結果主義はゴールを見て、プロセス重視はストーリーを見る
先日、ある研修に参加してきて、ビジネスパーソンが、部下をどう評価することが最適なのかという普遍なテーマについて学んできました。
結果が伴わないプロセスでも相手を評価できるのか、この1点が誰もが悩ましいと考えていることに話題が集中しました。
部下や同僚が、ある成果を求めて、試行錯誤しながら、様々なアプローチやアクションをしてみたものの、結果に繋がらなかった場合、第三者はプロセスを評価してフィードバックできるのでしょうか。
結果を出す為にはプロセスが大事であるという話に違和感は湧きません。結果が出なくてもプロセスが大事なんだと賞賛することができるかどうか、というのは大変難しい部分があります。
例えば、5人のメンバーがいて、1人はずば抜けた結果を出しています。残りの4人は、それぞれ頑張ってみたものの結果が出なかったと仮定してみます。
結果を出した1人は、評価されるのは当然として、残りの4人はどう評価するのか。結果を目指してきた行為、プロセスを掘り下げて、評価していくことができれば、努力は報われると言えるでしょう。
とすると、評価する側は、結果ではなく、プロセスについてもしっかりと把握する必要があります。
どんな工程を経て、何が起きて、どうなったのか、という一連の流れの理解というのは、言葉にしてコミュニケーションするとすると、それなりに時間がかかります。
なぜならば、プロセスは行為という事実に加えて、個人の感情が割り込んでくる要素があるため、回り道の話が増えてしまいがちなのです。
これが、ドラマや映画というエンターテイメントであれば、楽しめる要素はありますが、ビジネスという現場では、後回しにされがちです。
これらを補うために、KPIを設定して、行動プロセスを可視化できるように、と工夫してる企業や組織は増えているようです。プロセスをストーリーや感情から切り離すという意味では、この指標は有効です。
ただ、KPIが目標をクリアしている個人が、最終的な結果が伴わないという場合、どうなるのか、という本質的な問題が残ります。とにかくゴールに向けて頑張ったことは認められます。営業であれば、訪問やアプローチ数、提案や交渉の接点数など、いろいろな指標をもとに、数値化して積み上げていきます。
ここで大事なのは、プロセスに対しては、その一連のストーリーまで深掘りして、傾聴できているのか、という点です。
プロセス上は数字に現れないものも出る!
これら全てを可視化しようとしたら、監視カメラでモニタリングする世界になり、誰もが息苦しくなるので嫌がるはずです。
もし、オリンピックに出場したい某優秀なスポーツ選手がいたとします。
練習をくり返し、能力を磨き、レベルを上げてきました。
いよいよ代表選考を選ぶ場で、緊張をして大きなミスをして、オリンピック代表に選ばれなかったとします。
「ここまで頑張ってきたんだから、認めてくれ!オリンピックに出場したいんだ!」
と主張した場合、どう評価されるでしょうか。
おそらく、明確な選考基準があるでしょうから、落選したスポーツ選手が選ばれるということはないはずです。
どれほど、ハードに練習して、自分の人生を賭けて取り組んできても、ここは結果が明確に現れてしまいます。
プロセス評価なんてできないじゃないか、と揶揄されてしまうのは、こういう事例を取り上げると、誰もが致し方ないと考えてしまいます。
でも、選ばれなかった選手のコーチ、関係者は、どう接しているのでしょうか。本番までに取り組む練習や努力の結果を見ていれば、十分に賞賛してくれるはずなのです。
ゴールに至るまでのプロセス・ストーリーを追い続けていくと、周囲の関係者(上司やコーチ、親など)は共感を示すことはできるのです。
目指したゴールに到達できない場合にこそ、プロセスで補ってあげることで、報われるという話であって、プロセスを評価するから、毎日サボらないでやろう、という話ではないのです。
プロセスを知る為には、相手との深いコミュニケーションが求められます。
日々の動き、途中経過、結果からの振り返り、などを丁寧に掘り下げていくことができる余裕があれば、相互に信頼関係は生まれます。
結果が出た本人は達成感で満たされていますし、次のステップに迎える未来が待っています。
本来は、結果は偶然の産物かもしれないのです。たまたま成功したという結果だけを見ると、不公平感がたまるのだから、相手への理解が表面的になるという話でした。
プロセスをどこまで理解できるのか?
ものすごく納得ができた反面、どこまでプロセスを理解できるのだろうか。
プロセスにも失敗したポイントがあると当事者が意識しているとしたら、落ち込ませてしまう行為にならないのだろうか。
ただの励ましに終わってしまい、納得できるコミュニケーションと言えないかもしれない。
プロセスって何なのでしょう。それを評価できるケースって、どれぐらいあるのでしょうか。
相手のことを良く知る、見る、理解するという前提を持っていなければ、結果もプロセスも同じ話に終わるのではないでしょうか。
表面的ではない深い関係を伴うコミュニケーションは、実に難しいものだと感じます。
「結果とプロセス」を考える本
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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