子どもの頃から、頭が良い、賢いと言われると、どんな大人になるのでしょうか。
自意識過剰なタイプに成長することもあれば、相手を見下すような態度を繰り返す大人になる可能性もあります。
人間の価値は10代で決まる!と断言する千田琢哉さんの『10代で知っておきたい 本当に「頭が良くなる」ためにやるべきこと 一生使える力を身につける!』を読み、納得と驚愕の二重の感情に苛まれました。
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早期育成された人材は強いのはわかる!10代が全ては言い過ぎだ!
私は、文筆家の千田琢哉さんの本が好きです。
キレの良さ、テンポの良さが心地よく、甘ったるいことを言わないで、バシっと断言して、敵を作ることも気にしないで伝える内容は、是々非々はあるでしょうが、納得できる内容です。
人間の価値が10代で決まると断言されてしまうと、さすがに言い過ぎなのではないかと、反論したくなりながら読み進めました。
若いうちに社会も自分も理解する早熟タイプは強い!
『10代で知っておきたい 本当に「頭が良くなる」ためにやるべきこと 一生使える力を身につける!』の中で、5つの力をつけることを奨めている。
・地頭力
・創造力・想像力
・戦略力
・人間関係力
・生きる力
確かに、この5つの力を全て兼ね備えた10代の若者がいれば、おそらく、大物として社会で大活躍できるのは予想できる。
ただ、彼らには、これらの力を理解できても、経験値が圧倒的に足りない。
千田さんのように、大学に入ってガンガンに本を読むようなアクションをしない限り、難しい。
もし、この5つの力が身についていたら、早熟タイプとして、若くして注目される存在になるでしょう。
今ならば、高校生起業家もいる時代ですから、ビジネス領域で早熟に成功することもありえます。
10代で飛び抜けていた人間は、成功か、異端の道を歩んだ
私の同世代の友人たちの中で、10代で飛び抜けていた才能や知恵を持っていた人間は、その後の人生は、成功の道を歩んだものもいれば、異端の道を歩んだものもいます。
一方で、10代で天下を奪ったと思った時点で、何かを勘違いして、5つの力のバランスが崩れて、残念な人生を送っているものもいます。
つまり、10代で人間の価値が決まるは言い過ぎで、価値の土台が決まるというのが正解です。
人生100年時代に早熟の人間は、後半生はどう生きるのか?
若い頃、絶好調だった早熟タイプの人間は、ピークが10代、もしくは、20代前半となると、その後の失速期間が長くなります。
昔は、どんな天才・奇才として、世の中にインパクトを与え続けるのか、と思っていたのに、どんどん普通の存在に成り下がっていくケースはいくらでもあります。
つまり、ピーク後の未来を考えていなかったのです。
人生戦略やビジョンを描けるほど、10代に未来予想図は描けない部分があるのです。
見た目や雰囲気が問題がありそうな人でも、実は、10代の頃は、すごい人物の卵だったという人は、探してみれば、あなたの周りに一人ぐらいはいるでしょう。
『10代で知っておきたい 本当に「頭が良くなる」ためにやるべきこと 一生使える力を身につける!』の中で、学歴のレベルを明確に線引きしている点は、違和感を感じました。
もちろん、入学できるだけの学力を持ち、努力をして、運を持っていたのは事実ですが、その力を一生保てるかは分かりませんし、スタートダッシュで転んでも、後半に伸びてくる人材も世の中にはいますので。
「大器晩成」という四字熟語を頭に思い浮かべれば、ご理解いただけると思います。
10代で才能を磨き上げ、実績を積むが、それ以降の人生は大成功とは言えない
アイドルやスポーツ選手は、若い時点で、一気にスターダムにのし上がる存在っていますよね。
もちろん、幼い頃から努力を続けて、運もつかんで、実力も身につけて、サポートも受けたというトータルの実績です。
では、彼らは一生安泰でしょうか。
いえ、彼らは、追われる立場に代わり、自分たちより若い世代が現れて、追い抜かれる運命にあります。
ここで、何らかのシフトチェンジ(アイドルから女優になる、選手からコーチになる、など)が成功したケースは安泰です。
ただ、実際は、ここがうまくいかず、ピークアウトしていく人が多いのです。
10代でピークが来ても油断しないで、次のステップを見て、準備を少しずつ始めていたとしても、成功する保証はありません。
己を知って挑める若者であれば、人生はチャレンジしてチャンスを掴めるだろう
己を知って挑める若者であれ、と千田さんは伝えたかったのだろうと私は解釈しています。
この本を10代で読みこなして理解できるのか、と言われると正直無理があります。
10代の子どもを持つ親が読んで、適時アドバイスをするには良書と認めても良いでしょう。
◆ 【レビュー】『集中力を磨くと、人生に何が起こるのか? 』千田琢哉
◆ 千田琢哉(著)『極突破力』から常識を飛び越え、突き抜ける人生を学ぶ
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。