私は、大好きだったテレビドラマをすっかり見なくなりました。
時間がない、共感できる内容じゃない、出演者に興味が持てない。
理由をあげればキリがないですが、他にやることが増えてしまい、優先順位が下がっています。
「わたし、定時で帰ります」というTBSドラマは、タイトルと時代背景にマッチしていると感じて、久々、全話を見ました。(Tverで隙間時間に見ました)
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働く目的は人それぞれ 他人に強要してはいけない
今回のドラマの舞台となる、ネットヒーローズというWEB制作会社。
この会社で働く、主人公、東山結衣(吉高由里子)が、残業をしないて定時で帰るという働き方を、わがままではなく、周りに理解されている、ということに驚きを感じて見ていた人は多いはず。
彼女は、「何のために働くのか」ということを問いかけ続けていました。
当たり前すぎる疑問に対して、彼女は「わからない」という回答を出します。
それは、働く理由や目的は、人それぞれ異なるものであって、お互いのスタイルを尊重して、強要はしてはいけないというメッセージをどう受け止めていくかも、個人によって異なる時代なのです。
給料のため、家族のため、将来のため、いろんな理由がある
なぜ、人は働くのか。自分はどうして働くのか。
本当に当たり前すぎる命題。
よほどのことがなければ、ルーティーンのように働いてしまうと、この働く目的というのを見失ってしまうもの。
自分の働く会社や職場を振り返ってもらうと分かるのですが、その雰囲気や、暗黙のルールに従って働くようになり、自分に合わなければ転職していきます。
自分の仕事が大好きで夢中になって働くことを否定できません。
このドラマで向井理演じる種田副部長の存在が注目でした。
仕事ができて、部下の問題、組織のトラブルも一手に引き受けて、自分が穴を埋める、淡々と働き続ける人間。
どの職場にもいる、プレーヤーとしても、マネージャーとしてもデキる存在。
結果として、仕事が集まり、オーバーワークになって体や心を壊していく。
そんな彼は、何のために働くのか。顧客のため、会社のため、組織のため、自分のため。
よくわからないけど、目の前のことに没頭していくため。
誰もが同じ方向を向いて突き進むことで幸せを感じられるような、高度経済成長の日本。
この歴史の教科書的な出来事から、50年を経た今、働くことの理由を、個人が考えるようになり、お互いの違いを尊重することが求められるように変わってきています。
幸せのために働くには、制度やルールが大事なのではない!
日本の労働環境として、生産性が低く、長時間労働が当たり前になっていることを是正するために、政府が旗を振り、働き方改革を推し進めています。
残業時間も含めた総労働時間を抑制し、有給休暇の取得を推進し、副業も解禁する。
どれも制度や社会の流れとして、否定する人はいないですし、頭では理解できています。
今回のドラマの最終話で、ネットヒーローズの社長が、制度やルールを変えたのに、何も変わらないという本音が印象深く残りました。
何かを変えようとすると、制度や仕組み、ルールといった形を決める議論と、個人の精神論、行動変容を訴える議論の2軸になりがちです。
前者のやり方では、うまく運用ができない現実が残ります。
個人の価値観を尊重した結果、働き方がフレキシブルであるべきで、その多様性をどうやってマネージメントしていくのか。
会社や組織の方向性と個人の価値観が完全一致しきれないのだから、どうやって結びつけていけばいいのか。
お互いの働くことへの価値観、働くことへの喜びが個人の幸せと合致できているのかどうか。
古い考え方に縛られる管理職は、この多様性を認めて、マネージメントする難しさに直面しています。
お互いのことを知り、認め合う関係性を築きながら、ともに働く
大事なことは、個人によって異なる価値観を否定したり、強要せずに、どうやって、認め合いながら、ともに働けるのか、という課題につながっていきます。
「残業をしない」生き方が素晴らしい、という単純な議論では終わらずに、多様性の中で、お互いが幸せと健康を保ちながら、求めるゴールを見定めて働いていく。
この時代の変化に向き合い、対応していく企業が成長し続けていく組織なのだと思います。
だからこそ、自分の働く目的、今取り組んでいる仕事の目標(数値)の先にある目的を見据えて、自分が納得できるのかどうか。
本来の目的を忘れて、目標に追われていくと、個人も組織も荒んでいきます。
自分の働く理由を認めてもらう以上、相手の働く理由を尊重する。
働く仲間や関係者に、無理強いや無茶をさせない。
疲れたら休ませるし、納得できないなら、徹底的にコミュニケーションをはかること。
どれも当たり前の話なのに、この感覚が欠落してしまうことによって、職場の問題、働き方の問題は生まれているのだと思います。
定期的に、自分自身の働く理由、同僚や仲間、上司と部下の働く理由を一緒に考える時間を作ってみるだけで、相互理解が進んでいきます。
そして、たまには、堂々と
「わたし、定時で帰ります」
と宣言してしまいましょう。
なんとかなるんだから、実際は。
ドラマ公式サイト:「わたし、定時で帰ります」
「わたし、定時で帰ります」最終回が示す“真の働き方改革”(女性自身)
『わた定』が提示した正解のない問いかけ 理想的な上司・種田への見落としがちな視点 (オリコンニュース:提供元コンフィデンス)
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。