自分たちは「正義」で、相手が「不正義」って思ったら「正義中毒」です!

「自分は絶対正しい」「他人の言動が許せない」

このフレーズに思い当たることはないでしょうか。

おそらく、それって、中野信子さんが語る「正義中毒」に陥っているのだと思いますよ。

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中野信子(著)『人は、なぜ他人を許せないのか?』を読んで「正義中毒」を読み解く

認知神経科学者で、評論家の中の信子さんの書かれた『人は、なぜ他人を許せないのか?』という刺激的なタイトル本と、キャッチコピーの「正義中毒」という響きに、誰もドキッとさせられます。

なぜ、他人を許せなくなるのか、について、中野さんは脳の問題としてひも解いていますが、私は、単純に脳だけと割り切れない部分もあり(専門的すぎて理解が追い付かないのが本音)、自分なりに「正義中毒」を解釈してみます。

「正義中毒」な人の自己主張が増えて、衝突しやすい世の中になってる!多様性の時代なのに

相手が間違っていて、自分が正しいという自己主張をする人が増えています。

認識として、自分の考えが正しいと信じるのは当然ですが、相手に無理やり同調を求めるような姿勢、言動は行き過ぎています。

この状態を「正義中毒」と表現したのが仲野信子さんです。

多様性の時代なのに、衝突が絶えない理由を考えてみました。

自分と反対側の意見や主張に耳を傾けずに、制圧しようという言動になってしまうのは

自分たちは「正義」で、相手が「不正義」だから。

という刷り込みが、個人と社会に蔓延しているのが理由だと私は考えています。

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自己主張が増幅すると、反対側が憎い・嫌いな存在になるのは脳の構造に原因がある(中野信子説)

自己主張が増幅されやすいのは、SNSのアルゴリズムなのか、メディアによる偏向な伝え方なのか、わかりませんが、自分のカウンターである反対側に対して、議論を求めてずに、圧倒的な威圧行動をとる人が増えています。

本来、自分の考えがあり、相手の考えがあり、双方相容れないものがあっても仕方がないものと捉えられてきたような気がします。

もしくは、圧倒的な多数が有利で、少数を生ぬるくて見ていた社会というべきかもしれません。

今、空気を読むといった強烈な同調圧力が加速する時代になって、自分と相いれない反対側の存在が憎く、嫌いな存在となり、言動を直接ぶつけるようになりました。

この自分が正しいから相手に強要して叩くというような行為をしている状況を「正義中毒」(同調圧力とも言う)と中野信子さんは語っています。

◆原発ゼロ要望者と原発再稼働支持者

2011年の東日本大震災後の福島第一原発事故の放射能問題を受けて、紛糾した原発有無の話を思い出してみましょう。

原子力発電所は危険なものであるから、全てを廃炉にして自然エネルギーにシフトしなければならないとする原発ゼロ要望者の皆さん。

原発は安全安心なものとして再稼働していかないと社会経済が機能しなくなるので、1日も早く原発再稼働すべきという支持者たち。

この両者の対立は、事実認識を超えて、感情論も含めた論争になって行きました。

お互いが自分たちの主張を信じて反対側は「悪」であるとして、徹底的に叩こうとする姿勢は、主張者の人間性や過去の発言や経歴なども踏まえて、ドロドロな議論を巻き起こしていました。

