「性転換手術」というタブーに挑んだ美容外科・和田耕治の姿をたどる

Netflix映画の「This is I」がなければ、性転換手術(性別適合手術)の先駆者医師・和田耕治という存在は、ノーマークでした。

そもそも、外科医とは、人の身体を切って、患者の病を治す存在が前提であり、美容整形外科あたりから、人間の見た目、形状にシフトしている。

ある意味、病とは言えないものを切ってしまい、相手の満足いく状態を得るのが彼らの仕事だとも言えます。

そんな和田医師と家族(離婚した妻と子どもたち)が仕上げた一冊『性同一性障害を救った医師の物語 新版ペニスカッター』を必死に読み切ってしまいました。

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どう考えても、許される手術だとは思えなかった時代

今でこそ、多様なジェンダーへの理解がある程度進んだものの、以前は、男性、女性、という二択の中で、それ以外は、異端すぎる扱いだと思われていた。

男性なのに、女性のように振る舞い、お化粧をして、キレイさを求める存在。

おかま、ニューハーフという色物のように扱われていましたが、その背景には性自認に苦しむ人がいて、和田医師が最初に手術をしたはるな愛(本名は大西 賢示)さんの性転換手術(性別適合手術)を成功させて、術式を磨き、手術を希望する本人たちに向き合ってきた。

彼の覚悟がブログに認められた言葉として残っている。

「法律や社会が許さないといっても、そんなものは無視してよい・たとえ罰せられても医師としての覚悟の上だ・国や法律ができる前から医療は存在してるんだというのが私の信念です」

ひたすら、この問題に向き合い、周りの批判を乗り越えて、突き進んできた和田医師。

彼が明かなる過労でこの世を去ってしまうまで、どれほどの苦労と努力を続けて、道を切り拓いたのか。

一部の熱狂者からは神様であり、世の中の大半の人から見れば、ダークな医者だと受け止められていたのは間違いありません。

性を変えてしまう手術は神の世界のようなものか

男性から女性へ、女性から男性へ、こん性を変えてしまう行為は神の領域の手術行為なのだろうか。

人間が受精して、人間の形が出来上がり、X染色体、Y染色体により、男女の性が決まり、形状もいずか一方に固定されて生まれて、成長していく。

男らしさ、女らしさという固定概念に縛られて、息苦しく感じる人も多い。

まして、自分の心と身体の性が合致しない苦しさは、どんなに考えても当事者たちしか理解できない世界なのだろうと思う。

だからこそ、医療技術以前の問題としてタブー視されてきたのが性転換・性別適合の手術なのだと捉えることができます。

病巣を切る、もしくは、臓器を移植するというレベルと違う、生殖そのものに触れてしまう(現時点では形状重視で機能まで100%とは言えないものでしょう)行為は、どう考えても許されないと考える人たちがいるの理解できる。

それだけに、このタブーはオープンに話しにくく、難しい。

ぶっ倒れるほど働いて、患者に向き合った姿

大きな組織・看板を掲げて、宣伝しまくる医師ではなく、口コミによって、患者が集まってきた和田医師。

彼らに向き合って、なんとかつらい状態を改善しようと取り組み、実績を積み上げた彼が、ぶっ倒れるほどの状況になるまで働いのだろうか。

これだけ特殊な手術なのだから、ものすごい高い手術費(医療費)を患者に請求することだってできたはず。

ただ、和田医師はそこまでアコギなことをしていなかった様子。

むしろ、手術前後でしっかりとフォローやケアをしてきたのが素晴らしい。

ただ、個人で続けるには、いろんな意味で負担が大きかたのも事実。

理解されない相手も多かっただろうし、不可逆的な手術だからこそ、丁寧に説明を行い、相手が理解・納得するまでの時間に真摯に向き合ってきた様子が伝わってきます。

家族から見たら、いい夫、父親だったのか

猛烈に働く医師は、ハードワーカーなのは誰もが知っている。

自分の技術を磨き、患者に向き合い、いろいろな調整や役割をこなす。

結果としてプライベートなんて、ほとんど存在しないような状態で働き続ける。

医療業界も、働き方改革の影響で、労働環境を見直しているものの、人の命を救うなどの命題の前で、自らの労働時間を削ることに意識を向けられると患者は困ってしまう。

信頼に足る人物であればあるほど、忙しさは増して、彼らの命を削っていく。

また、プライベートは破綻してしまい、家族とは疎遠になることもわからなくはない。

自分が和田医師の家族であれば、世間からの注目ポイントも周囲から理解されないだろうし、その前提で応援できる範囲も限定的なはず。

家族を思っていても、結果として、患者ファーストな生き方をせざるをえない。

和田医師のそのような姿は、『性同一性障害を救った医師の物語 新版ペニスカッター』の中で、彼の家族が素直に語っている。

自分自身を壊してまで働き続けた和田医師。

彼の残した功績は、童磨で評価されるのか。時代の流れの中でウォッチし続けたいと私は考えています。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。