【レビュー】『あの日』小保方晴子

何が真実で、嘘なのか、間違いは何か?

STAP細胞の人、小保方晴子さんのことを覚えているだろうか。
流れ星のような存在だったと私は思います。小保方さんの手記あの日を読みました。

彼女の学生時代から振り返る話、研究職を目指して、成長していく前半の物語は、明るく前向きな女性そのもの。おそらく、優秀な女性として周りも認めてくれた存在。
そして、彼女の周りで関わってきた研究者たち。

正直、私には研究のテーマも、専門用語も理解できていません。ただ、ワクワクしながら、彼女が日々を過ごしていたことは想像できました。

誰が正しい、間違っているという話ではなく、彼女が若手の研究者として、頑張っていた時期の話が綴られていています。おそらく、相当頑張っていたのでしょう。
そこで、研究成果を見せる上で、間違ったデータを元に、公表した点は、ケアレスミスなのかもしれませんが、注目されただけに、周りの厳しい目にさらされることになりました。

後半まで読み進めていくうちに、彼女が壊れていった経緯には同情します。
研究者としてのミスに対して、マスコミからのバッシング的な対応を続けられて、社会的に制裁を受け続ける姿。誰も彼女の見方をするのではなく、袋だたきにして、面白がっていた時期のことを覚えています。

彼女は、実績も評価も、論文も博士号も失いました。属していた組織も、個人の問題として、すべてを片付けていったようです。その冷たさは、どれほど、彼女が抗っても認めてもらえないストーリーがなりたっていたのだろうと理解できました。

では、何が真実で、何が間違い、嘘だったのか。それは、意図的、作為的な行動からなのか。偶然の産物なのか。

彼女は、明らかに元指導者に対して、不審を抱いているのがわかります。ただ、どうしてそのような展開になったのか。別の立場の人からも検証が必要でしょう。

この騒動後も、日本の科学分野でのノーベル賞受賞は続いています。
日本の研究者すべてが否定されたわけではないようです。また、STAP細胞を確認できたというニュースも流れています。

ただ、彼女は、自分のやりたい研究を続けたかっただけで、世紀の大発見を目指していたわけではないらしい、ということは認めてあげたくなりました。

サラリーマン・サラリーウーマン同志の皆さん、単独で、1人で仕事をするよりも、チームや仲間、お客さんなどと一緒に仕事はしていますよね。そこには、信頼関係が必要です。また、仕事を覚える上で、先輩や上司から正しい指導をうけて、厳しくチェックされて、同僚と競い合うことも日常だと思います。
正当な評価を受ける為には、自分の襟を正して、クオリティの高い仕事をすることは当然です。それが、仕事へのプロ意識です。忙しい、大変だという言い訳は通用しないでしょう。今回、小保方さんの手記の中で、プロだとは思えない甘さを感じました。社会として、その部分が許せなかったので、バッシングされていきました。些細なミスを許さないという話ではなく、小さなことこそ、丁寧に、完璧を目指していくこと、自分の責任ラインを明確にしておくこと、エビデンスを残すこと。どんな仕事であっても、あいまいなまま、流されてはならない。このことを私は、この一冊から学べました。