コーポレイトガバナンス・企業倫理観のことを真面目に考えてみる

コーポレイトガバナンスが崩壊すると、企業には不祥事や不正が発覚します。

このコーポレイトガバナンスとは何か、企業倫理観(個人の倫理観も含めて)について、少し考えてみたいと思います。

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コーポレイトガバナンスの意味

株主などの利害関係者が、企業の経営を監視することを言います。経営陣による経営の私物化(それに伴う不利益)を防ぐこと、さらには企業の不祥事を防ぐことを目的としています。この場合、ガバナンスの主体は「株主などの利害関係者」、ガバナンスの対象は「企業(狭義には経営陣)」となります。

企業の私物化って言われても、零細中小企業、有限会社、個人事業主であれば、どうも、このレベルの話を語るのは難しい。

ただ、不祥事という切り口で言えば、顧客、取引先などを欺くような行為は、関係者にとって不利益をあたえる行為なので避けるのが正しい。

この不祥事がなぜ起きるのかって観点で考えると、企業と個人の分岐点が曖昧になることに起因しているようでなりません。

社会やステークホルダーを意識しない独りよがりな行為や考え方が問題

コーポレイトガバナンスの問題は、どうして起こるのでしょうか?

これは、社会やステークホルダーを意識しないで、自社(場合によってはトップ個人や経営陣・幹部)の利益を優先して、独りよがりな行為や考え方を持つことに原因があります。

与えられた権限、役割には、伴う責任がある。

この事実を忘れて、経費を私的に流用したり、意図的な便宜を図るという行為は許されるものではないのです。

もちろん、経営トップが自社の利益を度外視していれば、倒産の憂き目にあうでしょうから、一定水準の利益は確保しなければいけません。

ただし、不公正で、不適切な関係や金の流れを作ってしまうことを、放置してしまう組織は、どこかで歯車が狂い、破綻していきます。

そのために、監査役や社外取締役などの役割が必要になります。

大手企業は、改めて、コーポレイトガバナンスの強化を推進する発表を続けています。

襟を正して、企業経営をしなければ、社会的な信用を失うというリスクを理解しているからではないでしょうか。

個人にはガバナンスはないけど、倫理観は必要

ガバナンスという言葉自体が、組織などの統治プロセスのことを指すので、パーソナルガバナンスという言葉は存在していません。

ただ、コーポレイトガバナンスの根幹は、個人の倫理観が基本にあると私は考えます。

目の前の事象や取り組みに対して、冷静に判断して、個人の倫理観として正しいのか、間違っているのか。

過剰なサービスや施し(便宜を図ったり、接待的な行為など)を相手から受けた場合、あなたは断る勇気、冷静にジャッジメントできているでしょうか。

ここまでやってもらえたらから、この商品・サービスを選ぼうと判断していると、倫理観の考え方では微妙なラインに近づいています。

なぜならば、欲望や欲求を満たされる関係が常態化すると、そこには倫理観が失われます。

「最近、ビール券をくれなくなったから、新聞を変えようかしら」

もし、購読している新聞の契約更新時に、便益の度合いを価値基準に持ち込んでしまうと、個人としても倫理観が歪んできます。

些細なことが崩れると、個人の価値観が狂ってしまい、倫理観が薄まリます。

この感覚を持って、立場として判断できる役職者、経営者として、向かうと危険です。

今だから少しだけ語れる、ある危機的な話から考えてみる

今まで、私も、この危機的場面の近くにいたことがあります。

具体的には書けませんが、ある立場にいた人が、特定の事業者に対して、深すぎる関係にあると感じていました。

リアルで知っていることは、友好すぎる関係性であったという事実です。

その結果、どんな結末を迎えたのか。

足元をすくわれるという結末を迎えて、その立場にいた人は去りました。

個人的には考え方も、アプローチ方法も嫌いではなかった人なので、残念な気持ちがしましたが、この隠された事実の概要を知らされた時に、幻滅したことを覚えています。

彼には組織や役割、立場を踏まえたガバナンスや倫理観が崩れてしまったのです。

もちろん、相手があってのことですし、事実をヒアリングしたわけではないのですが、明らかな狂いがあったと考えています。

かつては、ビジネス慣習のなかで、良好な関係を築くために、なんらかの便益を与え合うというのは、日本社会の中でも認められてきたグレーゾーンだったと思います。

今の時代は許されなくなっています。

もし、あなたの近くで、一部の古い体質を持った個人や組織が、この逸脱したガバナンスや倫理観に伴う活動をされているのであれば、速やかに、周囲の人がブレーキを踏む、もしくはチェックできる体制を1日も早く築かなければいけません。

結果として、あなたの組織や個人を守ることにつながります。

バレなければ良いと考えるのは危険です。

今は、情報を完全にクローズすることは難しく、どこからでも漏れて広がってしまう時代ですから。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。