村上春樹の作品を理解するのは難しい。映画化して成功するのは、もっとハードルが高い。
濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」は、第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。
アメリカで、さまざまな受賞を重ねて、第94回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞の4部門にノミネートという偉業を成し遂げた作品を鑑賞しました。
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Amazonプライムビデオで、追加の500円を払った鑑賞した
年間4,900円、または、月額500円のサブスクサービスである、Amazonプライムでは、映像作品が追加費用なく見れる作品が数多くあります。
新作など作品によっては、個別に追加費用がかかります。
「ドライブ・マイ・カー」は、プラス500円を払って鑑賞してみることにしました。
ドライブシーン中心で、物静かな作品は日本での評価は難しい
世界で認められた邦画作品は、一気に話題になって、アカデミー賞で評価されて、劇場で再公開というケースの作品。
ただ、世界で評価された作品ほど、国内では酷評されることが多い。
私の周りでも、映画「ドライブ・マイ・カー」を見た人の評価は微妙でした。
・村上春樹の原作だから難しい
・人物の内面に問う作品の持つ暗いイメージ
・ドライブシーン中心では退屈だ
想像できるコメントばかりです。
作品全体が物静かだと日本人の映画ファン(専門的な深いファンは除く)は、喜んでもらえない傾向にある。
ファンタジーやアクション、恋愛モノなどと比べると地味に感じてしまうので、派手な作品に浸されてると、この手の作品は、理解ができないというのもわからなくはない。
私個人も考えたけど、理解が追いつかない部分が残りましたから。
西島秀俊の抑えた演技はアクションメインより輝いている!
「ドライブ・マイ・カー」の主役・家福(かふく)を演じた、西島秀俊の抑えた演技が、この作品のクォリティを高めていると感じます。
西島秀俊さんは、所属事務所のアイドル的な俳優として売り出そうという意図に反して、20代〜30代には干されていたような期間があります。
考えてみると、香川照之、阿部寛、など今をときめく俳優陣は、この干された期間を乗り越えて活躍している役者と同じようなカテゴリーだと思います。
西島秀俊さんは、MOZUシリーズなどで、ハードなアクションをこなすほど、肉体派な面も持ちつつ、笑顔の溢れる優しい大人の男も演じられ、今回のような寡黙な役も似合います。
今回は、タバコを吸いながら抑えた、言葉を発しない抑えた演技が多かったのですが、それだけに表情や動きに注目が集まりました。
個人的に、アクションメインの姿よりも、こちらの抑えた演技の方が輝いているように感じます。
出演役者の顔触れやボリュームメインの作品との対比
昨今の映画・映像作品は、特定のスター中心で盛り上げる作品は減っていて、テーマの独特さや、多彩な出演役者の顔触れ・ボリュームが豪華さの象徴という作品が目立っています。
三谷幸喜作品などが典型例ですが、とにかく、有名な役者がたくさん出演して、盛り上げる作品の代表格です。
この場合、一人の役者あたりの出演場面、セリフは減っていきます。
例えて言えば、「幕の内弁当」のようなものではないでしょうか。
ハズレのない作品ですが、結局、わちゃわちゃした雰囲気の印象しか残らないと批判されるのもわかります。
その点、この「ドライブ・マイ・カー」は、西島さん以外で、目立つ役者は、三浦透子 岡田将生、霧島 れいか、といった方々以外は、インパクトが残りません。
3時間に及ぶ大作なのに、大物、中堅の俳優を使わないといことは、どれだけメインキャストを軸に作品が展開されているかが明白です。
もちろん、物静かな映画なだけに、スクリーンの前でゆったりした座席で見ていたら、寝てしまうのかもしれない作品とも言えますが。
人の内面の深い部分が画面に広がる作品
結局、この作品で何を伝えたかったのか?
登場人物の内面の深い部分を伝えようとしており、シンプルな感情だけではなく、複雑に入り組んだ想いが重なっているので、どうしても暗い印象が残ってしまいます。
日本人は、勧善懲悪なシンプルな作品こそが、エンタメの王道だという長年の感覚が染み付いているので、もやもやした心境が残ると消化不良を感じがちです。
現実生活に戻れば、もやもやした感情が当たり前なのに、不思議ですね。
くれぐれも、この作品は、お子さんと一緒に見ないように。(特に前半はNGですから)
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。