あなたは途中で寝ないで読める?言葉の奥深さを感じる哲学者の対談本

偶然、手にした本には意外な出会いとして価値があります。

哲学者の対談本なんて、自分に吸収できるのだろうか、という不安があっても、新書ベースなら読めるかもしれないと考えて、『言語が消滅する前に』(幻冬社新書)國分 功一郎千葉 雅也  を読み進めてみました。

あなたにとって、「言語」はどんなものだと考えますか?

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あなたは途中で寝ないで読める?言葉の奥深さを感じる哲学者の対談本

知識ある哲学者の対談って深い、深すぎる

『言語が消滅する前に』は、2人の哲学者のバラバラな5つの対談企画を1冊の本に集約しています。

読んでいるうちに、2人の世界観に巻き込まれそうになりますが、所々で、考え方が追いつけなくなりそうになるレベル。

やはり、哲学って、人間にとって大切なのだろうけど、心に余裕がないとじっくりと考えられないものだと感じました。

そもそも、中動態ってなんだ?!

國分さんの主張する「中動態」自体がよくわからない。能動体・受動態と同じカテゴリーだというのはわかりますが。

「能動態/受動態」という動詞の「態」の区別は英語やフランス語にもあるが、例えば古典ギリシア語には「中動態」というものもある。第一に押さえるべきは、この態は決して〈能動と受動の中間を表すもの〉などと理解されてはならない、という点だ(そもそも「能動と受動の中間」と言うだけでは何が意味されているか分からない)。

中動態は固有の表現機能をもつのだが、《それがどのようなものか》はとりあえず具体例を見て確認するしかない。

「中動態」っていったい何?話題の哲学者・國分功一郎の思想を読み解く

つまり、私たちの言語・考え方に「中動態」というものがあったという話。

そうは言っても、今まで意識したことがない概念だけに首を傾げてしまう。

哲学者って、やっぱり、思考回路が一般人とは違いますね。

「人間らしさ」の喪失は、言語が消滅しそうだから

國分 功一郎さんと千葉 雅也さんという注目される2人の哲学者の対談を一冊の本 『言語が消滅する前に』 にまとめています。

現代の危機は「人間らしさ」の喪失という問題について、向き合って、さまざまな言葉・思考などに課題があるという切り口。

読んでいて、わかるようで、難しく感じるのは哲学者の対談だからなのか、単純に飲み込めるビジネス本や自己啓発本とは明らかに違います。

難しい議論はさておき、SNS・ブログも文字・言語の表現から、Instagram、TikTok、YouTube、などビジュアルなものにシフトしている時代だというのは納得できます。

人類は、言葉を生み出し、文字を作り、概念を作り、コミュニケーションを図ってきました。

もちろん、非言語なコミュニケーションも用いていますが、他の動物たちと違うのは、この言語力を扱えるという点に尽きます。

だからこそ、この2人がさまざまな議論を重ねながら、「人間らしさ」を失いかねないという前提で危機感を提示しているのは納得できます。

読む・書く・考えるを面倒に感じるようになっているのでは

さまざまな情報を猛烈なスピードで処理する時代になったことで、私たちは、読む・書く・考えるという当たり前の人間としての行為が追いつかなくなり、見る・聞くにシフトしすぎていないでしょうか。

もちろん、最近のトレンドではなく、映画やテレビなどの映像を受けとるようになってから、新聞や本は読まないし、難しい議論よりも、感情的に動くトレンドネタに動かされがちです。

じっくり考えて議論したり、少し難解な文章を読んだり、書いたりする行為と距離を置くようになったのは事実です。

『言語が消滅する前に』の中に出てくる、フレーズも耳にして、目にしているようですが、深く考えることは減っているのかもしれません。

結果として、言語が消滅しそうになっていると2人が警鐘するポイントが、ここにあります。

言葉という武器を大切にしたい

もちろん、言葉というのは刃にもなります。

TwitterなどのSNSによる誹謗中傷によって傷つき、命を絶つ人が出てくる度に、短く強いフレーズを思い出します。

言葉は刃物なんだ。【劇場版 名探偵コナン沈黙の15分(クォーター) より

つまり、使い方によって、大衆の心や行動につながる、大いなる武器になる一方、人を傷つけてしまうことも容易な存在なのです。

言葉の扱いが雑になったり、希薄になることで、思考も感情も単純になり、安易に他人を傷つけることに抵抗感もなくなります。

SNSなどはアルゴリズムで自分と近い思想や考え方以外の情報を遮断してしまうため、余計に、自分とは異なる意見や言動に対して叩くという行為が見られます。

こういう社会問題があるという前提を忘れないためにも、言語が人間にとって不可欠なもので、日々、言葉も思考も深めつつ、人とコミュニケーションをする日常を忘れてはいけないのだと実感します。

『言語が消滅する前に』の2人の哲学者の対談の深さに全て追いつくことは、不可能かもしれません。

ただ、言語が私たちにとって重要なものであるという認識だけは失わないように注意していきましょう。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。