大ヒットする映画だけが全てじゃない!
メッセージ性が強く、各地を回って、コツコツと伝えていく映画作品にだって、十分に価値がある。
「ノルマル17歳。ーわたしたちはADHDー」は、偶然知った作品ですが、十分に深く考えさせられて、個人の特性との向き合い方、社会・周囲との関係性を見つめられる良作でした。
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今時、どこにでもある世界なのに、どうしても難しい
本人の特性として、ADHDがあって生きているという自覚がある若者は、何を感じてどう生きているのだろうか。
今時なら、どこにでもある世界なのに、どうしても難しいと感じてしまうもの。
だからこそ、この映画は最後まで見入ってしまう作品なのだと思います。
「ノルマル17歳。ーわたしたちはADHDー」ストーリー
映画のストーリーをどう語ればいいのかといえば、公式サイトのストーリー欄を引用にする限ります。
進学校に通う絃(いと)はまじめな子であったが、発達障害のひとつであるADHDと診断されており、ひどい物忘れで生活や学業に支障を来していた。
重要なテストの日、絃は目覚まし時計をかけ忘れて寝坊してしまう。ショックのあまり絃は登校せず、いつもは行かない道をさまよって見知らぬ公園に来てしまう。
そこで突然、茶髪で派手なメイクのギャル女子高生・朱里(じゅり)に声をかけられる。
「何してんの?」「あ…今日は寝坊して」
「あたしなんかほとんど寝坊か欠席。学校行ったけど落ち着かなくて帰ってきた。あたし発達障害あってさ。ADHDっての。知ってる?」
いきなりADHDだと言う朱里に驚く絃。朱里は強引に絃を街へと遊びに誘う。
古い商店街や裏山が見渡せる公園、野良猫たち。 普段は家と学校の往復しかしない絃にとって、それは新鮮な世界であった。朱里と絃は友達となり、後日も遊びに行くが、絃の母に見つかってしまう。
絃の母は朱里の派手な身なりに不快感を持ち、朱里との交際を禁止してしまう。一方で朱里は、自分の物忘れで姉との喧嘩が絶えず、両親からも厳しく言われて家庭内で孤立していた。
やがて朱里は絃とのメッセージのやり取りもやめ、次第に部屋に引きこもっていく。朱里と絃との距離は次第に離れ、再び元の日常に戻りつつあったが…
ギャルと真面目な女子高生がADHDを抱えながら周りに理解されないで生きている辛さを、見事なまで演じ切っている作品でした。
特性を家族も周囲も理解できるわけではない
発達障害やADSDは、社会認知度は広がってはいるものの、当事者もさることながら、家族も周囲も理解できているわけではない。
いわゆる、普通の感覚や生活、コミュニケーションが成り立たないことで、ギクシャクする関係性は生まれてしまうもの。
どうして、ここまで、この特性ある人々が増えたのか、誰もがうっすらと持っているはずの何らかの特性が謙虚になると、この世は生きづらいことはこの上ない。
薬や治療を経たからといって、寛解するとは限らないし、どうやって世の中を生きていけばいいのかは難しい問題が残る。
周囲も頭では理解できても、身近な存在だと正直対処に困ってしまう。
お互いが理解しきれないことにストレスをぶつけてしまうのではないだろうか。
知人も気がつけば特性があった
私の知人も、少し変わっている人というには、水準が違いすぎていたことは明らかで、周りから診断・検査を勧めれて、ADHDと診断された。
本人は納得していたものの、やはり、周囲とうまくやることに疲れてしまったようで、休職するような流れに至った。
こちらも、相手の特性が理解できれば、その場面で起きていることに理解が及ぶのだけれども、正直、時と場合によるのが現実。
イライラさせられないかといえば、そんなことはない。
女子高生の二人はどんな大人になっていくのだろうか
ノーマルではないとされる二人の17歳の女子高生は、今後、どんな大人になっていくのだろうかと想像してみる。
少し変わっているところがあるというキャラクター設定だけで世の中を渡るのはなかなかしんどい場面もあるのではないだろうか。
もっと、世の中が寛大で、情報量も少なく、スピード感も今ほど求められず、ゆるやかで許されている時代ならば、生きづらいとまで感じることはなかっただろうに。
家族と離れて一人暮らしを始めたり、社会に出たら、苦労を味わうことは間違いない。
本当の意味で、インクルーシブな社会にならない限り、彼女たちは生き生きと過ごせないのではないかと、将来を想像して不安は残りました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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