本のタイトルで同様な『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』大西 康之(著)に惹かれて、読んでみました。
なぜ、楽天の三木谷浩史さんが最後の海賊なのか?と不可思議な思いを抱いています。
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三木谷浩史という人物をどう捉えるべきなのか
三木谷浩史といえば、楽天の創業者、日本経済界でも顔の広い人物として有名です。
興銀に入行し、ハーバード大学でMBAを取得して、1995年に楽天を創業し、グループ全体を拡大してきた人物です。
地方の小さな店舗の商品を全国に届けるためにスタートしたECサイトのサービスを軸に、旅行、金融、携帯など多岐にわたる事業を展開してきました。
スマートに見えて、クレバーさが伝わる人物なのに、どうしても好かれている印象が少ないのはどうしてなのだろうと気になったので、『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』を読んでみることにしたのです。
彼自身の夢・野望の周りには優秀な人物たちが集まっている
優秀な経営者の周りには、社外から、国外からも優秀な人物が事業に参画してきます。
『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』を読んでいると、さまざまな、三木谷さん周辺の優秀な方の紹介と接点が描かれています。
間違いなく、このメンバーが舵を切っていて、世界戦にも挑もうとしている企業なのに、どうも、本格的なメジャー感が伝わってきません。
優秀な面々が技術的にも、ビジネス的にも伸びるとしたら、イーロン・マスクや孫正義のように、尖った発言や行動で世間を騒がせる人物になりがちですが、この点に関しては、とても印象が薄いのです。
大人しいというか、余計なアピールを世間にしない点で言えば、Amazonの創業者ジェフ・ペソスに近い印象があります。
海賊だ!と彼を表するほどの、圧倒的な存在感、影響力があるとは言い切れない、伝わってこないからこそ、この本のタイトルとイメージにギャップを感じるのです。
オリジナルなビジネスではなく、どうしても模倣感が否めないのでNo.1になりきれていない
日本のIT周辺のビジネスモデルは、孫正義さんのタイムマシーン経営の話ではないものの、アメリカのやり方を輸入して、日本に展開するスタイルになりがちです。
楽天がオリジナルかといえば、どうしても模倣感が否めない存在ですし、本質的にNo.1になっているとも言えません。
もちろん、市場規模を拡大させて、大規模小売店舗に負けない中小零細事業者を助けてきた側面もあるものの、そのビジネスの隙間で稼いできたことで、世の中を大きく変えるほどのことができたとは言い切れません。
三木谷さんのバックボーンが銀行にあったことからも、金融をビジネスに盛り込み、ポイントという軸で、コングロマリット的に拡大を続けてきたことは素晴らしいのですが、社会的影響やインパクトがどうなのか、というと、「楽天」というブランド価値よりも、利便性だけが、私たちに伝わってきているのです。
もし、もっと便利なサービス事業者が現れたら、躊躇なく乗り換えていくような存在だと感じます。
楽天経済圏を作っても企業として評価されてるとは言い切れない
楽天ポイントを貯めることに喜びを感じて、お得感を得ている「楽天経済圏」の民はいるものの、これは一部の人々に過ぎません。
ポイントを稼ぐ為には、ポイントを得るための消費活動が必要であり、場合によっては余計な消費であったり、全ての決済を楽天カードに寄せるという必要性があります。
では、「楽天経済圏」にいないと、日本人は生活ができないのか、というほどの力強さがあるとは言い入れません。
あれほど、優秀な面々に支えられている楽天、世界を見越して、会議を英語で展開している楽天という存在が、海外で評価されているという話をあまり聞かないのは何故でしょうか。
彼の目指すゴールはどこなのか、そこが一番気になる
『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』を読んでいて、三木谷さんは、どうして嫌われるのだろうと考えてみました。
プロ野球球団新設の時に、堀江貴文氏のライブドアと戦い、年長者に礼儀を果たしたこともあり、楽天球団を生み出しましたし、その後、Jリーグにも関わるなど、多方面への活躍、多額の寄付も行なっているのですから(節税対策という話はありますが)、もう少し、評価されても間違いないはずです。
私は、目立つ経営者にしては、オリジナル性が薄いこと、そこに、世間の人が共感するようなストーリーがないことが、結果として、「嫌われる」という表現をされているのだと思います。
もちろん、プライベートは存じ上げませんし、人柄的なことはわかりません。
それだけに、ただのやっかみで嫌われているとも言えるのですが、この本を読みながら、一番感じたのは、彼の目指す、楽天グループの最終的なゴールが見えなかったことに、もやもやかんが残りました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。