福島第一原発の吉田所長は立派なリーダーだったが、パーフェクトではない

リーダーの価値は、危機的状況に陥った時に、決定的に分かれます。

どんな判断をして、どういう行動をするために、覚悟をするのか。

福島第一原発の吉田所長のリーダー像を語る一冊を読んでみました。

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福島第一原発の吉田所長を本店に逆らう現場の英雄にしてはいけない!決断は賞賛するが導き出した結果は別!

東日本大震災、福島第一原発の放射能汚染事故から7年近い月日が経とうとしている。
あれほど、誰もが自粛し、絆を謳い、家族や仲間を大切にしつつ、不安を抱えた毎日を思い出すことは、3.11だけなのだろうか。

福島第一原発は、震災と津波により、電源を失い、メルトダウンしてしまった事実は誰もが疑いようのない事実。

故・吉田所長は、東京の本部、本店と政府に逆らい、原発に海水を注入させたという判断が英雄のように語られていた時期がある。

はたして、それは正しいのだろうか。彼と彼の部下たちが必死になっていたのは、本当は、制御不能な絶望の淵と混乱があり、判断ミスをしていないのだろうか。

そんな疑問が私の頭の中に芽生えたので、一冊の本を読んでみました。

福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」』NHKスペシャル「メルトダウン」取材班

時間が立ち、彼が調査報告で語ったことや時系列に問題を検証するというスタンスを追うのは、NHKスペシャルの「メルトダウン」取材班。彼らが番組に仕上げつつ、丹念に調べている。

イソコン(アイソレーション・コンデンサーの略)という非常用冷却装置の存在をあの当時も、この本を読むまでも全く知りませんでした。原子力関連を学んでいたわけではないし、複雑な装置や原理を理解することはできない部分は避けられないのでしょう。

本来、起動して活躍するための装置を訓練で使わないという選択を続けてきたのは事実。
色々な事情はあったにせよ、安全を捨て去っても構わないという判断に繋がったとするならば、明らかな人災の要因が伺える。

格納容器の中の状況が分からないような事故は想定外だったという主張はわかります。

ただし、地震大国の日本で、大きな揺れや津波を無視して設計したり、複数の原子力発電施設が同時に事故に陥るケースを想定していなかったとすれば、設計者も運用者も怠慢があったと言わざるを得ない。

必死に海水注入で戦った彼らの努力は、実際は、本来の目的として冷却することはできずに、将来世代に向けて大きな負債を残してしまっている。

個人だけ、組織だけの問題ではない。非常時に対するシナリオ設計が足らないのは、想像力の欠如なのではないかと、私は考えています。

私は、このレベルの事故を想定しておかなかったことが、「失敗の本質」だと捉えています。それは、東京電力や国という側だけの目線でなく、現場で働く技術者の能力でもなく、便益を受けている一般人である私たちが、理解しようとしてこなかったツケなのです。

吉田所長の疲労という目線まで取り入れて、当時の状況を把握しようとする真摯な姿勢によって支えられている一冊だけに、頭が下がります。

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このような重大事故を繰り返さないためには、完璧なシステム、組織、個人なんてどこにも存在しないという事実を受け入れて生きていくしかない。

非常時において、的確に対応できるには、どうすればいいのか。

平和で落ち着いた日常が長いと感じているからこそ、油断や手抜きなどの問題を生み出しているという事例をどれだけ見せられてきたことだろう。

このままでは、また、同じような失敗を繰り返してしまう。この事実を深く受け止める日本人が増える世の中にしてきたいと思う。

<福島第一原発事故「メルトダウン」の原因はどこにある?> 

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。