定年後の人生は年金だけで悠々自適に暮らせるというのは、過去の物語。
寿命が伸びて、年金などの社会保障額が減っていきそうな局面で、なんとかするには、年齢に関係なく稼ぎ続けるしかない。
ただ、体力も、意欲も、スピードも落ちていそうな高齢者になって、どうやって稼げばいいのでしょうか。
認知症専門医・ライフドクターの長谷川嘉哉さんの『一生稼げる脳の作り方 定年に縛られずに自由に生きていく「お金」と「健康」と「働き方」の話』を読んで考えてみました。
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定年ってサラリーマンや公務員にだけ設定された形式ゴール
定年は、サラリーマンや公務員だけに設定された、働くことを辞める期限だと思わされていませんか?
今、60代、70代、80代であっても、バリバリに働く人もいれば、無理のない範囲で楽しく働いている方もいらっしゃいます。
生涯現役なんて、自営業や一部の人たちだけ、と考えているとしたら、時代感覚とズレていますよ!
認知症予防と老後貧困に陥らないために、生涯働いて稼げ!
自分の祖父母などの世代を見ていると、老後は悠々自適な姿で、のんびりと時間を過ごしている姿を見た記憶はないでしょうか。
現役世代ではなくなるということは、スローペースでゆったりと暮らすのが当たり前。
年金と預貯金で暮らしていけたのは、もはや過去の伝説に過ぎません。
『一生稼げる脳の作り方 定年に縛られずに自由に生きていく「お金」と「健康」と「働き方」の話』を読んでいくと、納得のいく説が述べられています。
60歳、65歳という定年後の人生が20年以上あるとしたら、その間に、蓄積した資産と年金だけで暮らしていくには無理があることが証明されています。
定年後も世帯年収500万円をキープして生きるためには、現役世代で、さまざまな準備を行い、資産を残して、年金をもらっても足りないというシミュレーションが提示されています。
つまり、年収として500万を稼ぐというよりは、世帯収入の目安として、500万円にするためには、働くこと(不労所得という道は別途ありますが)でしか賄えないわけです。
また、大事なのは、働くという意欲を持ち続けることが、認知症予防効果としても重要というポイント。
脳を衰えさせないためにも、一生稼げる状態を意識した人生設計は不可欠です。
ライフプランが、結婚、住宅、教育費が優先されてしまう現役世代が多い
よほど、臆病で慎重な人でない限り、若いうちは、結婚をする、しないが人生を左右するターニングポイントになります。
結婚式や新婚旅行などは、短期間で、お金を消費しまくる大イベントです。
その前に、就職がある、という話はありますが、現在は転職が自由な時代なので、変化は、いつでも、何度でも起こせるのでターゲット外とします。
結婚によって、生活スタイルや環境は激変しますが、同じタイミングで、住宅の問題も起こります。
どこに住むのか。賃貸か、持ち家か、という議論に巻き込まれていきます。
この選択も正解、不正解はなく、家族を含めたトータルな判断に左右されます。
結婚して、めでたく、お子さんが生まれると、ここから養育・教育費がかかってきます。
正直、現役世代は、ここでお腹いっぱいな状況に飲み込まれていきます。
さらに、車などのローン、生命保険・医療保険なども抱えたら、完全に自由が効かず、短期と中期のマネープランに押し殺されそうです。
この時点で、現役世代は、老後のことまでは配慮できなくなります。
しかも、数十年後の未来の話など、予測ができないので、後回しになります。
結果として、老後資産を構築する余裕がないまま、人生を走り切ると、苦しい未来が待っています。
頑張る現役世代にとって、高齢者より有利なのは、体力と健康であること。(個人差はありますが)
結果として、無理するほど頑張った現役世代は、頼りにしたいのは退職金と年金となります。
退職金は、制度変更に伴い、期待できる金額は減っているでしょうし、転職を繰り返す人にとっては、ないものと捉えるべきものです。
さらに、年金制度は、支給年齢が65歳、70歳、おそらく、将来は75歳と先延ばしされていくのでしょう。
ということは、現役世代のうちに、将来へ向けた資産運用などで準備をするだけでは足らなくなり、働いて稼ぐという道しか残されていません。
もちろん、現役世代時の工夫次第で、稼ぐのに必要な金額も違うでしょうし、培った経験やノウハウが活かせるものもあれば、アルバイト・パート的に気軽に働くのも悪くはありません。
本当の意味で、人生100年時代のライフプランを作っている人は少ないことが問題です。
『一生稼げる脳の作り方 定年に縛られずに自由に生きていく「お金」と「健康」と「働き方」の話』を読むと、不安になるというよりは、現実を受け入れて、覚悟と準備をしなければと意識するようになります。
現役で長く働いている人は生き生きしている!土台は健康と意欲
数年前に、お会いした時点で、90歳を超えても元気に活躍されていた井浦康之先生のことを思い出しました。
今でも、研修講師などの仕事を現役で頑張られている姿を見ていると、好奇心に溢れて、無理のない範囲で継続している姿には感動しました。
亡くなった、私の祖父が80代では認知症的な衰えで、体力・知力ともに不十分であったことと比べると、とんでもない開きを感じました。
他にも、70代で現役の作家として執筆活動、講演活動をされている方、役者さんなどでも活躍されている方々は、キラキラと光り輝いています。
皆さんに共通しているのは、健康への取り組みの徹底ぶり。
睡眠、食事、運動などの生活習慣をより良いものにして、無理をしていません。
新しいテクノロジーや考え方を吸収していこうという意欲の高さ、貪欲さ目を見張るものがあります。
まだまだ、自分が社会で必要とされて活躍できると自信を持たれているのです。
当然、実績とニーズがあるからこそ、働く・稼ぐを続けていらっしゃるのですが。
一生稼ぐのは苦行ではなく、悦びになればいい
どうしても、サラリーマンのように雇われる身だと、働いて稼ぐことは苦行のように感じがちです。
給料の半分は我慢料ではないかと捉えている方も多いと聞きます。
組織の都合、忖度で縛られていたら、苦行でしょうし、楽しくない仕事をストレスを抱えていたらつらいだけでしょう。
一方で、いくつになっても、楽しいと自分が感じる仕事に向かっていれば、ビジネスとして大成功とはいえないとしても、生き生きとした笑顔で働けるのではないでしょうか。
長期的な人生プランをもう一度、見直して、今やるべきこと、将来に向けて準備することを同時並行しながら、一生働いて稼げるような脳を維持していくというのは、私たちにとって必要不可欠なものだとする、『一生稼げる脳の作り方 定年に縛られずに自由に生きていく「お金」と「健康」と「働き方」の話』は納得のできるものでした。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。