『平家物語』の冒頭の文章って、いつ読んでも素晴らしいと感じます

平家物語の冒頭部分は最高の教訓に溢れている

有名な古典『平家物語』は冒頭部分が、人生を感じられるフレーズがあります。

誰もが学生時代に覚えた、言葉を思い出してみましょう。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ。(『平家物語』第一巻「祇園精舎」より)

文章のリズムもいいのですが、その伝えたい内容も深く、誰もに突き刺さります。

現代語訳にしてみると、色々なケースが頭に浮かびます。

祇園精舎の鐘の音は、「諸行無常」、つまりこの世のすべては絶えず変化していくものだという響きが含まれている。沙羅双樹の花の色は、どんなに勢い盛んな者も必ず衰えるという道理を示している。世に栄えて得意になっている者がいても、その栄華は長く続くものではなく、まるで覚めやすい春の夜の夢のようだ。勢いが盛んな者も結局は滅亡してしまうような、風の前の塵と同じである。

例えば、最近のスポーツ団体の幹部と選手との関係がクローズアップされて、問題になっています。組織である以上、ライバルもいたでしょうが、勝ち残って、幹部(理事など)になって、自分の思うがままに振舞います。

ある意味、エゴイストであり、自分都合で組織を動かす以上、権力を持った言動により、相手を著しく傷つけることが生まれて、昨今の話題になっています。

団体の幹部は、現役時代選手として活躍したか、その団体が成長するために尽力を注いだ人物です。

世に栄えて得意になっている者がいても、その栄華は長く続くものではなく、まるで覚めやすい春の夜の夢のようだ。

また、ピークを超えたアイドルやタレントなどの芸能人が、社会的に許される範囲を超えた行動をして、迷惑をかけるケースがある。

飲酒運転による交通事故、未成年者への不適切な行動、などと聞けば、「元メンバー」という肩書きによって、世に語れる存在になる。

彼らも、ピーク時は、猛烈に忙しく、誰もが羨むようなスターとして扱われていた時期があります。時代の追い風やブームに乗っている時と、下り坂で静かに過ごすステージは違うものだと捉えれば、良識のある個人として生きていくのが普通にならなければなりません。

勢いが盛んな者も結局は滅亡してしまうような、風の前の塵と同じである。

大手有名企業、スポーツのスター選手、政治家など影響力が大きな存在もピークとそれ以降は大きく異なる存在です。

滅亡という意味では、倒産・解散、失脚、引退などの時期は避けられないもの。

謙虚に時代の移り変わりの中で、消えてしまう存在なのかも知れないとしたら、誰もが儚い人生とも言えるかも知れません。

「我が世の春」があれば、次は夏、秋、冬と季節が変わるようなもの

『平家物語』に出てくる「平家でなければ・・・」という傲慢な言葉を吐きます。

誰にだって、絶頂期はあるものです。
体力的なのか、モテモテな時期なのかは、人それぞれですが。

このピークの時は、どうしても「我が世の春」として感じるので、横柄な振る舞いになりがちです。

結果、誰かを傷つけても無神経で過ごせてしまいます。

春の次は、夏、秋、冬と季節が巡っていきます。

周りにいる顔ぶれ、評価ともに変わっていき、「我が世の春」が過去の栄光になった瞬間、人は謙虚に生きるタイプと、現実とのギャップを受け入れられないタイプに分かれます。

前者は問題ありませんが、後者は、かなり痛い印象しか残らない存在。

ただ、結果として地位があれば、横柄であり続けられるような気がしています。

既に、下り坂を歩いているので、本来は、道を後身に譲り、身を引くようなスタンスが大事なのですが、引き際ほど難しいものはありません。

結果として、強引に引きづり降ろされることになり、醜態を晒すという哀しい展開になると、いたたまれない姿になります。

人生の教訓は、『平家物語』の冒頭のようなもの、とインプットしておけば、自分が身を引く、おとなしくして生きることが普通と感じられたら、人との接し方、スタンスが整うと思います。

最近、亡くなられた名女優、樹木希林さんの名言を受け止めています。

やったことがほんのわずかだもの。やり残したことばっかりでしょう、きっと。一人の人間が生まれてから死ぬまでの間、本当にたわいもない人生だから、大仰には考えない

人生は、やり残したぐらいがちょうどいいのかもしれません。春の夜の夢のごとし、なものですから。

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