遠藤周作『沈黙』から江戸時代のキリシタン弾圧を外国人の司祭の立場や思いを想像する

著名な作家であっても、自分が読んでいない本は何冊もあるもの。

好き嫌いというよりは、読む必要性を感じていないなら、存在は知ってはいても読まない作家や本は、一生知らないままかもしれない。

今回、遠藤周作の『沈黙』を読んだのは、仲間との読書会の課題本に選ばれたから、というのが単純な理由です。

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歴史上の事象を丁寧に読み解いた一冊『沈黙』

遠藤周作さんの『沈黙』と言えば、江戸時代のキリシタン弾圧の物語というイメージを抱いていました。

キリスト教を敵性宗教とみなし,禁圧と根絶のためにとった政策,制度と禁圧の実態を総称していう。 豊臣秀吉が1587年バテレン(伴天連)追放令を出したのが初め。 江戸幕府は1612年禁教令を出し,以降一貫して禁制政策をとった。(コトバンクより引用)

このテーマの本を丁寧に調べてしたためた、遠藤周作さんの力量が満点

キリスト教と向き合った地方の近世日本人と外国人司祭の関係性

ヨーロッパから見て日本なんて、遠い国。

まして、飛行機がない時代、船で時間をかけて訪れようなんて志を持って行動するなんて、正気の沙汰じゃ考えられません。

布教のためとはいえ、覚悟を決めて、人生をかけて、日本に訪れた宣教師(司祭)たち。

彼らは、日本の地方に辿り着き、貧しい生活を送る人々の心を掴み、信者を増やしていく。

為政者側は、信仰を取り締まり、外国の神を許さず、弾圧をしていく。

この関係性の中で、外国人司祭たちの好奇心と行動力、覚悟の凄まじさを想像すると、とんでもないリスクと使命感がなければ実現できないと気付かされます。

一方で、日々が苦しく、貧しい農民や庶民にとって、誰もが救われるキリスト教(異教)は、理解度は別として、幸せへのパスポートに感じたのは間違いない。

どう考えても、言語も文化も違いすぎて、噛み合うはずがないのに、なぜ、関係性が成立したのだろうか、と想像すると奇跡的な話としか思えない。

沈黙』の歴史的背景を想像して、この部分を頭に入れないと、ストーリーとしてラストへの展開への理解が進まないでしょう。

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弾圧の仕方が激しいのは当時の体制を守るため

沈黙』で遠藤周作は、さらっと書いているものの、キリシタンへの弾圧の手法は、あまりに激しく、残忍すぎて、言葉を失ってしまう。

この作品を映像化するのは無理かもしれないと考えてしまうのは、宗教色というだけでなく、弾圧の残酷さにあると感じます。

当時の幕藩体制、士農工商などの社会制度を守るためには、農民たちは、必死に働いて、少しばかりの食事で生きさせる、「生かさぬように、殺さぬように」というギリギリのラインを強いていた時代。

だからこそ、異教により、人心を惑わせるのであれば、踏み絵も拷問も容赦なく行ってしまえる姿。

人権なんて考えがないのだから、徹底的に相手をいたぶることに躊躇がない。

体制側を守るためには、容赦なんてできないという圧力を感じる。

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貧しい地方の農民たちはすがりたいものが必要

貧しい地方の農民たちにとって、生きていく上で、すがりたい存在は不可欠だったので、中身が100%理解できなかったり、本質を誤解していても、信仰心を持とうとしたのは納得できます。

この『沈黙』の中でも、極楽浄土以上の世界を死後に期待している人々の言葉が出てきます。

現世の人生を変えられないのであれば、あの世、死後の世界では、幸福でありたいと願う。

禁じられていることは百も承知の上ですから、極力、表には語らず、秘密裏に信仰心を持っている人々。

そこに介在する外国人司祭たちは、救ってくれる神のような存在で、崇め奉る気持ちが芽生えるのは理解できます。

救われない思いと生き方が『沈黙』のポイントだった

沈黙』のネタバレを控えながらまとめてきましたが、布教活動のために日本という異国に訪れた彼らは、庶民を救えたのかという、1点について想像してみます。

おそらく、大半の庶民は、誤解をしながら、救われたような思いを抱いたのでしょう。

一方で、布教活動に訪れていた外国人たちは、理解されない異国と異文化の中で、彼らを本質的に救えないかもれしれない、本当の意味で理解ができていないと分かっていながら、人生を終えたのではないかと考えます。

志を持ち人生をかけて、遠く離れた日本に訪れた結果、彼らが残した爪痕は、歴史の側面として表現されることはあっても、本来の意図として刻まれたのかは、甚だ疑問です。

この救われない双方の姿が『沈黙』では描かれていたと私は感じました。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。