池井戸潤作品の舞台は、なぜ、ブラック企業と呼ばれないのか?

「陸王」の[こはぜ屋]、「下町ロケット」の[佃製作所]に共通するもの

私は、テレビをほとんど見ない生活にシフトしています。ゼロではないものの、バラエティ・お笑い、ワイドショー系、特番などは見てません。(アニメは、たまに子供に付き合う程度)
定番ドラマやドキュメンタリー、インタビューなどは録画して、CMをスキップして見る程度です。(気になるスポーツイベントは別格ですが、ネットニュースで間に合わせてます。

数ヶ月前から、新聞の定期購読も辞めたので、番組表を見ないので、テレビが気にならなくなりました。見逃しても、知らなくても悔しくないのです。
テレビっ子だった私にしては、コペルニクス的な大変化です。

だからと言って、YouTubeにハマることもありません。必要なことがなければダラダラと見ないですし、ユーチューバーの存在も良く知りません。

そんな私が、今、欠かさずに見ているのは「相棒」と「陸王」。

「相棒」は水谷豊好き、杉下右京マニアな部分があるので、秋冬のお楽しみですが、以前ほどの熱がないので、見逃しても残念な気持ちにならなくなりました。

今、一番楽しんでいるのは、日曜21時TBSドラマ「陸王」です。

池井戸作品+TBS日曜枠は強い!さらに、役所広司の演技力が最高!走るシーンも多くて、視聴者のテンションは上がりまくります!!

池井戸潤のドラマに関しては、以前の「下町ロケット」の際に、東洋経済オンラインでも記事にされていた情報を見つけました。

‪・なぜ日本人は池井戸潤ドラマに惹かれるのか 今年4本目の「下町ロケット」に注目も | テレビ – 東洋経済オンライン

今回の足袋製造業「こはぜ屋」は、小さな会社だけに、従来の足袋製造に加えて、ランニングシューズを作るという業務が重なり、従業員は残業を過剰にしていく。ただし、どうやら、残業代を払われている気配はない。

ここだけを切り取れば、今風に言えば、「こはぜ屋」はブラック企業と決めつけられてしまう。同じように、「佃製作所」が挑んだロケット作りの環境も、ハードワークを強いられていたので、ブラック企業と断罪されかねない。

阿部寛の熱い演技。中小企業が大企業に挑むストーリーは誰もが入り込める内容でしたね。懐かしい。

ただ、視聴者(読者)は、この部分に意識を向けない、むしろ、必死に頑張る経営者と、それを必死に支える従業員の姿に感動すら覚える。

働き方改革や、ワーク・ライフ・バランスなどのお題目、過労死や過労自殺問題などからすると、この不思議な違和感は残ってしまう。

もちろん、池井戸潤の作品がエンターテイメントとして成立しているという意見は正しい。

ライバルや大きな敵に挑むのだから、全力でぶつかる為に、働き方をセーブしている場合ではない。

やりきらなければ負けてしまう、潰れてしまうなどの究極的な状況に際して、トップ自らが陣頭指揮を執り、姿勢と言葉を投げかけることで成り立っている。

世間の過労死や自殺の現場では、経営者まではエスカレーションせず、各個人と組織の範囲内での狭い世界で収まっている。

つまり、個人や小さな組織単位に向けた過重な残業は、全体に伝わっていないので見えていない。

また、個人、フリーランスなどの立ち位置で踏ん張る人の姿も周りには伝わっていないケースが多い。

一体感のある、お祭りみたいな雰囲気でのオーバーワークは、熱狂状態にいることで、乗り切れるテンションなどが生まれている可能性が高い。

働き方改革とは、労働時間の制限やコントロールだけを指すのではない

働く意味や求めるゴールに向けて、頑張る意思やモチベーションを抱いて、仲間と支え合いながら、立ち向かえる場合は、追い込まれている感覚が麻痺するのかもしれない。

長期的な意味で、このブラック企業的な体質が恒常的になっては、働く側の身が持たない。どこかで、踊り場を迎えるだろうし、理解が伴わず離れていくことも想像できる。

日本人が所属する会社組織に関してドライになり、割り切って働くような時代になったからこそ、池井戸潤の分かりやすい二項対立、熱を帯びるエンターテイメントな世界に浸り、心が揺さぶられるのだろう。

経営者を演じる主役の暑苦しい、熱い表情を見るだけで、強く引き込まれていく。

いまどき、ここまで本気な姿勢を従業員に見せられるTOPは、どれぐらいいるのだろうか?

スタートアップやベンチャー企業の創業者ぐらいしかイメージが湧かない。

耳触りの良い言葉で、従業員や株主、世間に向けて穏便に伝えようとすると、その裏には、別のものが隠されているのかもしれないと疑うようになったのは、不正を働いてでも利益を出すことに全力を注がざるえないことが要因かもしれない。

個人的には、経営者が明確なビジョンを持ち、常に丁寧に語りかけていく「本物」しか生き残れない用に変わっていくのだと予測しています。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。