さよなら!ガリレオ!最後の謎はこれで完結なのか!

東野圭吾の遺作となった『永遠の記憶』を早々に読み切りました。

湯川学という天才物理学者である、天才(変人)ガリレオが、常識では考えられない謎を、科学者の見地で謎を解いていくシリーズは、ドラマ化され、映画化された作品も複数あります。

今回、「最後の謎」と帯に書かれているように、おそらく、このシリーズの最後を飾る作品として、世に出したのだと推察します。

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そこまでガリレオが活躍した感じがしない

湯川学が、常人では考えられないような謎を解いていくミステリーとして、独特の世界観と面白さを展開していたシリーズ。

登場人物たちも歳を重ねて、状況に変化が訪れている設定が現実的。

感想を一言で言うならば、ガリレオ(湯川学)が、そこまで活躍した感じのしない作品でした。

あの作品に残された謎を最後の最後に持ってきたのは必然なのか

第一部では、内海薫がスーパーの中で老人に刺されるというショッキングな展開でスタートします。

この事件が全体に波及するストーリーだったので、重要性はあったものの、彼女が育児をしながら刑事であり続けることの苦労を中盤に持ち込むあたり、女性を主人公に描くことが苦手ではないかと言われた東野圭吾さんが、この境地に至ったのか、という点は印象深く残りました。

そして、問題の後半の第二部。

こちらは、第一部以上に、この事件の背景を時間軸で掘り下げていくので、現在、今、と言う観点が薄いものだと感じました。

それだけに、最後の部分で、この背景には、あの作品の事件の不透明だった部分を時間をかけて紐解いたという後日談的な差し込み方は、ファンなら納得する反面、なぜ、今、ここで、その話を盛り込むのかという点が引っかかるはずです。

本当にこのラストの部分は必然だったのかと。(ネタバレしたくないので、気になる方は『永遠の記憶』を読んでください。

主人公は年齢変動なしなキャラクターではなく、普通の老いていく存在

名物作品のキャラクターは、基本的に、年齢を重ねないものと認識していないでしょうか。

サザエさんの家族は、おそらく原作時点、アニメとして放映されている現在も変わっていません。(微妙な時代背景の要素は変わっているけども、携帯は出てきません)

それは、ドラえもんであれ、水戸黄門であれ、名探偵コナンでも、一緒です。

日本のシリーズもののキャラクターは年齢不問、時間軸が止まっている。

その点に抗うように、明らかに『永遠の記憶』では、主人公も周辺の人間も歳を重ねています。

大学時代から付き合いがある、草薙管理官ですら、「終活」を考えると言う話をしています。

その点、内海以外はおそらく独身者で、家族の匂いがしません。

でも、時間軸で、キャラクターは歳を重ねている。

そうでないと、今回の『永遠の記憶』で軸となってくる、ラストの展開は盛り込めないのだから、当然の設計なのでしょう。

読者や視聴者だけが歳を重ねるのではなく、登場人物・キャラクターも歳を取る。

この感覚が今、シリーズの復活、再起動という作品において重要であり、一方で、ホットだった時代を知っているオールドファン以外は置き去りになるというリスクを伴っているようにも感じます。

本当に謎は全てクリアにしなければいけないのか

人生において、人は謎や不可解なことはいくらだってある。

そもそも、全ての謎を一切残さずにクリアにしなければいけないのだろうか。

自分にだって、人に言えない話はいくらでもある。

一部の人がなんとなく知っている話と、誰にも言えない秘匿なもの、墓場まで持っていかなければならないもの。

だからこそ、他人から見れば謎と言われる行動や出来事を暴かれることは望まない。

もちろん、もやもやした人にとっては、謎は全てクリアにしたいものだと理解できるが、それは誰にとってプラスに働くのかという点を無視してはいけないのではないだろうか。

私は、『永遠の記憶』は、東野圭吾さんがもやもやしていたものを、クリアにしたいという作家としての気持ちが最優先されていたのだから許容したい。

でも、果たして、あの話を時間をかけて明らかにすべきだったのか。

もちろん、関係者の中でうちうちに収めるのでことが足りるとも言えるのだが。

最後の遺作だからこそ、ガリレオの本領を見たかった

超常現象が事件に含まれており、その謎を科学者(物理学の専門家)として、解いてきたガリレオこと、湯川学。

どこまでも変人で、常識外のキャラクターのように描かれていた。

シニアになったことで、そのパワーは翳りを見せ(衰えたとは言わない)、結局、他人の人生や思いに浸るように変わったと認めるしかない。

あんてる
あんてる
人は日に日に、年々変わっていくのは当然のことだ。ガリレオだって同じ人間だろ!

確かに、シリーズが継続していく中で、犯行動機とか犯人の人間性などに興味がなかったはずなのに、彼が変わっていったのは事実。

だからこそ、あえて言いたい。

最後に、ガリレオの本領として、科学者としての謎解きに挑んで欲しかった。

もはや、この願望は叶えることはできないけれども。

東野圭吾さんのご冥福と、今までの数多くの作品、天才ガリレオで楽しませてくれたことへの感謝の気持ちは強く残ります。

ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。