子どもが勉強をするためには「やる気」の源泉がないとうまくいかないもの。
当然、大人だって、「やる気」がキープできないと成果につながらないという経験は、なんども味わっているはずです。
今回、伸学会の菊池洋匡・秦毛一生『「やる気」を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法』を読んで、ARCSモデルを学んでみました。
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勉強に夢中になれなかったことを覚えている?
子どもの頃、勉強が大好きだったと胸を張って言える人は、この先を読まないでください。
遊びやゲーム、こだわったものに夢中になっていたとしても、勉強に無我夢中な子ども時代を過ごせた人は少ないはず。
受験とか、最初からゴールが明確になっていない限り、よほど興味が持てない限り、義務感のように勉強をしていたという子どもが一般的でした。
やる気を分解するARCSモデルを把握して、勉強する子どもと接してみる
『「やる気」を科学的に分析してわかった小学生の子が勉強にハマる方法』の中で語られていた、ARCSモデルとはいったいどういうものなのでしょうか。
ARCSモデルは学習意欲(やる気)を、注意(Attention)、理由(Reason)、自信(Confidence)、満足感(Satisfaction)の4つに分類したものです。これは、アメリカの教育工学者 J・M・ケラーが、心理学における動機づけ(やる気)研究をまとめ上げた、一種の集大成とも言えるモデルです。要するに、「やる気の源は大きく分けると4つのパターンがありますよ」ーーーということです。
勉強に「ワクワク」させる Attention
勉強というと教科書などのテキストとノートに向きあうという前提だと、誰だって面白いとは感じないもの。
そこで、クイズやゲームのようなアプローチに変えたり、一緒にで歩く場所を科学館や博物館にしたり、YouTubeやアプリなどを上手に利用することで、興味を持たせるというアプローチ。
確かに、遊びの延長のように感じられたら、義務のようなやらされ感に苛まれることはないでしょう。
とにかく、親も含めた周りの大人も一緒に楽しんで学べる環境や準備を整えることが、最初には必要だという考え方、アプローチです。
勉強に「やりがい」を感じさせる Reason
子どもも自分の意思で取り組めば、やる気、やりがいが生まれるという考え方です。
ここは、「報酬」「自尊」「関係」「実用」「訓練」「充実」などの6つの動機ポイントを使っていこうとするのは、おそらく大人でも同様に使えるノウハウのように感じます。
ここで面白かったのは、子どもの脳を2階建てに考えるというエッセンスでした。
1階の脳は直感的な本能的な処理を行い、今ここだけに集中して、無意識かつ並行処理を行い、長期記憶が含まれるものなどで、感情や雰囲気を読むなど言語化に限界があるものとしています。
重要になってくるのは2階の脳。こちらでは、意識的で集中力が必要で、メタ認知や心の監督ができて、未来や過去などを考えたり、短期記憶などが含まれるもの。
この2階の脳を動かすことで、勉強への取り組み方、やりがいを生み出すことになると語られています。
目標を子ども自身に設定させて、思考力を磨くために、親が有効な質問を投げかけるという方法は、納得できるものの、全ての子供にスムーズに当てはまるかは疑問があります。
「自分もできそう」と思わせる Confidence
実は、ARCSモデルの中で、一番難しいのは、Cだと感じました。
「やればできる」と、「どうせやってもムダ」という思いの天秤の中で、子ども自身も、親も揺れ動き、言葉にしています。
「簡単じゃない」「お前には無理」など安易に予測を持って伝えすぎます。
どうしても、大人は「結果期待」に意識が向きすぎてしまい、ハードルを下げる「効力期待」に切り替えることができないものです。
ただ、自己肯定感が高い子ども(大人)は、最終ゴールとしては高いところまで到達できるか、どのように人生が展開しても満足感を持って暮らしていけるのは間違いないでしょう。
「勉強してよかった」と実感させる Satisfaction
そして、最後に、最も大切なのが褒めてあげるということ。
親のハードルが高くて、完璧主義だと、あらを探して、足りない部分を指摘します。
ここは親の心持ちと自分との比較から生まれる感情なのでしょうが、相手のできたこと、頑張れたことに対して向き合って褒めてあげるだけで、本人はその先まで頑張ろうと意識するわけですから、結果や到達度の高さだけで子どもを評価するのは控えたいものです。
子どもにとって勉強への「やる気」を出す方法は周りがサポートしないといけない
子どもは、当然、知らない世界、知識などをどんどん吸収していく存在です。
当然、やる気の出し方も、習慣の身につけ方も知りません。
それだけに、子どもの周りの大人たちである、親(教師、習い事の先生なども含む)が、しっかりとサポートしてあげることが大切です。
子どもによって差は出ますし、うまくいかないケースは腹立たしく感じる気持ちはよくわかります。
ただ、しっかりとやる気の持ち方をセルフコントロールできるような育て方をすれば、どの分野に挑む大人になるにせよ、諦めずに前に向かって挑めるようになることは理解できます。
やる気を出すには、ライバルよりも級、ポイントの方が効果的だった
私は、子どもの頃、一人っ子だったこともあり、兄弟間で競わせられることはありませんでした。
また、従兄弟の中でも、一番年下だったため(20歳以上も違う従兄弟は、親世代と一緒でした)、身内での比較対象が存在しませんでした。
それだけに、何かあると、友達をライバルと思って、競おうとしていた記憶があります。
でも、これは、相手の頑張りや成果などというものはコントロールが効かないので、やる気のコントロールが他責になりがちなのです。
一方、習い事などで級やクラス分け、我が子であれば、ポイント取得などの方がわかりやすく、次のステップをいつまでに、という目に見える形になるとテンションが上がります。
多少停滞することがあっても、その先に向かって、チャレンジしようという意欲が生まれます。
家庭内外で、どのように、子どものやる気を促すのがベストなのかは、それぞれ異なるでしょうが、最適なものを見つけてあげたいものですね。
子どもの様子を注意して、勉強にハマるアプローチに工夫をしてあげよう
画一的なやり方で、何かの手法で必ずやる気や成果を出せるというのは、強引すぎます。
子どもの様子を注意深く見守って、何が子どもにとって、やる気を促す要素なのかを見出してあげるには、ARCSモデルはヒントが多く含まれています。
この本を書かれた「伸学会」」という中学受験専門塾が、ここまで、アカデミックな情報まで調べて分析しているということは、科学的に最適な指導法を子どもに応じて実践していることが伺えます。(参考文献が多く、海外の研究成果を踏まえてしっかりとしています)
子どものやる気があれば、全てが解決して明るい未来を約束するわけではありませんが、チャンスは広がるのは間違いありません。
この本は、子どもの勉強へのやる気に悩む親世代にはヒントが感じられるオススメの一冊です。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。