【映画】「相棒 -劇場版Ⅳ-」の世界観は、国民と国家という壮大さだった

時代劇も地上波で見ることが少なくなり、長期間継続できるドラマというのは最近少なくなりました。

設定がトレンドを追うと続かないですし、役者さんのイメージやキャラクターでマンネリするという話も事実。多少のメンバーを変えても乗り切って、視聴率を維持したいという制作側の意図はわかりますが。

「相棒」は長期間愛されて、続いているシリーズであり、映画化も複数展開されています。

「相棒 -劇場版Ⅳ-」の感想をまとめてみます。

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オワコンじゃないのか?「相棒」って?

私は、テレビをほとんど見なくなりました。

テレビっ子として育ってきたのですが、どの番組を見ても、面白いと感じなくなり、惰性で見続けるには時間がもったいなさすぎると感じるようになりました。

青春時代から音楽番組や娯楽番組よりは、情報番組やドキュメンタリー、そして、ドラマが好きでした。

子供の頃から勧善懲悪系な「ウルトラマン」や「仮面ライダー」や戦隊モノが好きで、正義と悪の対立を見て、スカっとした感情に包まれるのが、私の価値観に大きな影響を与えてきました。(今では、正義と悪の中間、グレーの存在をどう理解して、乗り越えるかが、生きていく上でのポイントだと考えるように変わりましたが。)

その中で、ドラマ「相棒」は、特殊な存在です。スタートから17年。時代が変わり、相棒となるパートナーが変わっていても、変わらぬ、杉下右京というキャラクターの存在。

まさか、映画化まで話が進むとは思わないまま、気がつけば、今回が第4弾。

正直言って、3代目パートナーである甲斐享(カイト君)のラストシーンを見終えた時から、このコンテンツは終わりを迎えたのだろうと想像していました。

あの展開への批判は、重く受け止めなければいけないのを承知の上で、作られた世界だったとは理解していますが、どうにも不快な思いしか残らないラストに嫌悪感が残りました。

その後、新しい相棒とのコンビで続く相棒シリーズ。正直、ライブで見ないで、録画して見ています。

脚本家の問題なのか、ストーリーの展開なのか、途中で寝落ちする回が増えています。

1時間のドラマを見ることに耐えられないのは、私の集中力の問題なのか、作り手側の問題なのか、つかめないままの日々を、この2年ほど送っています。

海外ドラマで複数シーズン続く人気ドラマであっても、終わりはやってきます。

邦画の記録を持つ「寅さん」であっても終わりました。

役者の体力・命という問題と時代とのマッチ度合いがなくなれば、ニーズが消えてしまうのは致し方ありません。

その「相棒」が、また劇場版として映画化されると聞き、驚きを隠せませんでした。

オワコンじゃないのか?「相棒」って?

水谷豊という天才俳優の存在

私は、水谷豊さんという天才俳優が大好きです。子供の頃、「熱中時代」という人気のドラマがあり、北野広大という先生がいるなら学校って楽しい場所に違いないと思っていました。

地味なドラマですが、「気分は名探偵」(1984年10月〜1985年3月)なども、大好きで何度も見てました。2時間ドラマの帝王と言われる、

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船越英一郎さんが若手俳優として出ていたのもトリビア的なマニアックなネタです。

また、「刑事貴族」も人気ドラマでした。

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いずれもNTV系なので、水谷豊さんは専属俳優なのかと思っていた時期がありました。

しばらく、ブラウン管から姿を消していた、彼が戻ってきたのが「相棒」でした。

刑事ドラマは見飽きたとも言えるジャンルに、再度チャレンジするのは、特異なキャラクターを作り込む天才俳優のなせる技。

水谷豊という天才俳優は、決して舞台俳優としては成功せずに、ブラウン管(今の時代、この言葉が古すぎますか)上で魅せる天才俳優なのだと理解しています。

ただ、おそらく天才的な人物だからこそ、いろいろと陰の部分には癖があったり、問題を抱えているようなイメージも想像できます。

画面の向こうなら素敵な人物であっても、もし、知人・友人、家族であったらどうなのだろうかと考えてみると、しっくりこない部分があります。

いつまでも若々しさを保てるのは、日頃の鍛錬の賜物でしょうし、役者としての奥深さを感じさせるのは、天才・水谷豊だからこそ可能な、杉下右京なのだと思います。

「相棒 -劇場版Ⅳ-」(ネタバレ注意)

「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」

この犯行グループのメッセージの重さ、謎解きがあり、未来を見て、今を見て、過去を知るという展開力。

この予告編を見た時点で、おそらく犯人は誰なのか、想像はできました。

映画版のスケール感との組み合わせを考えれば、適任者は、あの俳優さんしかありえないだろうと誰もが想像できてしまうでしょう。

国家が国民を棄てるという話は、「相棒」の中だけでなく、現実社会でも見かける時があるような気がします。

国民があっての国家ではなく、国家の為の国民として捉えられたら、個人の存在なんて軽く扱われてしまうのかもしれません。

国家や世間に棄てられたり、消された個人側は絶対に忘れないのは事実で、そこから生まれる深い傷は消えることはありません。

ただ、私たちは、時の流れに身を任せて当事者でないと忘れ去ってしまう悲劇。

警察関係者の登場人物が錯綜する部分は、組織ドラマでありつつ、犯罪や謎解きの要素もしっかりとベースに置きながら、映画ならではのスケール感、エンターテイメント性を持って作り込む。

今回のⅣは、1作目ほどの無理な設定でもなく、2作目ほどの正義感を振り回すのでもなく、3作目(あまり印象に残らないのは、当時の相棒が芸能界を去ったからではないと思いますが)と変遷する中で、2時間のスペシャルドラマではなく、映画化までして、見る人に何を与えるのか、という観点で見ると、今回はヒットだったと思います。

おそらく、小倉を中心とした北九州のロケ地の絶大なる協力、ゲスト俳優陣の顔ぶれとこだわりを感じる点でキャスティングも成功。

是非、劇場で味わって欲しい映画として成り立っています。オススメできる一本です。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。