へのたどり着く姿勢に興味を惹かれました。

この原作本、新聞記者である直島翔さんが描く異色のリーガルミステリー『テミスの不確かな法廷』を読んでみました。

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ドラマ化されるだけの秀作!

安堂清春という裁判官のキャラクターが際立っているので、この『テミスの不確かな法廷』がドラマ化されたのは当然だったのかと。

ドラマを見てから原作に行くというパターンは、ストーリーの細かい部分や展開が目に浮かびすぎるので、好き嫌いが分かれてしまいますよね。

登場人物にはいたけれど、主人公が発達障害を抱える裁判官というのは異色

世の中に、発達障害という言葉や概念が根付き、ADHDやASDという言葉への理解が多少は進んでいます。

本人も周囲と生きていくのに苦労をしていますが、周りもだいぶ大変な思いをしている話は、身近に増えていないでしょうか。

『テミスの不確かな法廷』では、裁判官が発達障害を抱えて生きているという設定。

ここが絶妙な感じがして、作品の異色な世界に引きずられました。

任官七年目の裁判官、安堂清春は幼い頃に発達障害と診断され、周囲との関わりを断ち、自身の特性を隠しながら日々を過ごしていた。Y地裁に赴任して半年、副市長が襲われた傷害事件を担当することになった安堂は、弁護士の小野崎から被告人が無言を貫いていると聞き、何かを隠しているのではないかと気づくが……。微笑みながら殺人を告白する教師、娘は殺されたと主張する父親。生きづらさを抱えた青年が様々な事件に挑む、異色の青春リーガルミステリ!(Amazon紹介文)

こだわりがあり、他者とのコミュニケーションが苦手

安堂清春は、子供のときに、ASD,ADHDといった発達障害と気づき、理解しながら大人になり、自分の個性・特性でもやれる仕事として、裁判官になっています。

あんてる
あんてる
学習や知識、テストなどはしっかりできるタイプなんですね。安堂清春さんの場合は!

読み進めていくうちに、検察官、弁護人、裁判所関係者などと彼のやりとりは独特で、明らかに「変わり者」のレッテルを貼られるような存在だとわかります。

子どもの頃ならば、おそらく、いじめられたり、教師から叱責も受けた(ストーリーの中にも出てくるエピソード)ことは間違いありません。

他者とのコミュニケーションに苦しみながらも、彼は、自分の仕事に向き合う姿勢は変わりません。

周囲から見たら、異端な存在ですが、それは一般的な概念の常識や慣習とは違うだけであって、反社会的な行動でも、第三者に多大なる迷惑をかけているわけでもありません。

ナポリタンばかり食べる、ケチャップサンドばかり食べる、などの偏食は、さすがに家族も周いも戸惑うことはでしょうけれども。

理解に苦しむクラスメートはいたが、彼はもしかしたら

小学生の頃、クラスに1人ぐらいは、問題児と呼ばれる子がいたのを思い出す。

タイプは様々で、授業に集中できず勝手な行動をとる子、周りの子との共同作業が全くできない孤立タイプ、など思い返すと様々な子がいたと思う。

中学生ぐらいになるとイジメの対象になったり、不良グループの末端のパシリ役にさせられて、万引きをして捕まるなどの行動をしていたような子は、もしかしたら、今の時代ならば、発達障害の診断をされていたのかもしれない。

私からすると、正直、理解に苦しむクラスメートだったが、全く会話ができないことはなかった記憶がある。

彼らの世界観や価値観が自分とは全然違うのだと思えば、気にならなかった。

同質性を求める日本社会においては、なかなか許してもらえない存在なのは納得できます。

彼は、今頃、どこで何をしているのだろうか、と考えてみても想像ができません。

法廷に立って、資料を読み込み、真実を求めて人を捌く役割

法廷の中でも、法服を着て、審議と冷静な判断で判決を述べる、裁判官。

どういう人間が適切なのかと考えると、倫理観も必要だし、善悪の価値観、色々なものが求められる存在で、一般人からすると、遠い存在そのもの。

日頃、会話を交わす存在でもなければ、コミュニケーションをとってみたいという人物とも違う。

法廷に立って、様々な証拠、検察、弁護双方の意見、被告人や証人の声も聞き、場合によっては、裁判員裁判官の意見にも耳を傾ける。

最後は、真実にたどり着くために実直な仕事をする人たち。

考えてみれば、『テミスの不確かな法廷』の安堂清春さんは、一番向いている職業に従事しているのかもしれないと最後まで読んで感じました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。