本当の恐怖感は、IoTよりも、スマートホームだった話

漠然としたIoTへの不安を掘り下げる

「IoTって、なんだか怖いよ!」

家族との会話で、未来の家の中をイメージして話をしていると、妻が懸念を口にしました。

家電製品や鍵が賢くなり、便利な生活を想像していた私には違和感が残ります。

「だって、ケータイとATMがあるから、振り込め詐欺が起きるわけで。個人情報もどれだけ盗まれてるか、わからないし…。新しくて便利なものには、悪用する人がいるから」

この話を聞いた瞬間に、新しい技術への不安よりも、悪意や犯罪への心配に話が置き換えられていることに気づきました。

ケータイが日常アイテムになるときも、どこでも電話をかけたりすることが必要なのか、という話をしていた人がいました。今や、どこでもスマホを使いこなす人に変わりましたが。

インターネットやメールなどは、世界とリアルタイムで繋がるから便利だけど、こちらの情報を誰かに覗き見されてるみたいと嫌悪感を表す人がいました。

今は、日常過ぎて、気にする人は減りました。もちろん、リスクがゼロだと思っていませんが、許容しています。

過去を振り返ると、新しい技術へは抵抗感を示したくなる事例がたくさんあります。

では、IoTはどうなのか?不安や心配はどこから?

IoTとは、「Internet of Things」の略語で「モノのインターネット」と訳されています。

パソコンやスマホなどに限らず、すべての「モノ」がインターネットにつながることになり、生活もビジネスも大きく変化すると喧伝されています。

具体的にどんな事例があるのかを知りたくて、『すべてわかるIoT大全 2018』を読んでみました。

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取り上げられている事例も革新的で想像力が求められるものばかりでした。

どれも実験段階なもので、大きな変化を実感できるものは少なかったです。

農業、物流、医療など多分野での変化は、メリットが並べられてきます。

確実に変化する未来は、いつの時代も変わらずに、不可避なものでした。

便利でメリットが多く、大衆が支持すれば、定着してきたのは間違いない。

どうも、妻が気にしていたのは、この部分の話ではないと気づきました。

IoTに感じる危機感は、スマートホームにあった!

もっと身近なところに不安を感じている。

そうだ!Smart Homeのことか!

スマートホームとは家庭内の電化製品をつなぐ、制御して、ワンタッチで切り替えることができる住まいを指しています。

調べていくと、いかにも便利で快適で、省エネと節電を伴うスタイルで、ホームシアターも空調も楽に味わえるような日々。困ることはないのに。

ここで問題点を3点ほど上げてみます。

1.手元のワンタッチで全てができると日常生活の活動量が減る。結果として、楽になることで、不健康な毎日を送るかもしれない。

2.電源・電気を失うと何もできなくなる。災害や緊急時に脆い。

3.外部からセキュリティを突破しておこる犯罪が日常に迫る。技術はイタチごっこなので、完璧は訪れない。

1.は、スマートホーム以前の状況でも生まれています。

例えば、掃除は、箒やはたきと雑巾がけから、掃除機に変わり、ロボット掃除機の時代になる。

洗濯物も、洗濯機や乾燥機で便利になるだけで止まらず、全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」が世の中に出てきました。

日常が便利で時短できることで、楽に過ごせる時間を体を使う行動に振り返れば済む話。

むしろ、老化やハンディキャップのある人のQOL(クオリティ オブ ライフ)を改善できるので、好ましい変化と言えます。

2.は、便利な日常を奪われた時に、生活の脆弱性が露呈してしまうことを指します。大震災などの災害を想定すると、このリスクは高いと言えます。

ただ、この場合、どれぐらいの期間、不便を感じるのか、復旧の見込みまで我慢できるかどうかがポイントです。

一時的なことなら、誰でも乗り越えられる課題だと捉えられます。ここもクリアできそうです。

3.こそが今回の正体だと考えます。

スマートホームの家電製品などが自ら暴走したり、他人に乗っ取られたら、と考えると大きな恐怖を感じます。

目の前のモノが見えない相手に操作されたり、プライバシーを盗むような犯罪に悪用されたら、安心できるプライベート空間を失います。

この部分が、最大の不安の要因なのだと理解できました。

時代とともに変化することは避けられません。漠然とした不安ではなく、何がネックなのかを掘り下げて考えることが重要です。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。