大手企業に就職すること、公務員になることは、自分たちの親世代が望んでいた未来でした。
2020年現在、この昭和世代に染み付いた安定志向の働き方は、不安要素しかありません。
家業を継ぐのではなく、自らが起業家になるために、子どもたちに何を教えていけばいいのだろうと考える親世代にとって、『10歳から始める! 起業家になるための「7つのレッスン」』はヒントに溢れています。
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「自分で事業を立ち上げろ!」と言える親は、正直少ないのが日本の現実
日本社会は、中小企業に支えられ、独立・起業にチャレンジする人は、後をたちません。
ただ、それらが成功しているのかと言われると、細々と頑張っている状況であって、事業を立ち上げて、成長できる人間などは一握りの存在に過ぎないと誰もが感じているのではないでしょうか。
ベンチャー企業を立ち上げればいいという単純な話ではなく、自らの力で生きていける人間にするために、何に取り組めばいいのか。本人の前に親が理解していなければ、前には進めません。
7つの起業家レッスンは難しくはない!
船ケ山哲さんの書かれた『10歳から始める! 起業家になるための「7つのレッスン」』には難しい理論は語られてはいません。
10歳の子どもから取り組める考え方・アプローチが述べられています。
7つの起業家教育レッスン
7つの章の中で語られる起業家教育レッスンのフレーズは至ってシンプルです。
1.「好き」を見つける!2.背中を見せる
3.イメージさせる
4.体験させる
5.客観的に判断させる
6.観察させる
7.実践させる
好きなことを見つけて夢中にさせながら、体験と観察を踏まえて、実践させながら、イメージをさせて、客観的に判断を培う。
2以外の部分は、すんなりと腹落ちができて、具体的にどうやればいいのかを、子どもと一緒に考えれば良いものばかり。
もちろん、なかなか好きで夢中になれるものが見つからない場合もあるだろうし、体験はしても飽きてしまったり、観察やイメージまで意識が向かわない子どもも多く、当然、客観的判断など難しいという話も理解できます。
私は、一番大事なのは、「背中を見せる」ということなのだと理解しました。
口先であれこれ伝えてもわかってもらえないもの。
自らが背中を見せるという話になると、誰もが思い出すのが山本五十六の名言です。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せなば、人は実らず。
手本となる姿を見せなければならないのです。
家業など、目の前で仕事をしている姿を見せられる場合は、別として、会社勤め、役所勤務などの場合、子どもに示せる具体的な姿がありません。
それだけに、学校に任せず、親が子どもと一緒に向き合って、態度や行動で示していくという本気度こそが重要なのです。
新しい教育・思考に基づいて取り組まなければならない
この起業家教育は、マネー教育同様に、日本人が学校では整備されていない教育分野です。
もちろん、一部の特殊な学校や教育機関では、最初から、起業家を目指すような指導、トレーニングを行っているところもありますが、限られた存在に過ぎません。
学校で、教科書やドリルで教えてくれる、答えがあるものではなく、自ら考えて、何が正しいのかを判断していくようなリアルさを求めていかないと人材として子どもたちは育ちません。
良い学校と成績を上げる塾ではなく、起業家的なマインドや発想を身につけさせるために、親が何ができるのかといえば、自分自身が、起業家精神を持たなければ伝わりません。
これが最大の難関です。
時代の環境から、寄らば大樹の陰みたいな安定な生き方ができないのは、頭では理解できているものの、積極的に自らチャレンジしなくても、企業や組織の都合で任されたことだけをやって済ませていた世代に、子どもたちを育てている親が多いのです。
自らが新しい教育や思考について、理解して取り入れていかなければ、子どもたちに手本となることはできません。
10代でもベンチャー企業を立ち上げる若者がいる
今の時代、年齢に関係なく、起業家を目指す人間は増えようとしています。
例えば、高校生世代でも、アルバイトとして働くのではなく、自分の知見を高めながら事業にチャレンジしてみる若者が増えています。
もちろん、経験したことのない話なので、一人ではできず、周りがサポートしながら、という但し書きは残りますが、マインドとして、チャレンジしていこうと試みる人間であれば、失敗すら乗り越えていくことができます。
10代で起業家として、世の中にデビューすれば、長い期間、現役として働きながら、社会に貢献できるので、魅力的な人生を歩めるチャンスがあります。
もちろん、失敗をしてしまうリスクもあるので、セーフティーネットが整っているような体制は必要になります。
自分たちの未来の社会は、親の世代に責任や不満をぶつけるのではなく、自ら生み出していくものだという発想になれば、日本から大成功する起業家が一人でも増えるのではないでしょうか。
とにかく、パーツになる人生を押し付けてはいけない
今までのように、組織の歯車やパーツとして生き抜く人生を現役の親世代は、子どもたちに押し付けてはいけないのです。
その論理が通用しなくなりつつあることを肌身に感じているならば、まさに、パーツではない、主体的に生きる道を指し示していくのが親の務めと言える時代に変わりつつあります。
見えない未来に向けて、子どもたちに何を与えられるのかと問われれば、生き抜く考え方と教育しかありません。
とにかく、起業家という道の魅力を語れる大人になりましょう。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。