「◯◯先生、離任式に来なかったよ」
我が子が家に帰ってくるなり、大きな声で報告したフレーズ。
感情は強くないものの、少し納得できない表情でした。
聞き流すには、ちょっと気になったので、頭の中を整理しつつ、子どもたちの気持ちを慮ってみました。
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離任式に昨年までの担任は現れなかった
本来ならば、クラス替えのないタイミングだから、担任の先生は持ち上がりのはず。
もちろん、離任式は形式上のもので、参加しなければいけない義務はないのかもしれません。
離任式(りにんしき)とは、学校・自治体・警察・消防・自衛隊等の組織で、組織に所属する職員や組織の長が人事異動により離任、もしくは定年等により退職する際に行われる式典である。学校等によっては辞校式(じこうしき)または退任式(たいにんしき)とも呼ばれることもある。(Wikipediaより)
ただ、子どもたちは、最後のお別れの挨拶だけでも聞きたかったのではないでしょうか。
教師個人の諸事情はわかるが、子どもたちへのメッセージは必要
修了式では、お別れに関する話はしていないという某先生。
私は、修了式の通知表の出席日数にコロナ禍のオンライン授業分が対象外になっていたのが不思議で、学校に問い合わせて、先生と話をした。
「今年は頑張ってくれていて、6年生になっても、成長してくれると思いますよ」
という、当たり障りのないトークを最後に電話を切りました。
※ コロナのクラスメート発生のため、オンライン授業になると、登校をしていないため、出席とはカウントされないそうです。(教育委員会さんは登校至上主義なんですね、まだ)
それが、先生と言葉を交わす(そもそも会話する機会もなかったけど)最後の出来事でした。
4月の新年度の体制では、当然ながら、着任される新しい先生と、異動や退任される先生・職員の一覧が並びます。(異動先が明示されるプリントが配られます)
昨年度までの先生は退職されることはわかっても、その後については、空欄だったので、謎のままでした。
きっと、離任式では何か、子どもたちには挨拶・スピーチがあるはずだと思っていたのですが、結局、参加されず。
我が子や同級生たちは、もやもやした気分のまま、下校してきました。
離任式は退職・移動後だから義務ではないのはわかるが
考えてみれば、離任式は、修了式以降の春休みや新年度になってから行われるので、当事者の都合で参加できないケースもあって仕方ありません。
考えてみれば、年度を跨いだのであれば、着任校のスケジュールや、退職・退任後の個人の人生ですから、参加の義務はないでしょう。
もし、最上級生を卒業で見送ったならば、参加されなくても、正直、誰も困らないのだと思います。
ただ、もう1年は、その先生と一緒に過ごすと思っていた子どもたちにしてみると、離任式での挨拶・スピーチだけは聞きたかったはず。
せめて、メッセージだけでも届けて、副校長なり、誰かが代読すれば済む話です。
年度中にクラス運営を放棄したわけではないですし、不義理なことをしたとは決して言えないのですが、お別れの仕方を教えるのも、先生として最後の仕事なんじゃないかと思うばかりです。
ただただ、残念です。
リモートワークだと入社時のご紹介案内と退職・移動時の定型メールのみ
私自身に置き換えてみれば、リアルで出社していた頃であれば、退職・異動などがあれば、送別会・壮行会という名の飲み会があり、形式的かもしれませんが、プレゼントと挨拶があって、立ち去っていくという儀式でした。
コロナ禍でリモートワークになると、同僚が顔を合わせる機会も減り、入社時も、メールやオンライン会議に参加しての挨拶に始まり、退職や移動は定型メールのみで終わるという方が大半です。
親しかったかどうかは別にして、最後のセレモニーとしては何かしらあります。
今回は、オンライン学習・連絡ツールへのメッセージも、親のメールアドレス宛への挨拶も何もなく、消えるようにいなくなった感じは、どうも不自然なしこりが残りました。
立つ鳥跡を濁さず、ではないですが、最低限のルールを持って、去っていくのが当たり前なのではないかと感じます。
欧米のように、即刻、解雇になるような文化ではないので。
子どもたちを導くべき存在ならば、最後は見事に締めくくって欲しい
もちろん、退職に至る背景は、健康上の理由なり、プライベートな事情なり、色々あったことと察します。
春先に引っ越して一人暮らしを始めるようなことを仰っていたようなので、何らかの人生の転機が迫っていたことは暗に子どもたちには伝えていたのでしょう。
白黒はっきりするエンディングだけでなく、もやもやするお別れも人生には何度も出てきます。
個人情報も騒がれているだけに、先生個人の住所も連絡先も誰も知らないのです。
もちろん、先生個人も、教え子たちの個人情報は手元に残っていないでしょう。
この春からリセットして、新たな人生を歩んでいる元担任の先生の姿を想像して、頑張ってほしいと切に願いつつ、せめて、子どもたちに向けてだけでも、最後は見事に締めくくって欲しかったです。(コロナ禍で運動会やクラス運営は頑張っていらっしゃっただけに寂しいです)
時間が経つと忘れてしまいそうなエピソードだけに、ホットな状態のタイミングでブログ記事にしてみました。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。