2000試合もプロレスラーとして戦ってきた、アントニオ猪木の回顧録『生きるために闘う』

衝撃のニュースが伝わってきました。

アントニオ猪木が、2022年10月1日、「全身性トランスサイレチンアミロイドーシス」による心不全のため自宅で死去。(79歳没)

ストロングスタイルでプロレスに注目を集め、参議院議員としての活動、根強い人気を抱えた、アントニオ猪木が亡くなった事実に向き合いながら、一冊の本を読みました。

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2000試合以上戦ってきた、アントニオ猪木というプロレスラー

アントニオ猪木といえば、新日本プロレスを旗揚げし、異種格闘技との戦いも経て、政界にもチャレンジしてきた特異なキャラクターを全面に出した人物です。

「元気ですかーー!!」

という言葉から始まり、一般人にビンタをするという行為で、喜ばれるのは彼しかいません。

一方で、引退するまでに、2000試合以上も戦ってきた、プロレスラーとしての姿、興行主(プロモーター)としての活動、いずれにしても規格外の人物でした。

たくさんの著書、活動の中で、2022年6月に、週刊大衆の連載記事をもとにまとめられた一冊『生きるために闘う』を読んでみました。

彼が長年、プロレスラーとして戦ってきた、相手のことを感想も交えて正直に語っている中に、深い洞察やビジネスとしての才覚、行動力が垣間見れる内容に溢れていました。

アントニオ猪木が何を考えて、どう戦ってきたのか。

ただ、俺の中にはゴッチ流のストロングスタイルの血も流れていれば、力道山的な「魅せる」プロレスの遺伝子もある。本当のプロとは、強さだけを誇示するのではなく、観客を魅了する者を指す。

スポーツではなく、ショービジネス(八百長)と言われるプロレス界の中で、彼が最前線を走り続けてきたからこそ、世の中に注目されてきたことは事実です。

彼は、プロレスラーの身体の強さを示すだけで、勝負にこだわるのではなく、受け身の状態で魅せることも考えたいたというバランスが絶妙だった人物だと捉えています。

全てが成功者でないところに魅力がある

プロレスラーとして、タイトルに誇りを持つわけでも、政治家として本当にやりたいことが実現できたともいえず、事業家としてお金持ちになることに成功したわけでもない、アントニオ猪木。

ある意味、賭けに失敗して、多額の借金を抱えたり、結婚・離婚も繰り返す人物。

ある意味、はちゃめちゃさとスケールの違う人物でありながら、全てにおいて成功者でないということが、最大の魅力なのです。

今の時代、普通ならば、彼の行動・言動は奇異なもので、批判も多そうなのに、アントニオ猪木なら、というスタンスで周りが認めてしまうのも、彼の存在感全体を物語っていると思います。

アントニオ猪木「最期の言葉」の動画に涙を浮かべてしまう

亡くなる直前の動画がYouTubeにアップされていました。

闘魂・アントニオ猪木の最晩年は、何か物悲しさを感じますが、この自分をさらけ出しても構わないと思えるところが、彼の人間性の表れだとも思います。

環境問題に取り組みたいという姿勢と想いは誰かがしっかりと引き継いでいくべきです。

アントニオ猪木のようなスケールの大きな人物は、これからの日本に生まれるのだろうか?

昭和から平成を駆け抜けてきた、アントニオ猪木のような存在は、これからの日本に誕生することはあるのでしょうか。

批判・非難だらけで、変わったことをすれば叩く社会の中で、突き抜けるだけの意志と行動力を持った魅力あふれる人物。

私自身、プロレスマニアでもなければ、アントニオ猪木の信者でもありません。

ただ、彼の残した足跡から、何らかのヒントを得ながら前に進んでいきたいと考えています。

一歩進んで、一歩下がる。そんな毎日だが、前に進む気持ちはいつも変わらない。人は歩みを止めたとき、老いていくと言った俺だ。  いつか来る最後の日まで、笑って歩き続けるつもりだ。  2022年6月末日 アントニオ猪木

ご冥福をお祈りいたします。

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投稿者プロフィール

安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。