10月10日は「銭湯の日」です。
語呂合わせの「〇〇の日」が、年々増えていますが、10月10日の「銭湯の日」は、シンプルなので覚えやすく、定着した感があります。
入浴料が無料のサービスデーなので、私もスケジュールが許す限り、年に1度は銭湯に足を運ぼうと決めています。
現在、日本に銭湯(一般公衆浴場)はどれぐらいあるのだろうか?
厚生労働省の統計データ【統計表8 生活衛生関係施設(者)数】を見ると、一般公衆浴場は、3,900施設あります。(公衆浴場総数そうすうとしては、25,331施設になります)
都道府県の公衆浴場条例で定められている「一般公衆浴場」(または「普通公衆浴場」)とは、「日常生活における保健衛生上必要な入浴のために設けられた公衆浴場」とされており、いわゆる、銭湯と呼ばれています。
今回調べた統計データによれば、日本国内で、3,900施設(平成28年度末)になっており、東京都内で銭湯のかずが593施設になっています。全国の15%程度の割合です。
公衆浴場その他(スーパー銭湯や温泉地の日帰り型の公衆浴場)などは、21,431施設となるので、大半は、日常誰もが安価で気軽に利用する銭湯の割合も減っているようです。
どこの町から銭湯が減り続けている
銭湯の経営は、年々、風呂のある住まいが増えているため、悪化を辿っています。
商店街や長屋、アパートなどの側に必要だった銭湯が、ワンルームマンションでもユニットバスなどが整ってしまうと利用する個人が減っています。
また、銭湯の経営者は、農業などと同様に高齢化が進んでいます。後継者がいないのは、風呂のある住まいが増えているため、顧客数が減ってしまうことが要因です。
老朽化が進んだ銭湯施設を建て直すことなく、そのまま廃業されていくことで、町から銭湯と煙突がどんどん消えていってます。
銭湯のイメージと言えば、かぐや姫の神田川(昭和48年)の歌詞を思い浮かべます。
小さな下宿で風呂なしで生活する若者が昭和後半までは、普通にいました。
結果として、近くの銭湯まで足を運ぶということが日常風景だったのです。
関西は台風の影響で銭湯が廃業に追い込まれる
台風で銭湯の70%超に被害 再建諦め廃業も 大阪 (NHKニュース 2018年10月11日)
今朝、さらに寂しいニュースが入ってきました。関西の台風で煙突が折れたり、施設が壊れて再建をあきらめて、廃業する銭湯が増えているというのです。
街には高層のマンションや大型商業施設と住宅街は増えているのに、銭湯の煙突(工場のものも含むj)は減っています。
街の中に溶け込んでいた銭湯は、災害後に復旧することなく消えていく運命にあります。
日本人は、温泉も含めて風呂好きな民族なだけに、哀しいニュースだと感じました。
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私の銭湯の思い出は、「Qちゃん友の会」という仲間との時間
私が子供の頃、家には風呂がないアパート生活でした。当然、毎日、銭湯に行くのが普通の生活スタイルでした。(これが、私が風呂掃除が好きではない理由かもしれません)
小学生の高学年の頃、ふとしたきっかけで近所の同級生数名と銭湯に行くことになりました。
友だちがお風呂グッズとして、おばけのQ太郎のグッズを持参して、みんなが笑ったことから、しばらくの間、「Qちゃん友の会」という名前で、度々、銭湯に行く仲間の集いになりました。
お風呂に入っている時間よりも、ふざけている時間が長かったので、誰もが親に怒られていたようですが、裸で付き合う少年たちの集まりは、今から思うと、ほのぼのとしたものでした。
私は、この会が活動をしなくなっても、銭湯に行くのが日常生活でした。
時間帯によって、顔を合わせる人が変わり、地元の怖い人、話し好きな人と、いろんな話をしていました。
銭湯は、昭和の「サードプレイス」だったと思う
今、人気のある「スーパー銭湯」と、私の原風景にある「銭湯」は違います。
銭湯は、番台があって、店主に入浴料を払い、シンプルな大きな風呂場と壁画、天井が高い洗い場、脱衣場では、身体をキレイにする場所というのが大前提。
でも、それだけではなかったような気がします。年代の違う人、多様な人(性別は一緒ですが)が交わる場所であり、しかも、裸。自らを包み隠すものがありません。
雑談から、人生相談までいろんな話をしていましたし、マナーが悪いと怒られたり、怒ったりしていました。
入浴後、牛乳を飲んだり、涼んだりしながら、会話がないまでも、アイコンタクトをしていた日々を思い出します。本当に時間の流れがゆっくりしていました。
あの場所・空間は、昭和の庶民の「サードプレイス」だったのだと気付きました。
時代の役割や価値観とは合わないのであれば、銭湯は減り続けるのでしょう。
この流れを止めることはできません。
ただ、あの場に自然と成り立っていた雰囲気は、消えるものではなく、新しいスタイルの「サードプレイス」として世の中に必要とされていくことが予測されます。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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