2009年上映された映画「感染列島」は、感染症によるパンデミックや医療崩壊の現場を感じる作品です。
公開当時は、ウイルス感染の言い知れぬ恐怖を感じたものの、あくまでも、自分の向こう側であるスクリーンの中の危機でした。
今回、新型コロナウイルス感染の問題発生後、改めて見ると、伝わってくるものが違いました。
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日本で「新型・鳥インフルエンザ」が発生という誤解から始まる
この作品で、感染源として疑われた「新型・鳥インフルエンザ」は、人に感染した場合、大問題を引き起こす可能性があるというのは、当時から危惧されていた話。
感染が広がっていくプロセスが、しっかりと描かれています。
この感染症は、地域を超えて、日本全体にものすごい勢いで感染を拡大し、死者が増えていきます。
WHOなどが調べても、原因となる鳥インフルエンザではなかったという展開に驚かされます。
東南アジアから持ち込まれた新型の感染症だった!(ネタバレ)
鳥インフルエンザでないとして、その原因はどこにある感染症なのか。
見えない敵と戦う恐怖が展開されていきます。
ようやく主人公たちがたどり着いたのが東南アジアの某国の小さな島で発生した感染病であり、その情報が世界に伝わっていないまま、日本に上陸することで拡大したという物語。
見えない敵と命をかけて戦わなければいけないのは、おそらく、現在の新型コロナウイルスよりも、さらに恐ろしい状況を描いています。
ポイントは医療崩壊の現場!
恐ろしい感染症との戦いに際して、最前線で戦う医療従事者の疲れ、感染リスク、という点も盛り込まれているのが、この映画を見る上で大事なポイントに感じました。
どれだけ病院でしっかりと管理をして対策を練っても、治療法が確立されていなければ、患者数は増えて、医療器具は足りなくなります。
助かる見込みの薄い重篤な患者の呼吸器を外していくシーン。
そして、程なく亡くなっていく場面。
そこまでしないと、他の患者を救えないという不条理。
救命救急や大事故、大災害の現場で、トリアージ(けが人の状態を色分け)をしていく場面を、ドラマなどで見たことはないでしょうか。
状態を見て、色分けされることにより、生死のラインが引かれる感覚。
今回は、助かる見込みの薄い相手よりも、助かる人を優先する判断。
コロナウイルスが爆発的に増えたイタリアなどでは、患者の年齢を含めて、対応する優先順位をつけていたというニュースを見ました。
全ての患者を救うには、ベッドも、医療器具も、薬も、医療スタッフも足りない状況に追い込まれるのが、医療崩壊につながっているシーン。
限界は、医療従事者のハートに影響を与えて、自らも感染をしたり、ミスを犯すリスクが高まっていきます。
患者も医療従事者も、人間という意味では同一の存在です。
全ての人は救われないが、生き残る人間には未来がある
映画「感染列島」では、ものすごい数の感染者、死者が出て、日本全体で大きなダメージが与えられたというストーリーになっています。(おそらく全世界にも感染は広がったはずですが)
では、全ての命が失われたかというと、生き残った人たちの人生があり、未来を感じる終わり方になっています。
現在、世界で猛威を振う「新型コロナウイルス」による危機も、いつかは収束をしていき、新しい時代、未来がやってくると信じましょう。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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