日曜劇場という番組枠のドラマは、地上波の中で、唯一、人気をキープ出来ている存在だと言えるかもしれない。
平日のドラマであれば、Tverで見るか、Netflixに展開されてからみても後悔することはない。
何が何でも、オンタイムで見たいとか、考えなくなったし、録画しておいて再生するほどのテンションでもないのは、地上波ドラマがチープ化しているからだと感じる。
原作本『ザ・ロイヤルファミリー』(早見和真・著)をドラマが終わってから読んでみた。ドラマとの違い、原作にある面白さなども含めて語ってみたい。
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競馬の物語といえば「優駿 ORACION」があったと思い出した!
『ザ・ロイヤルファミリー』が馬主を軸としながら、競馬関係者が出てくる「継承」の物語だと知っていたのですが、競馬の物語といえば、1988年に映画化された「優駿 ORACION」の存在を思い出した。
1986年 宮本輝が書いた、競走馬「オラシオン」の誕生から日本ダービー挑戦までの成長をめぐる物語で、緒方直人、斉藤由貴、吉岡秀隆などが出ていた作品。
当時、子どもだった私には競馬の世界はよくわからなかったし、当時、フジテレビ系は動物をメインに扱った作品が多かったので、映画の宣伝程度しか覚えていない。
『ザ・ロイヤルファミリー』は、長いスパンで馬主、競馬関係者の物語なので、馬よりも人の物語だったのは言うまでもありません。
人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書・税理士の栗須栄治

『ザ・ロイヤルファミリー』の主人公は、税理士の栗須栄治が、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書になったことで話が展開していきます。
癖の強い、ワンマン社長の秘書として、馬主としての部分の社長のサポートをしていく存在。
競馬の馬主というものは、一般人には理解が及ばないものであって、この作品を通して、資産と稼ぎがなければなれないものだと実感させられます。
自分の抱える馬をレースで勝たせるために、いろいろなことに手間とお金をかけているという一般人では知り得ない世界が描かれています。
競走馬を所有するということがどれほど、コストも労力も必要で、期待をかけているのかが伝わってきます。
門外漢であった、栗須さんがどうやって、社長と二人三脚を組んでいくのか、そして有馬記念に向かうのかという点は引き寄せられます。
話せないし、期待するしかない競走馬との関係
レースで勝つことを宿命づけられた競走馬と周囲の人々の思いが絡み合って、ストーリーは展開されていき、思い通りにいかないことに苦しみつつ、前に向かっていきます。
競走馬も血統の流れで、優秀な子孫が生まれるという想定から、走って勝つというDNAがとても重要なものであり、そこには、継承されていくものが脈々とあるのはわかります。
彼らは、人間の言葉を話すわけでもなければ、何のためにレースで走るのかということを、どこまで理解しているのかは定かではありません。
それだけに、必死になる人間と、レースの結果というシビアな現実。
思い通りにいかない、戦いの中で、人と馬が一緒に向かうのが競馬の世界では当然のもの。
馬券を買う人たちとは違う軸で話が展開されていきます。
継承というテーマが深さを増す
強い馬がいた、勝てない馬がいた、という事実を単純に述べても、誰の心も動かさない。
ところが、この『ザ・ロイヤルファミリー』には、馬主、親子の継承の物語が流れている。
どうやって、人は人に、馬は馬に継承していけるものなのだろうか。
もちろん、言葉だけでも、思いだけでもなく、さまざまなものが積み重なって、継承されていくものはたくさんある。
それは継承を渡すものも、渡されるものも、立場が違う中で、どう向き合っていけるのか。
その着眼点とメッセージがあるから、単純な競走馬の馬主と周囲の物語ではない深みが生まれているのだと思います。
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投稿者プロフィール

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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。



