日本全国に友人がいたら楽しいに違いない!
毎日が友人の誕生日だったらお祝いの言葉を毎日伝えられる。
どこまで友人が増やせるだろうか?
二十歳頃の私が考えた作戦が「メル友」を増やすでした。四半世紀前の話を振り返ってみます。
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電子メールのコミュニケーションはデジタルというより、アナログの延長だった
単純な話、スマホ(携帯電話)も、SNSもなかった時代、電子メールはデジタルツールというより、アナログの延長だったのではないでしょうか。
自分がパソコンで打った文章が相手の受信トレイに届く感覚は、ポストに手紙が届く感覚に近かったのです。
スピード感も、ゆったりと流れていたし、1通1通が丁寧なコミュニケーションが介在していました。
インターネットと電子メールの世界がやってきて、コミュニケーションを変えられると思った!
1990年代初めまでは、私の周りのコミュニケーションは、家の固定電話の子機や、直接会って話をする仲間との時間が中心だった。
ポケベルを持ってるなんて、特別なやつだったし、PHSなんて大学生になってから持ってるなんて限られていました。
今の若者は、携帯・スマホありきだろうし、私の下の世代はパソコンが家にあるのが当たり前だったろうけど、まだ手書きのノート(交換日記なんて懐かしい)や固定電話(公衆電話)が必需コミュニケーションツールでしたから。
Microsoftという会社が、Windows95で世界にインパクトを与えて、その後、インターネットというものが世の中に急速に広がっていきました。
ビジネスアプリケーションのWordやExcel、PowerPointを使うより前に、ホームページと電子メールがやってきたのです。
世界と繋がっているインターネットの世界。
電子メールというコミュニケーションスタイルは新鮮でした。
既知の友人とのコミュニケーションだけでなく、新しい友達を探してみようと私が動き始めたのは、まさに20歳頃でした。
この電子メールは、知らない人と出会えるかもしれない!(怖い部分はあるけども)
日本全国に、年代関係ない友達・知人が増やせるかもしれない。
SNSが当たり前になると、こんなことに驚かないだろうけれど、当時は、革命に思えたのです。
「メル友」募集のサイトを見ながら、返事がもらえるかどうかわからない相手にメールを送りはじめて、世界が変わっていきました。
「メル友」とのやりとりは、テレクラ風?文通風?
47都道府県や県庁所在などは知っていても、自分が足を運んだこともない、縁もゆかりもない地域はいっぱいありました。
まず、自己紹介のひな型を作り、相手のプロフィールを見ながら、個別にアプローチをしていきます。
10人にメールを送っても、返信が来るのは1人か、2人。
なんとも非効率な方法ですが、時間がある学生だから、このルーティーンはコツコツとできました。
返信が来ても、次のメールをどう送るかは、相手の内容次第で決まります。
100人のメル友を集めるまでに、どれぐらいの時間をかけたのか記憶は定かではないですが、かなりの労力を使っていました。
本名ではなく、ハンドルネームやニックネームの人が大半。
同じ名前の人がいると、判別がつかなくなります。
どっちの人だっけ、とメアドを見て気が付きます。
軽いノリでショートなやりとりを頻繁にやる、チャット風の人もいれば、明らかに異性関係を迫るようなディープなものまで多様でした。
当時、メル友を作るテクニックのことをテレクラ風の口説き方だという人がいましたが、なんか少し違っていたような気がします。(異性探しが目的だったのでしょうね)
一方で、真面目に文通をかわすペンフレンドのように、長文の渾身を込めたものも届くと、こちらは真剣に返信メールを書いてました。
「メル友」が増える中で、今までの友人・知人とは違う日本人が、たくさんいるのだという当たり前のことに気付かされました。
「メル友」とリアルに会ったこともある
増えていく、「メル友」のなかで、リアルに会いたいという話に展開する人もいました。
思い出しつつ、誰も傷つけない前提(多少の脚色はお許しください)で当時の例を書いてみます。
地方の女子高生は、プリクラ入りのかわいい手紙を送ってきた
東北地方の女子高生(年下)と「メル友」になったのですが、彼女が私の住所を知りたがるという不思議な展開に、かなり違和感を感じながらも、断る理由がなくなり、住所を教えてしばらくたつと、リアルの手紙が届きました。
かわいい文字とプリクラの写真を送ってきました。
ラブレターとは違うものの、親愛の情に溢れすぎる中身を何度も読みました。
彼女は、ブラザーコンプレックスで、お兄ちゃんが欲しいという願望が強かったのです。
実在する私を、仮想のお兄ちゃんにしていたのです。
何度か、お手紙を頂戴しましたが、それっきりです。
くれぐれも、未成年に悪いことはしていませんので、悪しからず。
なぜか、初めましてなのにデート風の盛り上がりを求められた話
私が、当時、ハマっていた歴史上の偉人、坂本龍馬の出身地が同じ年上の女性のメル友。
比較的、近い地域(首都圏)内に住んでいるので、会ってお酒を飲もうという話になりました。
未成年ではないので、お酒はOKですが、どんな女性が現れるのか、ヒヤヒヤドキドキして、当日待ち合わせの場所に行きました。
至って、普通の女性で、タイプかどうか、という判断は覚えていません。
とにかく、彼女の話を聞きながら、盛り上がりました。
お酒を飲みすぎた彼女の介抱が必要になり、なぜか猛烈にキスをされるという、甘酸っぱい謎の体験です。(もはや時効でしょ、時効)
この年上の女性は、少し前に彼氏と別れたこともあり、寂しかったのでしょうね。
すいません。時間は潰せてあげましたが、心の隙間を埋めるスキルはありませんでした。
「メル友」関係は1対1だから、メッセンジャー(DM)に近い
ビジネスのメールであれば、宛先が複数あったり、CCに設定されていたりするので、1対多の関係性が成り立ちますが、「メル友」の場合、基本は1対1の関係性です。
メールの頻度が減った今、SNSのタイムラインではなくて、メッセンジャーアプリ(DM)に近いと考えてください。
メッセンジャーだと、挨拶もないし、署名もないので、シンプルな短文の連絡です。
メールの場合、個人差はありますが、チャットではないので、数行の文章がお互いに交わされるので、電子手紙=email、です。
何度か、お互いにやりとりをするうちに、親しくなることもあれば、疎遠になることもありました。
そして、当時のメル友とは、誰ともつながっていないのです。
古い友人であれば、学生時代とか、近所だったとか、明らかな共有時間の感覚がありますが、メル友には、それがありません。
まして、当時のプロバイダーのアドレスがなくなった今、調べることもありません。
あの時、世の中には、色々な人がいるという感覚をインターネットとメールの世界で味わえたことが、今の自分の糧になっているのですから、無駄ではなかったと信じています。
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投稿者プロフィール
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。