日本で「イクメン」がブームだったのは2000年代〜コロナ前までだったと記憶しています。
マスメディアの主婦向け情報番組などが、子育てに熱心な男性を現代的な父親像として描いたことで、普及しました。
少しだけでも育児を手伝う姿を見せることで「イクメン」と称させることに、パパ(男性)の満足度と育児貢献が増えたのは事実ですが、実態はどうだったのでしょうか?
アメリカbんかの家族の表象について研究している、関口洋平さんの『「イクメン」を疑え!』を読んで見つめ直して見ました。
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「イクメン」と言わなくも我が子に関わる父親・パパは不可欠
「イクメン」と言う言葉が頻繁に使われていた時期と、我が子が小さい子どもだった時期が被るため、この言葉は、常に付きまとう存在でした。
自分にとっては、週末や平日の空いた時間、どんな時でも子どもと接してあげる僅かな時間が貴重だったのであり、ものすごく苦労をした、大変だったという記憶はありません。
そもそも、「イクメン」なんて言葉がなくても、核家族な環境だったら、手伝うのは自然なことだと考えているので、違和感はありませんでした。
日本に育児する父親像を持ち込んだのは海外のスタイルからじゃない!
『「イクメン」を疑え!』を読むと、海外、特にアメリカの家族像が浮かんできます。
実は、日本ほど、育児に関して、充実した公的サービスがあるわけではなく、家族や民間サービスを活用せざる得ない状況で、仕事と家庭のバランスを図り方も理想的とは言えない実態が浮かび上がります。
本の中で、『クレイマー、クレイマー』『ミセス・ダウト』『幸せのちから』など、映画作品を取り上げながら、父親と子どもの関係を考えさせる考察が続きます。
確かに、父親像として、大成功していると言うよりは、子どもを育てながら、どう父親が関わるかは、映画の設定によって、さまざまですが、力強く戦う父親像が中心のアメリカ映画の中では異色の作品たちです。
私は、『幸せのちから』が好きで何度も見ていますが、父親視点ではなく、息子視点で見ると、行き当たりばったりな父親に振り回されて生きることに苦労しているのを感じます。
決して、日本の父親が育児を放棄しているのではなく、大家族の環境で面倒を見れなくなった先進国では、どこでも大差がなく、費用も時間もかけながら、子どもを育てるのに苦労しているのは一緒です。
その中で、ママ・母親だけのワンオペには限界が生じているのですから、パパ・父親が協力するのは当然の話です。
ビジネス的観点や新自由主義と絡んだ「イクメン」なのか
著者の関口さんは大学教授だけに学術的に「イクメン」現象を分析しています。
新自由主義が生んだとか、ビジネス的観点で考えるとか、難しい議論が続きますが、我が子とどこまで関わる精神的な余裕があるかどうか、だと感じます。
赤ん坊や幼児は、大人の思った通りの都合の良い行動を取ってくれません。
それは、誰が子どもだった時代も一緒のことです。
確かに、モーレツなサラリーマンとして父親が働くことだけに集中していた時代は、育児放棄に近い状態のパパ・父親は多かったでしょう。
もちろん、子どもとの接し方のうまさ、下手さ加減なども考えると、女性の方が育児に向いているのは事実。
ここで忘れてはいけないのは片親になるケースの話が漏れている点です。
どうしても、シングルマザーが大変だという理屈が世の中に広がっていますが、諸事情により、シングルファーザーになっている男性も大変なのをご存知でしょうか?
当然ながら、育児、家事、仕事をこなしながら生きているのですから、猛烈な負担と疲れの中で生きているのは間違いありません。
そんなシングルファーザーを「イクメン」などと言わないことを考えると、明らかに男性に育児へ協力をしてもらうことを望む側の目線で作られた言葉なのだと理解できるでしょう。
少しでも、「イクメン」とされたパパ・父親たちが喜ぶと、ママ・母親たちは、それぐらいのことで偉そうな態度を取るな、という冷たい視線を感じるのは当然のことです。
要するに、人生の中で、自分の時間配分をどのように変える必要があるのか、という問題の本質を忘れていることで起きている事象なのです。
週末に近所の大きな公園で子どもと遊んでいると「イクメン」だと言われたけど
私自身、我が子が小さい時は、疲れ切っている妻と、遊びたい子どものために、週末は、近所の大きな公園で一緒に遊んでいたものです。
その姿を見かけた知り合い(近所の主婦なのかもしれません)から、「旦那さんはイクメンねー」などと言われたそうですが、私は嬉しいとは思いませんでした。
子どもと無我夢中で遊べる時間なんて、人生の中で限られているのだから、一緒に、ブランコも滑り台もやればいいのであって、その時間を無駄とは思っていなかったからです。
逆を言えば、他のパパ・父親は、この時間帯に何をしていたのか、と疑問を持つ程度です。
「イクメン」なんて死語になればいい!当たり前のことだから
「イクメン」ブームが去り、ごく普通に、パパ・父親ができる限りの育児を手伝うことが当たり前になりました。
結果として、「イクメン」などという言葉は死語になったと言えるでしょう。
もちろん、得意不得意があるので、誰もがマルチな育児も家事も仕事もできる男性であるべきとは言いませんが、自分が得意なことを仕事にも、家族にも振り向けられる人間として生きるべきだと思います。
数年後、社会の教科書で「イクメン」という言葉で語られた時代があった、と残るかどうかも微妙だと感じています。
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【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。