【映画】「キネマの神様」(2021年公開)のノスタルジー感をどう捉えるかは世代差がある

本来の主役オファーを受けていた、コメディアン・ドリフターズのメンバーだった、志村けんさんの代わりに、沢田研二が演じてくれた作品「キネマの神様」。

松竹100周年記念作品として、山田洋次監督ワールドが広がる作品です。

この作品が、日本映画界の歴史とも言える物語として、見るものの去就を誘うのは当然です。

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キネマの神様

初主演作を幻にしてしまった、志村けんの存在

映画「シネマの神様」に主演として抜擢されるはずだった、志村けん。

彼はコロナウィルス感染によって、出演を辞退し、この世を去りました。

たくさんの役者陣との関係性がある中で、山田洋次監督が原作に大幅に手を入れて、作り上げた、映画界へのノスタルジーあふれる作品に、なぜ、志村けんを抜擢したのでしょうか。

もはや、彼のお笑いスタイルは、時代とミスマッチになり、テレビで見かける機会も大幅に減りました。

それだけに、菅田将暉と志村けんの二人一役という構想も含めて、謎が残っていました。

勢いのある世界、時代の躍動感と現在の映画界とのギャップ

この作品が、コロナの影響を受けて、主役を交代させて、公開時期も延期してまで、世に出されたものの、正直言って、若い世代には共感は得られないと感じます。

戦後昭和のノスタルジー色が濃くなればなるほど、もはや、過去の時代の話であり、時代の中心を生きる若者たちにとって、映画界に強い興味関心を持つ人は減っているでしょうから。

今なら、動画配信系サービスがオリジナル作品を作り、スクリーンではなく、各自のモニター環境で見れることで満足できる時代です。

ましてや、コンテンツが過剰になりすぎて、倍速視聴をしている若い世代からすると、このような作品のテンポは受け入れ難いものだと思います。

一方で、山田洋次ワールドが好きな中高年世代であれば、共感を抱きながら、懐かしく、切なく感じながら味わえる作品です。

明らかに、ターゲットがシニア層向きなので、間違っていない作品だと思います。

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沢田研二の演技と志村けんの演技で作品は変わったのだろうか?

代役として抜擢された、沢田研二(昔は、ジュリーと呼ばれてました!)は、人気歌手としてのルックスも含めた、輝かしい時代とは違う、ある意味、落ちぶれた年寄りとした雰囲気が似合います。

今なら、中高年の役者や芸能人は必死に、アンチエイジングに力を入れて、衰えた姿を見せないように工夫をしている方が多いのに、ここまで、老いぼれた雰囲気を自然体に出せる人も、沢田研二ぐらいだと思います。

もし、彼のように変貌してしまったら、芸能界などの目立つ場所から引退するのが普通なのでしょうから。

第一線で活躍している時から、親交があったという二人ならではの、見た目も人生晩年を訴えるオーラは似ています。

芝居や映画など、作品は一人で作れるものではないだけに、代役を立てることは必要不可欠です。

代役の方がハマってしまうこともあれば、やはり、元の役者の方が合っていたと酷評されることもあります。

それだけに、事情を抱えて、この主役を引き受けた、沢田研二の本音を聞きたいものです。

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スクリーン上で、映画界を語るというノスタルジー感に満足できるのか

大きなスクリーンで見るべきではないと感じる映画も増えているのではないか、と指摘されてしまい、興行成績だけで図る指標も、本質的に正しいのか疑問を感じるでしょう。

テレビの草創期を、テレビ局開局記念で放映されるのと同じように、過去の映像やエピソードをもとに、タイムスリップするような感覚が残ります。

やはり、映画のスクリーン上で展開されるからこそ、意味があったと断言できるのかもしれません。

銀幕スターという存在が、世の中の大半が憧れて、私生活が見えない相手としてワクワクさせられた時代と、プライベートをSNSで投稿してしまうタレントの時代とは大きく異なります。

スクリーンの向こうにはスターがいたのであって、テレビやパソコンのモニター、スマホの画面には、その存在感が圧倒的だと訴えかけるような人物が少ないのでしょう。

それだけに、ギャップを感じながら、ラストに向けて切ない気持ちになる作品に、感情移入できる人は限られてしまうのでは、と考えてしまいます。

山田洋次監督の象徴作品ではあるが、誰のための作品だったのかを考えさせられてしまう

映画「シネマの神様」は、山田洋次監督らしい作品です。

大きな博打もなければ、意外性もそれほどなく、安心して見ていられる作品です。

でも、きっと、海外の方たちには伝わらない、日本独自の文化を知り、興味がなければ伝わっていかない世界観があります。

最後まで見終えた後に、この作品は、志村けんさんのために作ったのか、昔の映画好きの人に作ったのか、誰に向けたメッセージを大切にしたかったのか、いまいち、ピンボケした印象が残ったのは事実です。

山田洋次監督の世界が悪いのではなく、受け入れられる人たちが減ってきている、という事実を踏まえて、いつまでも彼に頼ることなき、映画界であって欲しいと願うばかりです。

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安斎 輝夫
安斎 輝夫
【サードプレイス】ブロガー 、安斎輝夫。長年サラリーマンとして家庭と職場だけの生活に疑問を持ち、2017年から「サードプレイス」を研究・実践し、人と人をつなぐコネクターな存在になろうと決める。
Expand your life with energy and support. というミッションを定めて、人生を一緒に拡張していける仲間を増やすために活動を展開。月1回のリアルなイベント「サードプレイス・ラボ」の運営するリーダー(主宰者)。また、6人で執筆する、週刊「仲間と一緒にワクワクしながら、大人が本当の夢を叶える!サードプレイス・メルマガ」(まぐまぐ)の編集長。Facebookページおよびグループの「サードプレイス・ラボ」も運営中。