【レビュー】『甲子園の魔物―高校野球の聖地で起きた数奇な物語』

どうして、そんなことが起こるのか?

スポーツを見ていると、驚きのシーンが発生することが多い。
もちろん、選手、コーチなどによる計算し尽くされた作戦もあれば、予期せぬ展開もある。相手との駆け引きの中でも生まれるものもある。

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「甲子園の魔物」といえば、高校野球で起きる、普通では考えられない運命のいたずらみたいなものかもしれない。ちょっとした心の動揺から、選手のいつものプレーが変わり、結果も左右されてしまう。


甲子園の魔物―高校野球の聖地で起きた数奇な物語 楊順行

1つ1つの物語に登場してくるチーム、選手も、きっと忘れられない甲子園、もしくは、予選を抱えているでしょう。また、ここに取り上げられないような試合にも、数多くの「魔物」が存在して、予想外の展開が起こり、忘れられない青春を持つ、元球児は、世の中にたくさんいることを思い知りました。

高校野球に限らず、スポーツの世界では、セオリー(定石)通りにやっても、相手や状況で大きく結果が変わるシーンは見かけます。

仕事においても、当たり前の常識に従ったにも関わらず、ちょっとしたミスから、とんでもない事故や、トラブルを引き起こす場合があります。
心に棲む魔物とは言えないかもしれませんが、通常ではやらないことが、結果に大きなインパクトを与えてしまう。

狙った奇策ならば、納得できますが、自分でもなぜ、そのいつもの、あたりまえのルーティン以外の行為をしてしまったのか。

仕事に限らず、人生という場面でも、予想外、想定外のことは起こります。

魔物に支配されない生き方こそが、普通に生きていいくうえで、必要なことなのかもしれません。

魔が差さない生き方は、本来、誰もが漠然と考えているのでしょう。
ささいなタイミング、ズレで起きることへの意識は怠らないように気をつけたいものです。

甲子園の常勝チームの監督たちのように、魔物を支配できるほどの力があれば、話は別ですが。彼らも、魔物の気まぐれで結果は左右されているのは避けられないと語っているのが、とても印象的でした。