「残業」に価値やレベルは存在する?!
日本は、仕事の生産性が低いと言われています。
工場などでは生産性を高めるQC活動を展開することや自動化に取り組み、成果を出している企業がありますが、ホワイトカラーにおいては、残業が発生するのが「あたりまえ」なことだという認識が根付いています。
残業とは、所定の労働時間(就業規則)を越えて働く時間の為、概ね1日7−8時間の勤務時間を越えて働くことを指します。
仕事量が多くて、残業を余儀なくされていたり、オーバーワークが常態化した組織にいることで麻痺をしているケースも見受けられます。
政府は、某大手広告代理店勤務の若い女性の過剰な残業をもとに自殺をした事件を元に、今まで青天井になっていた長時間労働(残業過多)に適正な制限を設けようとしています。
残業時間の上限を繁忙期も含めて年間720時間、月平均60時間とする方向で調整に入っているそうです。
忙しい時には月最大100時間という案を、というニュースが取り上げられいました。
残業の問題とは、長時間労働だけを指す?
残業代に割増し賃金を払う、払わないということで、ブラック企業なのかという議論もありますが、そもそも、割増し賃金を受けるほど、生産性や価値のある仕事を残業時間に取り組めているのでしょうか?
既に一定の時間は働いた上での、残業時間です。
当然、人間の脳も身体も疲れを伴っています。その際に、行う労働の価値が高いと認めてもいいのでしょうか?
たとえば、21時、22時、終電まで働く人、会社組織はあります。
就業規則の時間以降にミーティングを設定する会社もありますから、時間の感覚が麻痺していると言えないでしょうか。
1日の働いた時間と業務内容を振り返ると、実は、無駄な作業、打ち合わせ、休憩(タバコの一服)などをどれぐらい含んでいるのか考えたことはありますか?
もし、監視モニターで自分の一日の労働時間と業務内容を分析したら、不要なものが出てくるはずです。
そこを削減すれば、本質的にやらなければいけないことに集中できます。
それでも、オーバーワークになるとしたら、やり方・やらせ方の問題なのか、担当個人のスキルやタレント・キャラクターの問題なのか、人員リソース不足の問題なのかが明確になってくるはずです。
政府の議論には、長時間労働は時間の枠を設定することで産業界とも、労働者とも折り合いがつくというスタンスが見受けられますが、発想の出発点が間違っていると感じます。
時間は、個人において、有限なものであり、かけがえのない存在である。
オーバーワークに、ワーカーホリックに、そこにだけ生き甲斐を感じる人を止めるつもりはありません。
その方は、個人の時間の価値を働くことで満たされているタイプなので認めてあげましょう。
ただ、本音としては、仕事以外の時間に価値を見出した生き方をしたい人に、長時間労働を課すような環境は是正すべきなのです。
ホワイトカラーの無駄を減らすということは、究極的には、深夜タクシーやハイヤーで帰る霞ヶ関の優秀な官僚の皆さんや関係者にも心がけて欲しいことだと、私は考えています。
残業について深い考察を進めている私の目に飛び込んできたのは、Facebook友達の上田恭子さんの『三流残業をやめて 幸せになる技術』でした。
上田さんご自身の人生から生み出された素敵な一冊。
途方もない借金を抱えて、必死に働き始めるヒストリーからのサクセスを語るのかと想像していました。
ストーリー仕立てで読むビジネス書は、海外本から展開されている傾向がありますが、登場人物と中身に集中することで、親近感が枠という点で、優れていると思います。
この一冊も、舞台は経理部に努める悩める若い女性、植村さんの成長物語です。
メンターに相当する人物と接していくのは爽快感が残りました。
『自分のセルフイメージを高め、学び、行動し続けること』
どうして、三流残業をやっているのか、一流残業とは何なのか。
どんな働き方、生き方が人をいきいき、ワクワクさせていくのか。
経理部で働く方以外でも、残業に疲れているビジネスマンには、一度、読んで考えてもらうには、とても良い本だと思います。
上田さんの人生と思いが詰まっています。オススメできる素敵な一冊です。
「残業なしで社員が幸せに働き、利益を上げ続ける会社」を世の中に増やすため、情熱的に活動を続ける、上田恭子さんを応援していきたいと思います。
<残業しない・減らす本>
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。