日本のスターバックス誕生秘話を読むことで、サードプレイスの価値を感じる

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任教授、経営コンサルタントの梅本龍夫さんの『日本スターバックス物語──はじめて明かされる個性派集団の挑戦』を読んで、日本のスターバックス誕生秘話をじっくりと味わってみました。

サードプレイスとスターバックスはセットのように語られてきましたが、そもそも、シアトル発祥のスターバックスが、いつ、誰が、どのように日本に持ち込み、成功させたのかという点は、記憶が曖昧になっている方は多いのではないでしょうか。

今回、スターバックス誕生を当事者の一人として関わっていた、梅本さんの書かれた一冊だけに、詳細な内容には説得力がありました。

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サードプレイスといえばスターバックス!

「サードプレイス」はもともと社会学の言葉で、自宅(ファーストプレイス)と職場(セカンドプレイス)を往復する現代人にとって、そのいずれとも異なる心地よい第三の居場所という意味です。シュルツは、「(サードプレイス)は自宅と職場のあいだにあり、公共性と個人性を併せ持つ環境、ほかの誰かとつながり、自分自身を再発見できる場」と定義しています。スターバックスが広まる以前は、米国にはそのようなサードプレイスは、「食堂や数少ない地元のコーヒーショップやレストランや図書館しかなかった」と言われています。

サードプレイスの話をする際に、私は、全くフレーズを知らない相手に語りかける場面を想定して、スターバックスのプロモーションやイメージ戦略を踏まえた話を冒頭で伝えます。

人生で一度も、スタバに足を運んだことがない人もいるでしょうが、イメージは十分に浸透しているからです。

厳密な意味合いとして「サードプレイス」とスタバの存在はイコールではないのはわかっていても、「第三の心地の良い居場所」を目指して作り上げてきたのは事実です。

サードプレイスといえば、スターバックス と捉えらるようになったのは彼らの活動、展開力の賜物です。

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禁煙のシアトル系コーヒーショップが日本で成功したのは、運命の出会いだった

1995年(平成7年)10月、株式会社サザビーがアメリカの Starbucks Coffee International, Inc.との合弁にて、スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社を設立されています。

1996年、サザビー社長の鈴木陸三の兄である角田雄二が代表取締役社長に就任。

同年8月2日に、東京の銀座に日本1号店をオープンさせる。

この略歴をしっかりと把握しておくことが重要です。

外資系コーヒーチェーンは、日本市場に参入する際に、パートナーとなる事業者を、紅茶とライフスタイルを提案する「Afternoon Tea」を展開していた、サザビーリーグと50%ずつの出資会社として日本法人をスタートさせている点にあります。

200円程度で飲めるコーヒーショップチェーン、ドトールなどがサラリーマンに受け入れられていた時代に、高価格帯の勝負をかけるという戦略。

ターゲットは若い女性たちを狙っていたことも明確。

スターバックス・ラテ、キャラメル・マキアート、など他では味わえないコーヒーをおしゃればペーパーカップやタンブラーに入れて飲んでいる姿は、すっかり定着しました。

しかも、コーヒーの香りや居心地の良さを目指すために、完全禁煙に早々に踏み切っているのも、スターバックスの特徴です。

日本の喫茶店文化では、コーヒーとタバコという嗜好品のセットでした。

それだけに、完全禁煙というのが時代に先駆けたチャレンジであったことは着目できます。

そして、スターバックスのコンセプトを伝えるために、大事だったのが、サードプレイスという考え方です。

ヨーロッパの文化だったカフェを、アメリカに定着発展させて、世界に向けて展開してきた、スターバックスにとって、海外進出の先駆けにした日本に、経営者たちが共感できてスタートできたからこそ、大成功につながったという物語は、実は、一般人には知れ渡ってはいない、もしくは、忘れられているストーリーです。

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高いけど、オシャレで、居心地が良い空間を提供しているスターバックスの良さ

スターバックス自身も、必ずしも順風満帆だったとは言えなかったものの、新しい文化を作り出してきた背景には、居心地が良い空間を演出すること、そこで働くバリスタ以下のスタッフの醸し出す雰囲気こそが最高だと認められてきました。

スタバでアルバイトをしている=イケメンや美女

という話題がネットで上がるほど、手書きのメモなども含めて、細かいところまで気を配られています。

一杯のコーヒーの値段としては、牛丼チェーンの並盛りと変わらない値段です。

お腹を満たすだけだったり、喉を潤すだけならば、スターバックスは選ばないでしょう。

コンビニや自動販売機で缶コーヒーを買って飲めば済みます。

スターバックスのおいしいコーヒーと店舗の空間、店員の良さが完成していくまでに、日本法人設立後、店舗数を増やしていく中で、作り上げてきたのは素晴らしいと言わざるを得ません。

私のスタバデビューは大崎ゲートシティ店でした

スターバックスが日本に上陸したことは知っていたものの、社会人になりたての私のお財布事情としては、足繁く通うには敷居が高いコーヒーショップでした。

記憶を遡ると、私のスタバデビューは、大崎ゲートシティ店でした。

当時、大崎駅前に完成したばかりの大崎ゲートシティに、営業先があった私は、商談前後で時間を使ったりする場所として、スターバックスを利用しました。

オシャレで、どうやって注文していいかわからないスタイル。

ドキマギしながら、メニューを指さして、注文したことを覚えています。

営業時代は何度も利用しながら、その独特の雰囲気が、日本にいないような不思議な感覚を持っていました。

気を許すと、予定より時間が経ってしまっているのは、明らかな、「スタバ・マジック」を感じていた一人だったのは間違いありません。

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スターバックスへのリスペクトを感じつつ、サードプレイスの実現を考える

日本スターバックス物語──はじめて明かされる個性派集団の挑戦』でまとめられていたスターバックスの日本での誕生と成長の物語は、ワクワクさせられました。

スターバックスの成長と浸透度、価値などにリスクペクトしか感じられません。

もし、私が学生だったら、一度は働いてみたいと感じたのではないでしょうか。(私の学生時代は、店舗数が少なく、イメージも湧きにくかったので)

サードプレイスという言葉を世界に広めたスターバックスには、私のサードプレイス愛を生み出すには、十分すぎる存在です。

ただし、企業名は「スターバックス」「スタバ」であって、「サードプレイス」という店舗名ではありません。

また、私の考えるサードプレイスは、空間・スペースだけに拘らず、人と人のゆるやかな繋がり、コミュニティ的な要素が強いため、100%同じ考え方とは言えません。

それでも、サードプレイスの話をする際に、スターバックスを無視することはできません。

誰にとっても、居心地の良い居場所をイメージさせるには、誰もが共通で抱けるものが他には存在していませんから。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。