「WELQ問題の火付け役」という本の帯に惹かれて、『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』(朽木誠一郎・著)を読んでみました。
もはや、社会からは忘れられている問題かもしれませんが、根本的にメディアの誤情報展開は消えておらず、SNSの拡散によるデマや偽情報の広がりも起きている状況は変わっていません。
医療情報との付き合い方について、向き合ってみようと思います。
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WELQ問題を振り返り、健康に関する情報の嘘の氾濫を見つめる
WELQ問題を取り上げて、社会に伝えたのが、朽木誠一郎氏です。
WELQ騒動とは、DeNAが運営する医療情報サイト「WELQ」がコンテンツの品質や正確性を問われてサイトの公開取りやめに至り、キュレーションメディアやバイラルメディア全体のあり方が問われるに至った一連の騒動の通称である。
いわゆるWELQ騒動で注目された問題点は複数あるが、いわゆるキュレーションの形を取るメディアが実情は外部ライターに記事を発注して記事を量産させている事実上コンテンツファームに等しい状態である場合があること、記事内容は他のウェブサイトから情報を寄せ集めた不確実・低品質なものになりがちで、そうした低品質な情報がウェブ検索結果の上位に位置づけられユーザーの利便性を損なう場合があることなどが改めて浮き彫りになった。問題視された等のサイトでは、対象の文飾を除けばほぼ他サイトのコピペという記事もあれば、記事中に挿入された画像が直リンクとなっているなどの問題もあった。
WELQ騒動は2016年12月上旬に大きく取り沙汰され、ハフィントンポストやBLOGOS等のネット系メディア、TechCrunch Japan等のテック系メディアだけでなく、NHKニュースをはじめとするテレビ局のオンラインメディアでも取り上げられるに至っている。(weblio辞書「WELQ騒動」より引用)
当時、キュレーションサイトは便利で、様々な情報をまとめサイトとして利用する人にとって価値があるものと認識されていました。
ところが、ビジネス展開を考えたDeNA社が、外部ライターに記事を書かせまくり、事実確認のない状態の医療関連情報を検索結果の上位表示、SEO対策を施したことによる、社会問題でした。
WELQ問題に限らず、健康に関する情報には、嘘が多く信じられているという話に向き合う必要があります。
怪しい健康情報であっても信用してしまうのは論理より感情やインパクトに偏っているため
今までも、多くの健康情報についてメディアでは取り上げて、社会問題になったケースは何度もありました。
納豆が健康に良いとする情報であったり、特定の成分が病気を治すといった情報は、ある一部の研究者や関係者の考えを事実として受け止めることで大きな誤解が生じます。
事実かどうか、という確認・判断という論理性よりも、こんな発見、解決ができるというインパクトを与えることに対して、人間の感情に訴えてくるのがメディアです。
本来は、反論意見や細かい事実確認を盛り込むべきところをカットしたり、都合よく加工することで、一般の視聴者や読者などの情報の受け取る側を簡単に信じ込ませてしまいます。
エビデンス(証拠)がない情報であっても人は信じてしまう
私たちは、健康への強い願望があるだけに、エビデンス(証拠)がない情報であっても、人はあっさりと信じてしまいます。
メディアを疑う意識が低くて、一方的に信じてしまう傾向が我々にあるためだと言えます。
メディア=正しい情報を提供してくれる存在。
一方で、メディア側は、視聴率であったり、その情報を提供することで、メリットを受ける要素がなければ大々的に取り上げることは少ないものです。
医薬品でないものであっても、厚労省が認めた「特定保健用食品(トクホ)」などを、ありがたい存在だと考える人が多いのが現状です。
このブログ記事の中に取り上げた書籍や健康法もリスクがある!
では、【サードプレイス・ブログ】で取り上げた健康に関する書籍や健康法も、どこまで正しいのかというエビデンス(証拠)のチェックを行なったわけではありません。
著者がいて、出版社がいる、もしくは、メディアで展開されたり、世間の評判・声があるから価値があると思って、取り上げたものの、もしかすると、嘘や事実に反するものが含まれているかもしれません。
もちろん、社会的に認められた通念や常識だって、ある日、突然、ひっくり返ることがあるわけで、本当の意味で何が正しいのかはわかりません。
プラシーボ効果という思い込みのように信じてしまうことで、偽薬で病気や症状が改善する人もいるわけです。
ここで大事なのは、反対意見に対する情報収集を怠らないことだと考えます。
一方の意見や考え方を盲信するのは、事実を受け止められない人間のすることです。
冷静に情報の5W2Hを意識して考えてみる
『健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方』のなかで、朽木さんは、健康情報に紛れる嘘や事実ではないものを見定めるための冷静さに必要なものを、情報の5W2Hだと語っています。
つまり、誰が、どこで、何を、といった、典型的な事実確認を意識すれば、怪しいものに関しては、ある程度、回避することができます。
コロナワクチン関連の賛否も同様です。
どちらが正しい、正しくないは、切り取る情報によって変わり、情報の出どころが正確なのかどうかを確認することは必要です。
もちろん、情報の間違い、訂正は、公的な大きな機関でもありえるのは忘れてはいけませんが。
常に、騙されないために、何が事実で、どこが怪しいのか、という意識を持ち続けましょう。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。