現代の奇人・変人・天才な人物といえば、イーロン・マスクだと納得できる

『イーロン・マスク　上』と『イーロン・マスク　下』の上下巻を読み切り、今年1番のボリュームある本を読んだ達成感しかありません。

分厚さを感じないのは、Kindle（電子書籍）で読んだからですが、読み切るまでには時間がかかりました。

それだけ、中身の濃い、彼の公式自伝だったということです。

 

 

 

 

ウォルター・アイザックソンは異端なIT経営者の自伝を書かせたらNo.1

発売当初、書店で積まれた『イーロン・マスク　上』と『イーロン・マスク　下』を見た時に、この本は、ウォルター・アイザックソンが書いた自伝に違いないとすぐにわかりました。

 

『スティーブ・ジョブズ　I』と『スティーブ・ジョブズ　II 』の大作自伝も書いていた人物だけに、今回も気合を入れて、なるべく掘り下げているのだろうと予想しました。

 

普通の経営者ではない、ある意味、異端なIT経営者の自伝を書かせたら、現代ではNo,1なのは間違いありません。

 

 

とにかく、はちゃめちゃなほど変わり者で、ハードワークが好きな男

南アフリカ生まれのイーロン・マスクの人生を、複雑な家族との関係性から始まり、ビジネスの変化も丁寧に追える一冊でした。

 

細かい点は、読んでもらって考えるしかないのですが、イーロン・マスクとは「とにかく、はちゃめちゃなほど変わり者で、ハードワークが好きな男」だということが伝わります。

 

自分の考えや思いを形にするために、全力で自分のエネルギーを発散し、実現できる人物をめいいっぱい働かせる男です。

 

睡眠時間も余暇も限定される中で、とにかく、スピード感を持って、何がなんでもプロダクトを完成させてしまう、言い訳をさせない男。

 

一瞬、空想上の人物で、実在しないのではないかというぐらいに面白い部分も持ち合わせせています。

 

完璧でないからこそ、人間的でありながら、超人である姿を遠くで見るには興味深いのは事実です。

 

 

自らが現場で一緒に考えて働き、納得しないと部下をクビにする

複数の会社を経営し、他がやらないことを達成させるために、自らが現場で一緒に考えて働き、納得しなければ簡単に部下をクビにしてしまう姿。

 

もちろん、パワハラ的な言動や扱いによって、会社を去る人も多いのもうなづけます。

 

彼の下で働くことは、寿命を縮めるほど大変なことなのが伝わってきます。

 

できない！とか、無理だ！という考えや発言には、全力で否定できる、凄まじさ。

 

もちろん、報酬も高く、達成感も得られるのは確実ですが、長期間、彼の下で働ける人は少ないのは、当然としか言いようがありません。

 

 

本当は何をやりたいのか、彼のゴールが見えない

スペースX、テスラのCEOであり、X corp（旧 Twitter）の執行会長権CTOという肩書きを持つ男として、さまざまな話題を振りまいています。

 

単なる電気自動車ではなく、自動運転車を求めたり、ロケットを再利用できるという発想を実現したり、テキストSNSを決済できるようにサブスク化（無料から有料へのシフト）するなど、常識的考えとは違うことを目指しています。

 

火星に人が住む未来って、酸素も作らなければいけないし、さまざまなものを地球から運び、火星の環境を変えなければいけないことぐらい、常識人ならわかります。

 

もちろん、エンジニアとしての技量や着眼点が素晴らしいことは認めますが、果たして、彼の目指す未来というのは、本当に必要なのか、訪れるのかが見えてきません。

 

今、もし、彼がこの世を去ったとしたら、その後を継げる人物など、どこにもいないレベルだと思うのです。スティーブ・ジョブズと同じです。

 

彼の掲げる未来のゴールがSFすぎて、面白そうだけど、完全に実現するのは無理があると感じるのです。

 

 

何歳まで生きるか知らないけれど、どんな未来を残してくれるのだろう

イーロン・マスクも不老不死や不死身な人物ではない以上、どこかのタイミングで、この世をさるでしょう。

 

とすると、彼がいなくなった後に、彼が残したものを生かした未来がどのような世界なのかを考えてみる必要があります。

 

誰もがテスラの完全自動運転を楽しみ、火星旅行を味わい、という生活を満喫していることでワクワクするのは、まだ非現実感のある夢物語だからです。

 

自分が掲げたビジョンや未来のために全力で走り抜ける、暴走機関車のような男に期待をしつつ、これからも注力したくなる自伝でした。

 

 

 

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