まだ、この双方は、論理的な主張としてお互いへ反対意見が言える関係なので、「正義中毒」の一歩手前です。

旧来の賛成派・反対派の二項対立軸なので、どこかで折り合いがつけられていくというのが、日本の現代史には頻繁に行われてきました。

◆コロナ「自粛警察」の暴走

2020年現在、新型コロナウイルスの蔓延を受けて、緊急事態宣言として、営業自粛を行う店舗と、営業を継続する店舗の両者が存在しています。

あくまで行政サイドからは、「自粛要請」のスタンスで、絶対的な強制力はなく、補償を伴う対応があれば受け入れる店舗が増えました。

一方で、顧客と従業員のために営業を続ける店舗も存在しています。

飲食店やパチンコ店など、今回の自粛対象なだけに、足並みを揃えない姿勢に不満を持つことまでは誰もが理解できます。

ここから、「正義中毒」の暴走者たちは、わざわざ、店舗に出向いて文句を言ったり、張り紙を貼ったり、インターネットを通して誹謗中傷を行います。

「正義中毒」の暴走者たちは自らが正しいことをする「自粛警察」などと言われて活動をされているようですが、何か、おかしいと感じませんか?

まず、リアルに外出をして、取り締まるようなアクションは、不要不急の外出を自粛してくれという政府関係者の声を無視しています。

自分たちは正しいことをしているのだから、不正義な相手に対して天罰を与える姿勢。

さらに、インターネットでは、店舗のアカウントに向けて文句と苦情、脅しをするようなメッセージやメールを送りつける。

自分たちは「正義」で、相手が「不正義」だから。

これって、完全に相手のことを考えずに、自己中心的な発想でモノを考えて行動しています。

その情報が拡散されるから、余計に広がっていくという不可思議な現象に気持ち悪さを感じます。

そもそも、「自粛警察」って、仕事でもないので、完全なるボランティア活動です。

そこにパワーをかけていく姿は、完全に脳が暴走して「正義中毒」に陥っているのは間違いありません。

自分たちは「正義」で、相手が「不正義」だから。

という考え方は、行動も伴い、相手への排他的スタンスになって、ヒートアップしています。

◆関東大震災のデマと朝鮮人虐殺事件

私たちが生まれる前の時代のケースをピックアップしてみます。

大正12年(1923年)、関東大震災に襲われて壊滅的な被害を蒙ったことをうけて、当時の内務省は戒厳令を宣言し、各地の警察署に治安維持にベストを尽くすように指示を出しました。

「混乱に乗じた朝鮮人が凶悪犯罪、暴動などを画策しているので注意すること」

という内容が伝えられたため、行政機関や新聞、大衆の中で広がり、朝鮮人、中国人などが殺傷される事件が起きています。

社会不安から、外国人である朝鮮人を虐殺する行為に至ったというパニックの話。

史実でありながらも、関東大震災の被害の話の中で埋もれている事実です。

つまり、正当な事実確認もないまま、相手を叩くという行為は、コロナ禍だから起きた話ではなく、精神的な不安要素があれば、自分以外の異質な存在だと思う相手を、どこまで残虐に排除する行為に至るという事例なのです。

自分たちは「正義」で、相手が「不正義」だから。

不安な気持ちがあるから、正義中毒になると暴力的な行為にまで発展してしまうという事例です。(コロナの自粛警察を見ると)

では、あの当時、デマを信じた人の「正義」は、事実を追うと間違いだったことが判明しています。

信じる正義は自由ですが、だからといって、正義の反対側にある人たちを制圧していいという理屈にはならないわけです。

自分の正義を信じないでは生きていられない!という思い込み

自分の正義が絶対に正しいのだから、反対するものが間違いで正さなければならない。

ただ、正義というものは、立場や状況によって変動する可能性もあるものです。

自分の正義を信じて生きるべきだという強い思い込みこそが、社会を生きづらくしています。

中野さんは専門家として脳の問題に議論を進めていますが、正直、その内容について、どこまで理解・納得できるかは微妙です。(私の所感として)

「正義中毒」を生み出しているものは何か、という点は、人間の脳ではなく、社会全体の雰囲気であり、何らかの大きな社会不安が生まれると、心理的にパニックが起こり、偏った考えに、個人も集団も洗脳されていくという姿だと私は考えています。

目の前の情報、周りの言動が本当なのかどうか、自分自身が冷静に考えるという余裕を持ち、一呼吸の間(ま)を置くだけで、「正義中毒」に汚染されないようになるはずです。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。