あなたにとって、いつまでもかっこいい存在である人物っていますか?
私は、ミスター・ラグビーと呼ばれた平尾誠二は、亡くなった今も、かっこいい存在に変わりありません。
ラグビーW杯2019年大会の直前に出版された『平尾誠二 名言録 人を動かす120の言葉』を読みながら、彼の足跡と言葉を振り返ってみました。
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かっこいいのは順風満帆な人生ではないスターだから
平尾誠二(1963-2016年)さんが、かっこいいと私が感じるのは、プレーヤーとしての華々しい活躍だけでなく、挫折や苦しみも伝わってくる人間臭さと、そこから紡ぎ出す言葉の数々が、胸に刺さるものが多いからだと思っています。
もちろん、表向きには見せている姿と、実像には違いあるのかもしれないですが、全てが大成功にならなかったからこそ、光る部分を感じます。
自分の人生を生きるんだ!という姿勢こそが最大の魅力
僕の人生は、平尾誠二にしかできない生き方をする場なんです。
中学でラクビーをはじめて、伏見工業のラグビー部監督の山口良二さん(スクール・ウォーズのモデル)に見出されて、全国高校ラグビーで優勝するという華々しい道を歩んでいく、平尾さんの人生。
次に、進んだ同志社大学でも大学選手権3連覇を果たし、英国留学。
どう見ても、スーパースターの人生に見えます。
1985年、留学直前に受けたファッション誌の取材記事がアマチュア規定に反すると、アマチュア資格停止処分になっています。
当時、ラグビーはアマチュアイズムの強いスポーツだったので、このペナルティは致し方ないのかもしれません。
英国でデザイン学校入学する道を断ち、汚名返上のため、所属チームを探していると、神戸製鋼の専務に出会い(英国で!)、勧誘されるという展開に人生がドライブしていきます。
1987年には、第1回ラグビーW杯出場を果たし、神戸製鋼では7連覇。
現役を引退しないまま、日本代表監督に就任。神戸製鋼ではゼネラルマネージャー(GM)を務めます。
この華やかなの裏で、実は、W杯では、ジンバブエに1勝をしただけであり、代表のキャップ数も35。7勝27敗1分の成績です。
第4回ラグビーW杯では、3連敗で予選敗退。
監督就任時、日本代表として史上初の外国籍選手、アンドリュー・マコーミックを主将に任命。
ここでも、純血主義だった日本代表に国際化を受け入れる土台を作っていますが、批判は受けていました。
日本らしかったから負けていた、と言うべきなんですよ
監督として、外国人選手を6名入れるという英断。
未来を見据えて、ラグビーの未来、スポーツによって社会を変えたいという夢を抱えて、派手になりすぎずに、走り抜けた人生を送った、平尾誠二さん。
彼でしかできない人生を歩んだと胸を張っているのではないでしょうか。
日本でのワールドカップ開催を楽しみにしていたのに
人生は皮肉なもので、、ミスター・ラグビーも心から楽しみにしていた、W杯2019の日本開催前に、この世を去ってしまいました。
前大会の解説やゲストとしてテレビに映る顔を見て、歳をとったのか、疲れているのか、という疑問を感じたのは私だけではなかったはずです。
2016年10月20日、享年53歳で永眠。
彼が現役の晩年でありながら、日本代表監督に就任したのは驚きでしたが、日本人の考え、体力だけでは世界と戦えないとわかり、外国籍の選手をメンバーに加え、今や、ヘッドコーチ(いわゆる監督)は外国人と、コーチングスタッフも日本人に限定されていません。
彼を指導者として温存していたら、おそらく、世界レベルに到達するには、もっと時間がかかったのでしょう。
全力を尽くし、創造的破壊(平尾誠二さんも念頭に置いていた考えだったそうです)を繰り返しながら、成長していくために、自分ができることを全力で実践し、声の大きすぎないリーダーだった、平尾誠二さん。
天才でありながらも、普通の人間だったと感じる名言は、大学4年間を振り返ったことを語っているときに残しています。
失敗したら、しゃーない。取り返せばいい。
激しく、厳しい言葉ではなく、ラフで自然体すぎる一言。
関西弁でチャーミングに話す姿は印象深いです。
勝つことが義務になるとつまらないですわ。
『平尾誠二 名言録 人を動かす120の言葉』の中で、取り上げられる言葉は、本音も本質もコンパクトとに伝えています。
平尾誠二は、人を動かす「スタンドオフ」な生き方だった
彼の人生を知り、言葉を知ることで、実力・魅力があり、チームと人を動かす「スタンドオフ」そのものな生き方をされたのだと考えます。
戦略をもち、ギャンブルやチャレンジをして、失敗することがあっても、受け入れて、次に向かう男。
失敗しても、次に生かせばいい。
ゲームメイクは、どうすればうまいくのか、勝てるのかを考えていく頭脳にあります。
知の人でありながら、優しさと情もあるのに、いつも冷静に行動をしていく姿。
彼の存在がなければ、日本にラグビーというスポーツが認知、理解されて、ファンを作ることはできなかったでしょう。
求められれば、できることはなんでもやっていた平尾誠二さん。
もう少しだけ、この国の中で、スポーツによる社会変革を目指して走って欲しかったものです。
◆ 第3のリーダーシップ論『求心力』を読みながら、ミスターラグビー平尾誠二氏を思い出す
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。