SNSでの発信は実名でやるのは怖い。ハンドルネーム、仮名でやらないと自由で、好き勝手なことが書けない。炎上が起きたら怖いので、本名公表は控えたい。
今まで、日本人のネットリテラシーには「匿名性」というのが重視されてきたのですが、今回、徳力基彦さんの著書『自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書』を読んで、改めて考えてみました。
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「自分のメモ」として書くだけなら、誰でもできる
SNSやブログなどを頑張ろうとすると、どうしても、小難しいことや特別なことを書かなければいけないと勘違いする人がいます。
そんななか、「自分のメモ」として書くだけでいい、という徳力基彦さんのメッセージは、肩の力を抜いて始められることを教えてくれる良書です。
普通の人がSNSやブログは実名でチャレンジした方が、未来が広がる
日本のインターネットでの発信は、ハンドルネーム(HN)ガスタンダードな流れでスタートしています。
本名・実名ではなく、仮の名前を使うことで、自由にキャラクターを作り、発言できるという感覚。
自分のダークな部分も含めて発信できることで、誹謗中傷も容赦なくできる文化が熟成されてきました。
今回、ブログ歴15年、SNS発信歴も長い、徳力基彦さんは、普通の人が自分の名前を使って、SNSやブログで発信することが重要になるということを解いた新刊を読ませていだきました。
今まで、リアルとネットは別物のような環境があったことで、ネットでは実名を公表することを避けている人が多い時代が続きました。
それは、リアルな仕事、会社の看板を背負っていると、自分の発言・発信が悪影響を及ぼしかねないというリスクをとる意味で大切なものと考えられてきました。
つまり、個人よりも組織の利益が優先されてきたわけです。
ところが、確実に、個の力が重視されるように変わってくる時代の中で、「Who」が問われるようになってきています。
「誰が」伝えたメッセージや情報なのかということを前提に、中身を判断する時代に移行しています。
となると、誰はリアルな個人、名前も顔写真も本人でなければ、信頼はされないのかもしれません。
あなたという個人を信頼して、仕事や活動を一緒にやってくれる人が増えてくる時代にこそ、どんな発信を続けているかは、評価されるポイントになっています。
組織や肩書きでなく、個人指名の時代がやってくる
今までの常識であれば、組織(団体)や肩書きが、判断を左右してきました。
大手企業だから、有名だから、大丈夫・安心という理屈です。
もう、この神話は誰もが疑っています。
あの人(特定の個人)であれば、信頼できるから、相談したり、サービスや商品を購入したいと思える時代になってきています。
信頼・信用の軸が個人にシフトしているわけで、その個人の価値は、どのような情報をオープンにして、発信してきた情報の蓄積と関係性で判断されています。
個人指名の時代が普通にやってくると考えると、個人名とその価値を知ってもらえなければ、何も生まれないとしたら、どうなるでしょうか。
個人情報と炎上を恐れて、発信を全く行わない人は、存在が消えていき、実名非公開でニックネームだけで勝負する人は、よほどのことがない限り覚えてもらえません。
有名人でなくていい!普通の人の発信に価値がある!
『自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書』にも書かれていますが、有名人のブログ・SNSのフォロワー数、インフルエンサーの生み出す価値と、普通の人の発信は違って構わないのです。
同じ軸足で見てしまうと、自分の発信したいことが誰にも見てもらえないことに残念な思いを抱えるはずです。
たった1人の誰かのために、もしくは、過去の自分(と同じ境遇・状況にある誰か)に向けて、役立つ情報やメッセージを、自分らしく発信していけばいいだけの話なのです。
大事なのは、自分のスタンスやスタイルで、楽しみながらコツコツと続けること。
結果として、普通の人の発信に共感・理解をしてくれる、普通の人が現れるのです。
ネットリテラシーや戦略は必要だけど、何かが起きるかも、という漠然とした期待値で十分
もちろん、ネットリテラシーや戦略を考えて、SNSやブログに取り組むことは必要です。
失敗をリカバリーしながら成長してもいい、トライ&エラーで進めばいいだけの話です。
奇跡的な何かをSNSやブログ経由で起こした人たちも、最初は、そこまで深く考えていないようですし、自然体で自分のペースで自由に楽しんだことが起点になっています。
普通の人が続けている情報発信には特別な価値や意味がないのかもしれません。
一過性のブームのようにブレイクしても、すぐに忘れられてしまう存在を目指す「一発屋」ではなく、自分の名前とメッセージと強み・特徴などを理解してくれる人が増えたほうが、幸せに近づくのです。
自由な発信を妨げる企業・学校などのルールがあるけれども
現在、個人の自由な発信を妨げる企業や学校のルールは数多くあります。
SNS利用禁止であったり、発信内容で所属先にダメージ・損害を与えるリスクを危惧するのもわかります。
一方で、従業員、経営者、お客様と一緒になって楽しんでSNSを展開している事業サービスや商品・店舗などは盛り上がっており、新しいファン(顧客や入社する社員・バイト)を獲得する流れが加速しています。
「北風と太陽」の話のように、ルールに縛り付けてリスクを回避する道を選ぶのと、マナーを理解してもらい自由に発信や交流をしてもらう道を選ぶのと、どちらが世の中に認めてもらえるのか、一度考えてみましょう。
普通の人が、本当の意味でSNSやブログを活用して、仕事も人生もハッピーになる時代へ
徳力基彦さんの『自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書』の中で、事例としてインタビューに基づき取り上げられている方々の話を読んでも、特別にスペシャルな存在として取り組んでいないことがわかります。
もちろん、個人名を伏せて活動することが悪というのではないので、最終判断は、自分で行ってください。
日本のビジネスの名刺文化や有名人・著名人への過度な信頼から、普通の人が注目されて、自分の名前が知られて、ビジネスや活動が広がっていく未来は訪れると、私も予想します。
結果として、仕事も、人生も、サードプレイス的な活動の場も、ハッピーになれれば、多くの人が笑顔あふれる楽しい毎日を送れるのだと思います。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。