レベニューマネジメントを知り、トラベルビジネスのマーケティング戦略を考える
2018年8月16日(木)新宿荒木町で「第4回 ケーススタディーで学ぶマーケティング勉強会」が開催されました。
今回のテーマは「トラベルビジネス」を取り上げ、HISと星野リゾート、生き残るのはどちらかという内容でした。
今回は、今まで知らなかったレベニューマネジメントについて、理央周さんから詳しく解説を頂きました。
繰り越ない在庫、固定化された供給量、など他の業界や分野とは違う、航空会社やホテルに関連する考え方でした。
レベニューマネジメントは、アメリカンエアラインやユナイテッドエアラインなどの航空会社が、収益を最大化(最適化)するために導入したビジネス戦略です。
定義としては下記の通り。
正しい在庫を正しいお客様に正しい時に正しい料金で販売すること
繰り越せない在庫と固定化された供給量
特徴的なのは、サービスは繰り越すことはできない商品であるという点。ある時に売らなければ、それにより収益をあげるチャンスが失われるということにあります。
在庫を抱えておくという考え方が成り立たず、その時に、その数しかない、という点とともに、売れるとしても販売する供給量を大幅に増産・増設することもできないという固定化の問題も残ります。
同時に、事前予約と大幅に変動する時期による需要予測をもって、適切なコスト・料金設定が求められます。
もちろん、内的な要因だけでなく、周辺の環境や状況によって、大幅に変動するので、需要を正確に把握することは難しいと言わざる得ません。
同じ席や部屋であっても時期によって価格が変動するのは、需要と供給のバランスによって決まります。
前日と今日、今日と明日では、価格が異なるので、必ずしも販売タイミング後に価格が下がり続ける一般的消費財とは異なる特徴が存在しています。
お客様との関係性をどう築くのか
ここで大事になるのは、サービス提供事業者側と、お客様の関係性です。
初めて利用するお客様と、何度もリピートしてくれるお客様にどのような違いを設定するのが最適なのか。
新規客にとって他と比べた魅力がなければ、ビジネスとして成長は厳しくなります。では、リピート客だけにターゲットを絞るというのは、付加価値なサービスを提供しても離脱を防げない点が響きます。
このバランスなども考慮しながら、お客様とどのような関係を築くのが良いのか。
ホテル周辺に価格帯が似た新規ホテルができたとしても、お客様に定宿として利用してもらうためには、お客様のニーズを確実につかみ続ける必要があります。
お客様にとって心地よいサービスは、均質だけではなく、特別感も含めた関係性がなければなりません。
既存のお客様が口コミで、新しいお客様を連れてきてもらいたいならば、深い関係性は大切なのはわかります。
ただ、一生に一度しか泊まれないお客様だとしても、忘れられないエピソード記憶に残るホテルとして存在感を示すことも可能です。
お客様がいったいどんなサービス、価値を求めて滞在、利用しているのかということを想定しておかなければ、均質的なものであれば、価格競争に追い込まれ、今後は民泊などの影響も受けると、は生き残るのは難しいと考えられます。
ケーススタディーとしてHISと星野リゾートを対峙してみる
今回、ケーススタディーはHISと星野リゾート。
知名度はあるものの狙いは違うような感じがします。2チームに分かれてお互いに、それぞれの立場でマーケティング戦略を考えてみました。
HISの場合、ロボットが接客対応などをする「変なホテル」を軸に考えてみたものの、彼らはホテル以外のセットとして低価格な航空券など特徴をもっています。
狙うターゲットは、ビジネス以外の国内・海外の旅行客と設定。
物珍しく、誰かに話せるネタになる新しいスタイルを体験してみたい方に向けて、より目にする媒体でアピールをするという考え方を出しみました。
軽井沢発で100年企業の星野リゾートは、他では味わえない体験や思い出を家族や親しい人とゆったりと過ごすようなコンセプトを感じます。
家族連れなどが、星野リゾートで過ごすことは忘れられない思い出になる。何度もリピートすることはないかもしれないけれど、きっと、誰かに、伝えたくなる場所と経験。
両社とも生き残るために、色々な工夫を続けているという共通点があります。
老舗旅館とか高級ホテルという、競合の多いコンセプトとは異なります。
それだけにファンを作り続けることは、チャレンジであり、成功と失敗を繰り返しながら、変化を止めないトラベル(ホテル)ビジネスなのは間違いありません。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
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